新型コロナウイルス感染症の診療の手引第4版ー4中

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令和2年12月4日に厚生労働省が各都道府県衛生局へ発出した文書
令和2年12月25日に改訂された第4.1版
第4章 重症度分類とマネジメント
4 重症の途中まで
L型とH型の対照表は省略

関連タイピング

問題文

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(4じゅうしょう 1.covid-19じゅうしょうはいえんのとくちょう)

4 重症 1.COVID-19重症肺炎の特徴

(covid-19のはいえんはlがた(ひかくてきけいしょう)とhがた(じゅうしょう)にぶんるいされる。)

COVID-19の肺炎はL型(比較的軽症)とH型(重症)に分類される。

(いずれもたかめのpeepをようするが、こきゅうりょうほうやちんせいのたいおうがことなる。)

いずれも高めのPEEPを要するが、呼吸療法や鎮静の対応が異なる。

(いちぶlがたからhがたへいこうするが、いこうしたことのはんていがむずかしい。)

一部L型からH型へ移行するが、移行したことの判定が難しい。

(てきせつなたいおうには、しゅうちゅうちりょうのせんもんちしきとかんしたいせいがふかけつ。)

適切な対応には、集中治療の専門知識と監視体制が不可欠。

(2きかんそうかんしゅぎ きゅうそくにこきゅうじょうたいがあっかすることにりゅういし、)

2 気管挿管手技 急速に呼吸状態が悪化することに留意し、

(きどうかんりについてはばひろいけいけんをもったしゅぎしゃ(きゅうきゅうせんもんい、)

気道管理について幅広い経験をもった手技者(救急専門医、

(しゅうちゅうちりょうせんもんいなど)をあらかじめちりょうちーむにふくめる。)

集中治療専門医など)をあらかじめ治療チームに含める。

(さらに、きかんそうかんはえあろぞるがはっせいするしゅぎであることにりゅういし、)

さらに、気管挿管はエアロゾルが発生する手技であることに留意し、

(ふぇいすしーるどあるいはごーぐるそうちゃくにくわえてくうきかんせんよぼうさく)

フェイスシールドあるいはゴーグル装着に加えて空気感染予防策

((n95ますくそうちゃく)がひつようである。 また、えあろぞるかんせんのりすくを)

(N95マスク装着)が必要である。 また、エアロゾル感染のリスクを

(へらすために、ぜんさんそかにひきつづき、ちんせいやく、)

減らすために、前酸素化に引き続き、鎮静薬、

(ちんつうやくおよびきんしかんやくをほぼどうじにれんぞくとうよし、)

鎮痛薬および筋弛緩薬をほぼ同時に連続投与し、

(ばっぐますくかんきはおこなわないじんそくどうにゅうきかんそうかん)

バッグマスク換気は行わない迅速導入気管挿管

((rapidsequenceinduction:rsi))

(Rapid sequence induction:RSI)

(がせんたくされ、さらに、ちょくしかでのそうかんにくらべかんじゃとのきょりがたもて、)

が選択され、さらに、直視下での挿管に比べ患者との距離が保て、

(こうくうないをちょくせつのぞきこまずにもにたーがめんをみて)

口腔内を直接のぞき込まずにモニター画面を見て

(そうかんしゅぎがおこなえるびでおこうとうきょうのしようをこうりょする。)

挿管手技が行えるビデオ喉頭鏡の使用を考慮する。

(3.covid-19じゅうしょうかんじゃへのじんこうこきゅうせんりゃく)

3.COVID-19重症患者への人工呼吸戦略

(1)きほんせんりゃく ardsにたいするはいほごせんりゃくをもちいる)

1)基本戦略 ARDSに対する肺保護戦略を用いる

など

(ちいきのいりょうていきょうたいせいにししょうがないかぎり、)

地域の医療提供体制に支障がない限り、

(しゅういへのかんせんかくだいをさいしょうげんとするこきゅうりょうほうをじっしする)

