幸福なわがまま

(たよりのないぶきようなわらいがおも)

頼りのない不器用な笑い顔も

(にごりなのいそぼくなやさしさも)

にごりなのい素朴な優しさも

(きすのおまじないでわたしがすべてまもれたら)

キスのおまじないで私がすべて守れたら

(きみはなにかにおびえてくぐもったこえでうつむいてる)

君はなにかに怯えてくぐもった声で俯いてる

(そのくせことばせつじつでばか！ぎゅっとむねがあまくなるでしょう)

そのくせ言葉切実でばか！ぎゅっと胸が甘くなるでしょう

(そっとわずかふれたゆびさきいくじなし)

そっとわずか触れた指先　いくじなし

(ちゃんとわたしのめをみて！)

ちゃんと私の目を見て！

(あちこちはねるこのこどううばってほしいの)

あちこち跳ねるこの鼓動　奪って欲しいの

(きみのめにうつるとうめいなせかいに)

君の目に映る透明な世界に

(すこしずつわたしのいろぬらせてよ)

少しずつ私の色塗らせてよ

(きらりいびつにひかるこのこいわけあいたいの)

きらり歪に光るこの恋わけあいたいの

(はなのふるはるのごごのひざしも)

花の降る春の午後の日差しも

(ほしのあふれるまんてんのよるも)

星の溢れる満点の夜も

(ずっときみのとなりでながめていられたら．．．なんて)

ずっと君の隣で眺めていられたら...なんて

(わがままかなうかな)

わがまま叶うかな

(きみはちかくてとおいね)

君は近くて遠いね

(こころにふれてみたいのに)

心に触れてみたいのに

(うしなってしまうのがこわくてなんだかあんがいにたものどうしなんだね)

失ってしまうのが怖くてなんだか案外似たもの同士なんだね

(ちょっとめそめそなかないで)

ちょっとめそめそ泣かないで

(わらっちゃうねきみはやさしすぎるのよ)

笑っちゃうね君は優しすぎるのよ

(たとえふじょうりだとしてもそばにいたいよ)

たとえ不条理だとしてもそばにいたいよ

(きみのひびにふりそそぐゆううつはひだまりのもうふで)

君の日々に降り注ぐ憂鬱は陽だまりの毛布で

(つつんであげたい)

包んであげたい

(まっすぐなむじゃきさをずっとなくさないでね)

真っ直ぐな無邪気さをずっとなくさないでね

(つきあかりだけがともるせまいへや)

月明かりだけが灯る狭い部屋

(きみのおもかげをてでなぞりながら)

君の面影を手でなぞりながら

(ちいさくつぶやいた「あのときふれてたら．．．」)

小さく呟いた「あのとき触れてたら...」

(あのときふれてたら．．．)

あのとき触れてたら...

(たよりのないぶきようなわらいごえも)

頼りのない不器用な笑い声も

(にごりのないそぼくなやさしさも)

にごりのない素朴な優しさも

(きすのおまじないでわたしずっとまもるよ)

キスのおまじないでわたしずっと守るよ

(たとえばいつかきみがあたらしいうつくしいせかいをいきるときも)

たとえばいつか君が新しい美しい世界を生きる時も

(きみのひだりむねでしあわせねがわせてわすれないでいてほしいの)

君の左胸で幸せ願わせて忘れないでいて欲しいの

(なんて、わがままかな)

なんて、わがままかな