空っぽの空に潰される

(うけとったてがみがふえすぎてじぶんのにもつはすてていった)

受け取った手紙が増えすぎて　自分の荷物は捨てていった

(みたされたきもちになってそのじつまたからっぽだ)

満たされた気持ちになって　その実また空っぽだ

(おかねはおおいほうがいいともだちはおおいほうがいい)

お金は多い方がいい　友達は多い方がいい

(あんしんもおおいほうがいいけっきょくこうふくとはなんだ)

安心も多い方がいい　結局幸福とはなんだ

(かならずしぬとかいてひっしゆめのなかとかいてむちゅう)

必ず死ぬと書いて必死　夢の中と書いて夢中

(まさにひっしでむちゅうになってぼくらはきせつをかけぬけた)

まさに必死で夢中になって　僕らは季節を駆け抜けた

(けがばっかりがふえたけれどいてえとわらえるなかまがいた)

怪我ばっかりが増えたけれど　痛えと笑える仲間が居た

(むかしのじぶんにしっとするなそいつがきみのかそうてきだ)

昔の自分に嫉妬するな　そいつが君の仮想敵だ

(たのしけりゃわらえばいいんだろかなしいときはないたらいいんだろ)

楽しけりゃ笑えばいいんだろ　悲しい時は泣いたらいいんだろ

(むなしいときはどうすりゃいいのおしえておしえて)

虚しい時はどうすりゃいいの？　教えて　教えて

(なごりおしさもなくさよならめぐりめぐるきせつはそっけない)

名残惜しさもなくさよなら　巡り巡る季節は素っ気無い

(それになにをきたいすりゃいいのおしえておしえて)

それに何を期待すりゃいいの？　教えて　教えて

(からっぽのそらにつぶされる)

空っぽの空に潰される

(けっきょくにんげんってのはひとつやふたつのけつらくはある)

結局人間ってのは　一つや二つの欠落はある

(なにかがたりないとおもうかなにかがひつようとおもうか)

何かが足りないと思うか　何かが必要と思うか

(さいていげんのにもつはあるぼくにはこれでじゅうぶんすぎる)

最低限の荷物はある　僕にはこれで十分すぎる

(もういちどぼくはかけてみようひっしでむちゅうにかけてみよう)

もう一度僕は駆けてみよう　必死で夢中に駆けてみよう

(きょうがくれてきょうがやってくるながれのままにとはいかないが)

今日が暮れて今日がやってくる　流れのままにとはいかないが

(いやなものをいやといってたらこんなきょうにながれついた)

嫌なものを嫌と言ってたら　こんな今日に流れ着いた

(だからきょうはきねんびだたたかったぼくのきねんびだ)

だから今日は記念日だ　戦った僕の記念日だ

(ただひとつだけもんだいがあるまったくもってむなしいきょうだ)

ただ一つだけ問題がある　全くもって虚しい今日だ

(たのしけりゃわらえばいいんだろかなしいときはないたらいいんだろ)

楽しけりゃ笑えばいいんだろ　悲しい時は泣いたらいいんだろ

(むなしいときはどうすりゃいいのおしえておしえて)

虚しい時はどうすりゃいいの？　教えて　教えて

(なごりおしさもなくさよならあいしたひとやものはあっけない)

名残惜しさも無くさよなら　愛した人や物はあっけない

(それになにをきたいすりゃいいのおしえておしえて)

それに何を期待すりゃいいの？　教えて　教えて

(からっぽのそらにつぶされる)

空っぽの空に潰される

(よわねをはいたららくになるかなくだけないたららくになるか)

弱音を吐いたら楽になるか　泣くだけ泣いたら楽になるか

(しにたいといえばきもちいいかそこからふみだしたくはないか)

死にたいと言えば気持ちいいか　そこから踏み出したくはないか

(どっかにわすれものをしたよきょうしつかははのおなかのなか)

どっかに忘れ物をしたよ　教室か母のお腹の中

(こうきゅうてきなけつらくをあいしてこそのこうふくだ)

恒久的な欠落を　愛してこその幸福だ

(たのしけりゃわらえばいいんだろかなしいときはないたらいいんだろ)

楽しけりゃ笑えばいいんだろ　悲しい時は泣いたらいいんだろ

(むなしいときはどうすりゃいいのおしえておしえて)

虚しい時はどうすりゃいいの？　教えて　教えて

(くらいところからやってきてくらいところにかえっていくだけ)

暗いところからやって来て　暗いところに帰っていくだけ

(そのあいだになにができるのおしえておしえて)

その間に　何が出来るの？　教えて　教えて

(からっぽのそらにつぶされる)

空っぽの空に潰される