周囲への感染拡大を最小限とする呼吸療法を実施する

(2)はいほごせんりゃく ぷらとーあつせいげん)

2)肺保護戦略 プラトー圧制限

(かんきあつせいげん;ぷらとーあつとpeepのさを14cmh2oいかに)

換気圧制限;プラトー圧とPEEPの差を14cmH2O以下に

(ph7.25いじょうであればこうにさんかたんそけっしょうをようにんする)

pH7.25以上であれば高二酸化炭素血症を容認する

(1かいかんきりょうについてはたいぷべつにたいおうする)

1回換気量についてはタイプ別に対応する

(2つのたいぷにおうじたpeepせってい)

2つのタイプに応じたPEEP設定

(かじょうなじはつこきゅうどりょくにたいしてはきんしかんをこうりょする)

過剰な自発呼吸努力に対しては筋弛緩を考慮する

(3)かんきょうへのえいきょうにはいりょしたこきゅうりょうほうのせんたく)

3)環境への影響に配慮した呼吸療法の選択

(ていりゅうりょうさんそりょうほうをだいいちせんたくとする)

低流量酸素療法を第一選択とする

(こうりゅうりょうさんそりょうほうやひしんしゅうてきようあつかんきはしようしない)

高流量酸素療法や非侵襲的陽圧換気は使用しない

(しょくどうないあつそくていができるばあい、)

食道内圧測定ができる場合、

(ないあつしんぷく>15cmh2oはできるだけすみやかにそうかん)

内圧振幅>15cm H2O はできるだけ速やかに挿管

(じんこうこきゅうきのがすでいりぐちにばくてりあふぃるたーをしようする)

人工呼吸器のガス出入口にバクテリアフィルターを使用する

(じんこうこきゅうかいろのかおんかしつにはじんこうはなあるいは)

人工呼吸回路の加温加湿には人工鼻あるいは

(ふぃるたーきのうつきじんこうはなをしようする)

フィルター機能付き人工鼻を使用する

(きかんきゅういんではへいさしきしすてむをしようする)

気管吸引では閉鎖式システムを使用する

(えあろぞるはっせいりすくのたかいさぎょうはきょくりょくおこなわない)

エアロゾル発生リスクの高い作業は極力行わない

(4)lがたのときのじんこうこきゅうきのつかいかた)

4)L型の時の人工呼吸器の使い方

(ardsとしてかんきせっていするとはいそんしょう(vili)をしょうじる)

ARDSとして換気設定すると肺損傷(VILI)を生じる

(ていさんそけっしょうはfio2のじょうしょうでたいおうし、ひつようさいていげんのpeepをせっていする)

低酸素血症はFiO2 の上昇で対応し、必要最低限のPEEPを設定する

(こうco2けっしょうは1かいかんきりょうをふやすことでたいおう)

高CO2血症は1回換気量を増やすことで対応

(りくるーとめんとはひつようない そうかんごはしんちんせいにする)

リクルートメントは必要ない 挿管後は深鎮静にする

(peepを8~10cmh2oとする)

PEEPを8~10cm H2O とする

(ふくがいかんきはじょうきにはんのうしないばあいにじっし)

腹臥位換気は上記に反応しない場合に実施

(5)hがたのときのじんこうこきゅうきのつかいかた)

5)H型の時の人工呼吸器の使い方

(じゅうしょうardsとしてちりょうする)

重症ARDSとして治療する

(よりたかいpeep(10~14cmh2o)をつかう)

より高いPEEP(10~14 cmH2O)を使う

(ふくがいかんきがゆうこう じんこうこきゅうていこうせいではecmoもこうりょ)

腹臥位換気が有効 人工呼吸抵抗性ではECMOも考慮

(6)lがたからhがたへのいこう)

6)L型からH型への移行

(lがたからhがたへきゅうそくにいこうすることがある)

L型からH型へ急速に移行することがある

(しょくどうないあつそくていができるばあい、lがたからhがたへのいこうをはんだんできる)

食道内圧測定ができる場合、L型からH型への移行を判断できる

(いこうをよそくできるばいおまーかーはない)

