偶像、縋るは有象無象

(ひそやかなるうわさばなしかくづけくらいはたかし)

密やかなる噂話 格付け 位は高し

(ひわいなめでみつめられしあたしはごらくのごとし)

卑/猥な目で 見つめられし あたしは娯楽の如し

(そんなきたいのぞまないはやしたてられてめいわくよ)

そんな期待 望まない 囃し立てられて迷惑よ

(あいされたいこたえられない)

「愛されたい」 応えられない

(そのかたはあたしじゃない)

その型はあたしじゃない

(ずにのるなとかきどりやだとかえごてきなじゅそをとなえられ)

図に乗るなとか 気取り屋だとか エゴ的な呪詛を唱えられ

(あなたにはだれがみえてるの)

あなたには誰が見えてるの？

(それともみようとしないの)

それとも見ようとしないの？

(せいじんじゃないししゃくやくでもないあたしはそこらのおんなのこ)

聖人じゃないし 芍薬でもない あたしはそこらの女の子

(さだめないでもとめないで)

定めないで 求めないで

(そのうつわにあたしをはめないで)

その器に あたしを嵌めないで

(まなびやにてまつりばやし)

学び舎にて祭囃子

(おだいはあたしがたらしだとかまたをひらくさくしなどといううそまやかし)

お題はあたしが誑し だとか股を開く策士 などという嘘まやかし

(かってにねこがれてきめつけのおもさでおちて)

勝手にね 焦がれて 決めつけの 重さで 堕ちて

(かってだねじとくてきであたしなどみてないね)

勝手だね 自涜的で あたしなど 見てないね

(きみのためとかすきだからとかそのじつはきにくわないのね)

君のためとか 好きだからとか その実は気に食わないのね

(あなたはじぶんがいやだから)

あなたは自分が嫌だから

(あたしをきりつけんの)

あたしを切りつけんの

(あまりにちせつでおさないこみたいおきにめさなくてあばれるのなきわめいてかわいそうね)

あまりに稚拙で幼い子みたい お気に召さなくて暴れるの 泣き喚いて可哀想ね

(そのおもちゃはあたしではないの)

その玩具はあたしではないの

(くうそうのぐうぞうをかたどれど)

空想の 偶像を 模れど

(すうはいとけいあいをかさねても)

崇拝と 敬愛を 重ねても

(とどかないのよ)

届かないのよ

(とどくとおもったの)

届くと思ったの？

(きくみみもたないつたえたいだけつたえたらみたされさってく)

聞く耳持たない 伝えたいだけ 伝えたら満たされ去ってく

(あなたのあいなどそのていど)

あなたの愛などその程度

(はなはだあきれちゃうな)

甚だ呆れちゃうな

(だれかのきもちなどかまいはしないえごにまみれてるどくぜんしゃ)

誰かの気持ちなど構いはしない エゴに塗れてる独善者

(かまえなくてごめんなさいね)

構えなくてごめんなさいね

(ざれごとなど)

戯言など

(きくみみもてないわ)

聞く耳持てないわ