夕暮れに映して／秋山黄色

(じかんをかねにかえた)

時間を金に変えた

(かねをおさけにかえた)

金をお酒に変えた

(もうなんもなくてわらえた)

もうなんもなくて笑えた

(おもしろいけどたのしくないってふつうかい？)

面白いけど楽しくないって普通かい？

(うすぎたないこころのせいで)

薄汚い心のせいで

(うけとりそこねたものばっかで)

受け取り損ねた物ばっかで

(こっけいなひびでいるけれど)

滑稽な日々でいるけれど

(ゆるしてよゆるしてよ)

許してよ　許してよ

(わすれられないわすれられない)

忘れられない　忘れられない

(わすれられないもんな)

忘れられないもんな

(どんなにころんでいたおもいでだって)

どんなに転んでいた思い出だって

(おれなんだぜ)

俺なんだぜ

(じぶんでいることははじたくないよ)

自分でいることは恥じたくないよ

(あなたがさろうとも)

あなたが去ろうとも

(おろかでどうしようもない)

愚かでどうしようもない

(こいだってあるんだぜ)

恋だってあるんだぜ

(ゆうぐれにじかんがあった)

夕暮れに時間があった

(さいごにあなたとわらった)

最後にあなたと笑った

(さいしょみたいだった)

最初みたいだった

(あなたもわかっていた)

あなたも分かっていた

(じぶんでいるためにすてたなにもかもを)

自分でいるために捨てた何もかもを

(おしむぐずなこころだけのうのうと)

惜しむ愚図な心だけのうのうと

(あるのはわるいよなわるいけど)

有るのは悪いよな　悪いけど

(わすれられないわすれられない)

忘れられない　忘れられない

(わすれられないもんな)

忘れられないもんな

(ゆるせばゆるすほど)

許せば許すほど

(いみがなくなっていってしまうひび)

意味がなくなっていってしまう日々

(じぶんできめたことまもるいがいに)

自分で決めたこと守る以外に

(なにかがあんのかよ)

何かがあんのかよ

(あなたがすきだといってくれた)

あなたが好きだと言ってくれた

(おれのたもちかた)

俺の保ち方

(「でももういかなくちゃ」)

「でももう行かなくちゃ」

(たいようがおちくらくなると)

太陽が落ち暗くなると

(「でももういかなくちゃな」)

「でももう行かなくちゃな」

(ひとみのひかりがみえてしまうよ)

瞳の光が見えてしまうよ

(わすれたくないわすれたくない)

忘れたくない　忘れたくない

(わすれたくないんだよ)

忘れたくないんだよ

(どんなにころんでいたおもいでだって)

どんなに転んでいた思い出だって

(おれなんだぜ)

俺なんだぜ

(こうふくなことでひびをみたしても)

幸福なことで日々を満たしても

(きずがいたむように)

傷が痛むように

(あなたがくれたしあわせは)

あなたがくれた幸せは

(きずなんかではきえないから)

傷なんかでは消えないから