移行を予測できるバイオマーカーはない

(4.たいがいしきまくがたじんこうはい(ecmo) こうあつでのじんこうこきゅうをちょうきかん)

4.体外式膜型人工肺(ECMO) 高圧での人工呼吸を長期間

((やく7にちかん)おこなったあとのecmoはひじょうによごがわるい、と)

(約7日間)行った後のECMOは非常に予後が悪い、と

(「にほんcovid-19たいさくecmonet」のきほんてきちゅういじこうにきさいされて)

「日本COVID-19対策ECMOnet」の基本的注意事項に記載されて

(いる。このきほんてきちゅういじこうにはecmoのてきおうにはしんちょうかつそうごうてきなはんだん、)

いる。この基本的注意事項にはECMOの適応には慎重かつ総合的な判断、

(covid-19へのecmoちりょうにはかなりのじんいんとろうりょくがひつようであること、)

COVID-19へのECMO治療にはかなりの人員と労力が必要であること、

(peep10cmh2o、f/p<100でしんこうせいにあっかするばあいに)

PEEP10 cmH2O、F/P<100で進行性に悪化する場合に

(ecmoをこうりょするときさいされている。 ecmoをどうにゅうしても)

ECMOを考慮すると記載されている。  ECMOを導入しても

(こうどなはいせんいかがしょうじたばあいはてったいをよぎなくされることもあり、)

高度な肺線維化が生じた場合は撤退を余儀なくされることもあり、

(どうにゅうまえにいんふぉーむどこんせんとがひつようになる。 また、ecmoのきんき)

導入前にインフォームド・コンセントが必要になる。 また、ECMOの禁忌・

(てきおうがいとして、ふかぎゃくせいのきそしっかんやまっきがんのかんじゃがあげられる、)

適応外として、不可逆性の基礎疾患や末期癌の患者があげられる、

(まんせいしんふぜん、まんせいこきゅうふぜん、そのた、じゅうどのまんせいぞうきふぜんのがっぺいはよごがわるい。)

慢性心不全、慢性呼吸不全、その他、重度の慢性臓器不全の合併は予後が悪い。

(ねんれい65~70さいいじょうはよごがわるく、)

年齢65~70歳以上は予後が悪く、

(いっぱんてきにはてきおうがいとぜんじゅつのきほんてきちゅういじこうにきさいされている。)

一般的には適応外と前述の基本的注意事項に記載されている。

(そのた、かにゅーれのせんたく、しようするじんこうはいぽんぷ、)

その他、カニューレの選択、使用する人工肺・ポンプ、

(かいろないあつもにたりんぐ、ecmoちゅうのじんこうこきゅうきせってい、)

回路内圧モニタリング、ECMO中の人工呼吸器設定、

(ecmoてったいdnar、さらにはあんていしたちょうきかんりをおこなうためのしょうさいについて)

ECMO撤退・DNAR、さらには安定した長期管理を行うための詳細について

(ふめいなばあいには、「にほんcovid-19たいさくecmonet」にそうだんできる)

不明な場合には、「日本COVID-19対策ECMOnet」に相談できる

(たいせい(せんようでんわばんごうはめーるあどれすのとうろくがあるかんれんがっかいかいいんにはいしん)

体制(専用電話番号はメールアドレスの登録がある関連学会会員に配信

(されている)がととのえられており、せっきょくてきなりようがすいしょうされる。)

されている)が整えられており、積極的な利用が推奨される。

(ちゅうごくぶかんのきんぎんふちいいんよりじゅうしょうれい(52れい:へいきんねんれい59.7さい、)

中国・武漢の金銀潭医院より重症例(52例:平均年齢59.7歳、

(だんせい67%、きそしっかんあり40%)がほうこくされた(2020ねん2がつ21にち)。)

男性67%、基礎疾患あり40%)が報告された(2020年2月21日)。

(28にちしぼうりつは61.5%(icuにゅうしつからしぼうまでちゅうおうち7にち)であった。)

