アンテナの街

(このまちはあんてなをあみのようにはりめぐらせて)

この街はアンテナを網のように張りめぐらせて

(なにもかもみはってるくちさがなくっていきがつまるわ)

何もかも見張ってる　口さがなくって息が詰まるわ

(ふたりでまちをでようふたりでたびをしよう)

二人で街を出よう　二人で旅をしよう

(ふたりからはじめることがゆるされないまちをでて)

二人から始めることが許されない街を出て

(はるかにながれるえいえんのながれ)

はるかに流れる永遠の流れ

(にてないこどもをあいしてください)

似てない子供を愛してください

(はるかにながれるえいえんのながれ)

はるかに流れる永遠の流れ

(にてないこどもをあいしてください)

似てない子供を愛してください

(むかしあったひとたちをかたがみにしてこのまちのひとは)

昔あった人たちを型紙にして　この街の人は

(おなじにならなきゃできそこないだとためいきをつく)

同じにならなきゃできそこないだと　ため息をつく

(わたしをよんでくださいなまえでよんでください)

私を呼んでください　名前で呼んでください

(みょうじのながれのなかにしかみあたらないものじゃなく)

苗字の流れの中にしか　見当たらない者じゃなく

(はるかにながれるけつえんのながれ)

はるかに流れる血縁の流れ

(にてないこどもをあいしてください)

似てない子供を愛してください

(はるかにながれるけつえんのながれ)

はるかに流れる血縁の流れ

(にてないこどもをあいしてください)

似てない子供を愛してください

(すれちがったこともないひとをまねして)

すれ違ったこともない人を真似して

(うまれるまえからあるくべきみちもあいすべきひともきめられていた)

生まれる前から　歩くべき道も愛すべき人も決められていた

(このまちであらそってうぶなひとたちをきずつけてみても)

この街で争って　うぶな人たちを傷つけてみても

(かなしいねむなしいねそれよりもにげてくずとよばれよう)

悲しいね　むなしいね　それよりも逃げて　クズと呼ばれよう

(はるかにながれるえいえんのながれ)

はるかに流れる永遠の流れ

(にてないこどもをあいしてください)

似てない子供を愛してください

(はるかにながれるえいえんのながれ)

はるかに流れる永遠の流れ

(にてないこどもをあいしてください)

似てない子供を愛してください