ゆめまぼろし

(あせていったむかしかいたらくがきちょうのけしき)

褪せていった 昔書いた落書き帳の景色

(わすれてったかつてしったむくなかんじょうのばしょへ)

忘れてった かつて知った 無垢な感情の場所へ

(つれていってたとえあさがやさしいぬくさでよんでも)

連れて行って たとえ朝が 優しい温さで呼んでも

(つきのうらでそのことばがくうをきるだけだ)

月の裏でその言葉が 空を切る だけだ

(じんせいってこどくだねきみがわらうきのうにわらう)

『人生って孤独だね』 君が笑う 昨日に笑う

(きょうのまえでちょっとだけうつむくぼくをゆるしてくれよ)

今日の前でちょっとだけ 俯く僕を許してくれよ

(おさえこんだきずといたみふたつもってすこしあるく)

抑え込んだ傷と痛み 二つ持って少し歩く

(ふるえるこえいまはそれでよかったんだってひとりごとだ)

震える声 今はそれで良かったんだ ・・・って独り言だ

(ふっとめがさめたゆめかどうかわからぬけど)

ふっと目が覚めた 夢かどうか判らぬけど

(それはいつもあたたかくこころぼそくとおくゆれる)

それはいつも暖かく 心細く遠く揺れる

(これをあいとよんでいいかりゆうなんてないだろうが)

これを『愛』と呼んでいいか 理由なんてないだろうが

(それをあいとよべるのならすこしらくになれたのかな)

それを『愛』と呼べるのなら 少し楽になれたのかな

(どうやってきょうをみとめてやればいいこたえてくれ)

どうやって 今日を認めてやればいい？ 答えてくれ

(ふれるおんどがうそじゃないとしんじていいなら)

触れる温度が 嘘じゃないと 信じていいなら

(そうやってあいまいにめをそむけていきてきた)

そうやって曖昧に 目を背けて生きてきた

(このいのちにまだかちがあるんだっていえるのなら)

この命に まだ価値があるんだって 言えるのなら

(あのそらにきたいしたみらいのじぶんになれなくてごめんなさい)

あの空に期待した未来の自分 になれなくてごめんなさい

(じゅうねんまえのせかいはひろかったきがきょうはするけど)

10年前の世界は広かった気が 今日はするけど

(ぼくなりにもがいてきたんだみちがからっぽにみえたとしても)

僕なりにもがいてきたんだ 道が空っぽに見えたとしても

(じゅうねんごにあえたらいいなすこしずついきをはいた)

10年後に笑えたらいいな 少しずつ息を吐いた

(じんせいってはかなくてあわみたいでけどきっとうつくしくて)

人生って儚くて泡みたいで けどきっと 美しくて

(このこどくをぎゅってだきしめてやれるのなら)

この孤独を ぎゅって抱きしめて やれるのなら

(おさえこんだきずといたみふたつもってすこしあるくふるえるこえ)

抑え込んだ傷と痛み 二つ持って少し歩く 震える声

(いまはそれでよかったんだよかったんだ)

今はそれで良かったんだ 良かったんだ