紅蓮の弓矢

(ふまれたはなのなまえもしらずに)

踏まれた花の　名前も知らずに

(ちにおちたとりはかぜをまちわびる)

地に落ちた鳥は　風を待ち侘びる

(いのったところでなにもかわらない)

祈ったところで　何も変わらない

(いまをかえるのはたたかうかくごだ)

今を変えるのは　戦う覚悟だ...

(しかばねふみこえてすすむいしをわらうぶたよ)

屍踏み越えて　進む意思を　嗤う豚よ

(かちくのあんねいきょぎのはんえい)

家畜の安寧... 虚偽の繁栄...

(しせるがろうのじゆうを)

死せる餓狼の『自由』を！

(とらわれたくつじょくははんげきのこうしだ)

囚われた屈辱は　反撃の嚆矢だ

(じょうへきのそのかなた)

城壁の其の彼方

(えものをほふるいぇーがー)

獲物を屠る《狩人》

(ほとばしるしょうどうにそのみをやきながら)

迸る《殺意》に其の身を灼きながら

(たそがれにひをうがつぐれんのゆみや)

黄昏に緋を穿つーー紅蓮の弓矢

(やをつがえおいかけるやつはにがさない)

矢を番え追い駆ける　標的は逃がさない

(やをはなちおいつめるけっしてにがさない)

矢を放ち追い詰める　決して逃がさない

(げんかいまでひきしぼるはちきれそうなつる)

限界まで引き絞る　はち切れそうな弦

(やつがいきたえるまでなんどでもはなつ)

《標的》が息絶えるまで　何度でも放つ

(えものをころすのは)

獲物を殺すのは

(どうぐでもぎじゅつでもない)

《凶器》でも　技術でもない

(とぎすまされたおまえじしんのさついだ)

研ぎ澄まされた　お前自身の殺意だ

(ほのおのようにあつく)

Wir sind der Jager 焔のように熱く！

(こおりのようにひややかに)

Wir sind der Jeger 氷のように冷ややかに！

(おのれをやにこめて)

Wir sind der Jeger 己を矢に込めて！

(すべてをつらぬいてゆけ)

Wir sind der Jeger 全てを貫いて征け！

(なにかをかえることができるのは)

何かを変える事が出来るのは

(なにかをすてることができるもの)

何かを捨てる事が出来るもの

(なにひとつりすくなどせおわないままで)

何ひとつ《危険性》等　背負わないままで

(なにかがかなうなど)

何かが叶う等......

(あんぐのそうていただのげんえいいまはむぼうなゆうきも)

暗愚の想定... 唯の幻影... 今は無謀な勇気も...

(じゆうのせんぺいかけのこうせい)

『自由』の尖兵... 賭けの攻勢

(はしるどれいにしょうりを)

奔る奴隷に勝利を

(かせられたふじょうりはしんげきのこうしだ)

架せられた不条理は　進撃の嚆矢だ

(うばわれたそのちへいせかいをのぞむえれん)

奪われた其の地平 『自由』を望む《あの少年》

(とめどなきしょうどうにそのみをおかされながら)

止めどなき《殺意》に 其の身を侵されながら

(よいやみにしをはこぶめいふのゆみや)

宵闇に紫を運ぶ　冥府の弓矢