意味が分かると怖い話112 概要欄に説明あり

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不慮の事故
いや、どんな異次元世界やねん。

解説
彼女の指は、第一関節から先が切断されてしまっていた。
切断された指から、もう一人の妻が出来上がった。

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問題文

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(それは、ふりょのじこだった。)

それは、不慮の事故だった。

(ぼうさいようでぐちのとびらがきょうふうにあおられて、)

防災用出口の扉が強風に煽られて、

(いきおいよくとじてしまい、)

勢いよく閉じてしまい、

(つまのゆびをはさんでしまったのだ。)

妻の指を挟んでしまったのだ。

(つまはうめきごえをあげて、)

妻はうめき声をあげて、

(そのばにうずくまる。)

その場にうずくまる。

(わたしはあわててかのじょのもとへかけより、)

私はあわてて彼女のもとへ駆け寄り、

(けがのぐあいをかくにんした。)

怪我の具合を確認した。

(あろうことかかのじょのゆびは、)

あろうことか彼女の指は、

(だいいちかんせつからさきがせつだんされてしまっていた。)

第一関節から先が切断されてしまっていた。

(わたしはろうばいしながらも、けいたいでんわをとりだし、)

私は狼狽しながらも、携帯電話を取り出し、

(びょういんへとでんわをかけようとする。)

病院へと電話を掛けようとする。

(しかしつまはなぜかそれをせいしし、)

しかし妻はなぜかそれを制止し、

(「じつはわたしにはあるのうりょくがあるの」)

「実は私にはある能力があるの」

(といって、)

と言って、

(せつだんされたゆびをつきだす。)

切断された指を突き出す。

(めのまえでしんじられないことがおきた。)

目の前で信じられないことが起きた。

(つまのゆびさきのけががみるみるうちになおっていき、)

妻の指先の怪我がみるみるうちに治っていき、

(あっというまにもとどおりのゆびになっていったのだ。)

あっという間に元通りの指になっていったのだ。

(おどろいているおれにつまは)

驚いている俺に妻は

など

(「いままでだまっていてごめんなさい。」)

「今まで黙っていてごめんなさい。」

(「わたしのからだはどんなけがでもなおしてしまうたいしつなの。」)

「私の体はどんな怪我でも直してしまう体質なの。」

(「こんなことがばれたらばけものだとおもわれてきらわれるとおもって」)

「こんなことがばれたら化け物だと思われて嫌われると思って」

(「こわくていままでいえなかったの。」)

「怖くて今まで言えなかったの。」

(とつぜんのできごとにおれはあたまがおいつかなかったが、)

突然の出来事に俺は頭が追い付かなかったが、

(ようやくすこしおちつきをとりもどしてわれにかえると、)

ようやく少し落ち着きを取り戻して我に返ると、

(わたしはつまのかたをやさしくもってこういった。)

私は妻の肩をやさしく持ってこう言った。

(「ばけものだなんておもうものか!」)

「化け物だなんて思うものか!」

(「ありがとう。あなたならそういってくれるとおもったわ。」)

「ありがとう。あなたならそう言ってくれると思ったわ。」

(つまのそのこえははいごからきこえてきた。)

妻のその声は背後から聞こえてきた。

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