28日死亡率は61.5%(ICU入室から死亡まで中央値7日)であった。

(がっぺいしょうは、ards67%、aki29%、かんしょうがい29%、しんきのうしょうがい23%、)

合併症は、ARDS67%、AKI29%、肝障害29%、心機能障害23%、

(ききょう2%であった。ecmoは6れいにしこうされ、うち28にちせいぞんしゃは1れいである)

気胸2%であった。ECMOは6例に施行され、うち28日生存者は1例である

((ただし、りだつこんなん)。また、じんだいたいりょうほうは9れいにおこなわれ、)

(ただし、離脱困難)。また、腎代替療法は9例に行われ、

(28にちせいぞんしゃは1れいであった。 みしがんだいがくのbarbaroらは、)

28日生存者は1例であった。  ミシガン大学のBarbaroらは、

((theextracorporeallifesupport)

(The Extracorporeal Life Support

(organization(elso)れじすとりをもちいて36かこく213しせつ)

Organization(ELSO)レジストリを用いて36カ国213施設

(で2020ねん1がつ16にちから5がつ1にちまでにecmoをしようした16さいいじょうの)

で2020年1月16日から5月1日までにECMOを使用した16歳以上の

(covid-19かんじゃ1035れいをかいせきたいしょうとしたこくさいきょうどうこほーとけんきゅうを)

COVID-19患者1035例を解析対象とした国際共同コホート研究を

(おこなった。そのけっか、ecmoかいしご90にちいないのいんないしぼうりつは37.4%)

行った。その結果、ECMO開始後90日以内の院内死亡率は37.4%

((95%ci34.4~40.4)、さいしゅうてんきがしぼうまたはたいいんだったかんじゃ)

(95%CI 34.4~40.4)、最終転帰が死亡または退院だった患者

(968れいのしぼうりつは39%だった。また、v-vecmoをしようした)

968例の死亡率は39%だった。また、V-V ECMOを使用した

(ardsかんじゃのecmoかいしご90にちいないのいんないしぼうりつは38.0%)

ARDS患者のECMO開始後90日以内の院内死亡率は38.0%

((95%ci34.6~41.5)とすいていされた。 しょきのぶかんからのほうこくに)

(95%CI34.6~41.5)と推定された。 初期の武漢からの報告に

(ひかくして、こんかいのこくさいれじすとりほうこくではecmoのきゅうめいりつはたかいことがわかった)

比較して、今回の国際レジストリ報告ではECMOの救命率は高いことが分った

(2020ねん12がつ23にちしゅうけいぶんの「にほんcovid-19たいさくecmonet」)

2020年12月23日集計分の「日本COVID-19対策ECMOnet」

(からのほうこくでは、にほんにおけるじんこうこきゅうちりょう(ecmoのぞく)のせいせきるいけいは)

からの報告では、日本における人工呼吸治療(ECMO除く)の成績累計は

(2030れいで、うちわけはけいかい1306れい、しぼう357れい、)

2,030例で、内訳は軽快1,306例、死亡357例、

(じんこうこきゅうじっしちゅう367れい(おそらくぜんこくの80%ていどをほそくとすいさつされている))

人工呼吸実施中367例(おそらく全国の80%程度を捕捉と推察されている)

(また、ecmoちりょうかんじゃは372れいで、うちわけはecmoりだつが216れい、)

また、ECMO治療患者は372例で、内訳はECMO離脱が216例、

(しぼう97れい、ecmoじっしちゅう59れいであり、ほぼこくないのぜんしょうれいをもうらされている)

死亡97例、ECMO実施中59例であり、ほぼ国内の全症例を網羅されている

(2020ねん11がつ15にちいこうでは、じんこうこきゅうきがひつようなかんじゃの10にんに1にんが)

2020年11月15日以降では、人工呼吸器が必要な患者の10人に1人が

(ecmoそうちゃくされている。ecmoのゆうこうせいがきたいできる。)

ECMO装着されている。ECMOの有効性が期待できる。

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