残穢④(終)

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『十二国記シリーズ』の作者、小野不由美『残穢』が原作。 「私」は小説家を生業としており、 現在、読者からの「怖い話」をもとに連載をしている。 ある時、久保さんという女子大生から手紙が届き、 「私」は彼女のマンションにまつわる恐怖に関わっていく。 監督中村義洋。2016年公開の日本映画。

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問題文

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(おくやまけのかおがゆがむえは、そのかおをみたものには、かならず)

奥山家の顔が歪む画は、その顔を見た者には、必ず

(のろいがふりかかるという。たんこうじこでしんだもののうらみに)

呪いが降りかかるという。炭坑事故で死んだ者の恨みに

(よって、かおがゆがむようになったらしい。)

よって、顔が歪むようになったらしい。

(おくやまけのたんこうでも100にんいじょうがじこでしんだが、たんこうに)

奥山家の炭坑でも100人以上が事故で死んだが、炭坑に

(おけるかさいのちんかはむずかしく、こうどうをふさぎさんそのきょうきゅうを)

おける火災の鎮火は難しく、坑道を塞ぎ酸素の供給を

(とめるしかなかった。さいごのとうしゅは、かぞくやしようにん)

止めるしかなかった。最後の当主は、家族や使用人

(あわせて20にんいじょうをころしたあと、ちかくのやまでくびをくくった。)

合せて20人以上を殺した後、近くの山で首をくくった。

(「かっぱのみいら」というてがみでどうようなはなしがあったことを)

「河童のミイラ」という手紙で同様な話があったことを

(おもいだし、とうこうぬしのさなべをたずねた。たんこうおうのとちにいえを)

思い出し、投稿主の真辺を訪ねた。炭坑王の土地に家を

(たてたときいたが、とおえんのためくわしくはわからないという。)

建てたと聞いたが、遠縁のため詳しくはわからないという。

(ただとうしゅみきおは、あくしゅみなこれくたーで、かっぱのみいらや)

ただ当主幹男は、悪趣味なコレクターで、河童のミイラや

(さらしくびのうつしえなどをあつめており、きわめつけは)

さらし首の写し絵などを集めており、極めつけは

(もちぬしをたたるというにほんとう。みきおはそのにほんとうで)

持ち主を祟るという日本刀。幹男はその日本刀で

(じさつしたが、そのいえはまだふくおかにあるという。)

自殺したが、その家はまだ福岡にあるという。

(さなべけ(=おくやまけ)へと「わたし」たちはあしをふみいれようと)

真辺家(=奥山家)へと「私」たちは足を踏み入れようと

(している。やしきのなかにはかみだなやぶつだん、そしておふだで)

している。屋敷の中には神棚や仏壇、そしてお札で

(うめつくされたへやがあった。かみにもすがった、ほとけにも)

埋め尽くされた部屋があった。神にもすがった、仏にも

(すがった、さいごにまをもってまをはらおうとしたのか?)

すがった、最後に魔をもって魔を払おうとしたのか?

(でもすべてだめだった。そのあともおくやまけにまつわるかいだんは)

でも全てダメだった。その後も奥山家にまつわる怪談は

(つぎつぎにみつかった。てれびのにゅーすでは、いぜんのりんじん)

次々に見つかった。テレビのニュースでは、以前の隣人

など

(いいだがいっかしんじゅうしたことがうつしだされていた。)

飯田が一家心中したことが映し出されていた。

(くぼさんはまたおとがきこえるといい、「わたしにも)

久保さんはまた音が聞こえるといい、「私にも

(ついてくるのでしょうか」とつぶやく。そのあともかのじょは)

ついてくるのでしょうか」とつぶやく。その後も彼女は

(ぶじにくらしている。202ごうしつはげんざいもあきべやのまま)

無事に暮らしている。202号室は現在も空き部屋のまま

(であるという。しんや「わたし」のいえになりひびくこうしゅうでんわからの)

であるという。深夜「私」の家に鳴り響く公衆電話からの

(でんわおん。へんしゅうぶのぱそこんがかってにうごきだし、)

電話音。編集部のパソコンが勝手に動き出し、

(ごうごうとしたかぜのおととうめきごえ、でぃすぷれいに)

ごうごうとした風の音と呻き声、ディスプレイに

(「はなしてもたたられる、きいてもたたられる」とひょうじされ、)

「話しても祟られる、聞いても祟られる」と表示され、

(でんきがきえ、くろいかげがあらわれ、へんしゅうしゃにせまってくる...。)

電気が消え、黒い影が現れ、編集者に迫ってくる...。

(かじかわのあぱーとでげんじゅうにんがねむっていると、なにかのものおとで)

梶川のアパートで現住人が眠っていると、何かの物音で

(めがさめる。あしもとをみるとくびをくくったきもののじょせいが)

目が覚める。足元を見ると首をくくった着物の女性が

(ゆれていた。)

揺れていた。

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