ルマルソルシエ

(ひとかのふり)

(ヒト科の振り)

(ひとかのふり)

(ヒト科の振り)

(へいおんなとかいはよなかのじゅかい)

(平穏な都会は夜中の樹海)

(おかしのいえでおびきよせて)

お菓子の家でおびき寄せて

(とじたえごんなかにしゅみしこうのべろ)

(閉じたエゴん中に趣味嗜好のベロ)

(あたえるきょうらくとねどこを)

与える享楽と寝床を

(まんげつでさえてらせない)

(満月でさえ照らせない)

(おまえがあのこをまもるないとなら)

お前があの子を守るナイトなら

(ぼくはひとのかわをかぶったなにかだ)

僕は人の皮を被ったナニカだ

(かぎをかけてそとをはがせ)

(カギをかけて)　外を剥がせ

(すべてわすれぼくだけみて)

(全て忘れ)　僕だけ見て

(るまるそるしえ)

(Le mal sorcier)

(るまるそるしえ)

(Le mal sorcier)

(おらっこおらっこやせがまん)

Oracle, Oracle 痩我慢

(だれかきづけよ)

誰か気付けよ

(あのこをなでるてのひらで)

あの子を撫でる掌で

(ぼくをたおせよ)

僕を倒せよ

(おらんかおらんかおませさん)

おらんか？おらんか？おませさん

(らるりれるりろ)

ラルリレルリロ

(にえたぎるしゅうあくのかまで)

煮え滾る醜悪の釜で

(ひとばんじゅうことこと)

一晩中コトコト

(おいしくおいしくなれ)

美味しく美味しく熟れ

(ああ)

嗚呼

(ひとかのふり)

(ヒト科の振り)

(ひとかのふり)

(ヒト科の振り)

(へんぜるとぐれーてるみたいなうたげ)

(ヘンゼル＆グレーテルみたいな宴)

(おとしたぱんくずはかたづけ)

落としたパン屑は片付け

(とうじょうじんぶつはひとりとしてよすて)

(登場人物は一人として世捨て)

(あともどりふかなかいらくを)

後戻り不可な快楽を

(しんげつでさえかくせない)

(新月でさえ隠せない)

(あのこをとりのぞいたすきまに)

あの子を取り除いたスキマに

(つめたあいでまるまるとこえたらたべごろだ)

詰めた愛で丸々と肥えたら食べ頃だ

(おかしのいえうそにまみれ)

(お菓子の家)　嘘に塗れ

(われをわすれぼくにはいれ)

(我を忘れ)　僕に入れ

(るまるそるしえ)

(Le mal sorcier)

(るまるそるしえ)

(Le mal sorcier)

(おらっこおらっこだせいはらん)

Oracle, Oracle 惰性、波乱

(なぶりかえせよ)

嬲り返せよ

(あのこをいじるゆびさきで)

あの子を弄る指先で

(ぼくをよごせよ)

僕を汚せよ

(にらんだにらんだおばかさん)

睨んだ？睨んだ？おばかさん

(がるりげるぎろ)

ガルリゲルギロ

(りょうめんにやきめがつくまで)

両面に焼き目がつくまで

(しっとのひでじゅわじゅわ)

嫉妬の火でジュワジュワ

(おいしくおいしくなれ)

美味しく美味しく鳴れ

(ああ)

嗚呼

(おかしくていびつな)

可笑しくて歪な

(おかしくってひみつな)

お菓子食って秘密な

(まちわびたりかいしゃにがいなみだ)

待ち侘びた理解者、苦い泪

(はみだしたみらいはりたいあいやいや)

食み出した未来は、リタイア、嫌、嫌

(おらっこおらっこやせがまん)

Oracle, Oracle 痩我慢

(おまえがきづけよ)

お前が気付けよ

(あのこをだいたりょうてで)

あの子を抱いた両手で

(ぼくをしめろよ)

僕を絞めろよ

(おれんなおれんな)

折れんな？折れんな？

(それさえかなわないなら)

それさえ叶わないなら

(ともだちのままで)

友達のままで……

(おらっこおらっこやせがまん)

「Oracle, Oracle 痩我慢」

(おまえのあじはしおからい)

「お前の味は塩辛い」

(おれんだおれんだほとけさん)

「俺んだ！俺んだ！ほとけさん」

(ふたりのおかしのいえは)

二人のお菓子の家は

(くずれてきえた)

崩れて消えた

(おいしくおいしくなれ)

美味しく美味しく慣れ

(おいしくおいしくなれ)

(美味しく美味しく慣れ)

(こいしくこいしくあれ)

恋しく恋しく在れ

(ああ)

「嗚呼」