鉸釘徒論
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歌詞(問題文)
(あいなんだといっただれがいった)
愛なんだと言った? 誰が言った?
(これはみじめでずさんでおろかなぼくときみのため)
これはみじめで杜撰でおろかなぼくときみのため
(とうにすぎさったひをまった)
とうに過ぎ去った 日を待った
(ことさらいまさらきづいた)
(殊更 今更 気づいた?)
(これはけじめでくさんで)
これはけじめで苦惨で
(きみをさしたさしたの)
(きみを刺した 刺したの!)
(どこかにちぢときえるため)
どこかに千千と消えるため
(とおざかるせなか)
(遠ざかる背中)
(ぼくをわけてやろうみぎのはらわたどくやはどなた)
ぼくをわけてやろう みぎのはらわた 毒矢はどなた?
(きみをみそめたろうのぞくこしかたひぷのすのむこうがわ)
きみを見初めたろう 覗く来し方 ヒプノスの向こう側
(いきとしいける)
いきとしいける
(きみのみすごしたひだねとおとしもの)
(きみの見過ごした火種と落し物)
(いのちなきはらから)
いのちなきはらから
(ぼくはまたふでをちらす)
(ぼくはまた 筆を散らす)
(すべてうばいさるきゅうとはち)
すべて奪い去る九と八
(ふつふつとゆだるすいめんとしょくしものふきだしたものは)
(ふつふつと茹だる水面と食し物 吹き出したものは?)
(ぱらぱら)
ぱらぱら
(ひびをこじあける)
ひびをこじ開ける
(いつもねすごしたどろのゆかおきもの)
(いつも寝過ごした泥の床置物)
(ゆめにこがれても)
夢に焦がれても
(ぼくはまたひれをゆらす)
(ぼくはまた 鰭を揺らす)
(すべてあけわたすきんぎょばち)
すべて明け渡す金魚鉢
(ぷつぷつはきだすことばとさがしものつみあげたものは)
(ぷつぷつ吐き出す言葉と探し物 積み上げたものは?)
(それはいつしかかかしたかおまにー)
それは いつしか欠かしたカオマニー
(さいなんだといっただれがいった)
債なんだと言った? 誰が言った?
(これはにどめのきさんでひそかにぼくがきえるまで)
これは二度目の帰参で ひそかにぼくが消えるまで
(もうかすれきったじはざった)
もう掠れ切った 字は雑多
(なおさらそれならとどいた)
(尚更 それなら届いた?)
(これははじめのにさんで)
これははじめの二三で
(ぼくをたしたたしたの)
(ぼくを足した 足したの!)
(ほのかなあわのゆれるまで)
仄かな泡の揺れるまで
(たれさがるにっちゅう)
(垂れ下がる日中)
(きみはにつめたろうあまいろうがたごくやのかなた)
きみは煮詰めたろう あまい蝋型 獄屋のかなた
(そらはちかいだろうすぎたはりがたさしたひのなか)
空は近いだろう 過ぎた張り型 さしたひのなか
(ばさばさばさばさばさ)
ばさ ばさ ばさばさばさ!
(そして)
そして
(いきとしいける)
いきとしいける
(いみをみおとしたいどころとかえしもの)
(意味を見落とした居所と返し物)
(おわりなきかたがた)
おわりなきかたがた
(ぼくはまたしたをぬらす)
(ぼくはまた 舌を濡らす)
(すべてあくびけおとすはいぬうぇれ)
すべて欠け落とすハイヌウェレ
(つとつとにだすものうげとひょうしものつきだしたものは)
(つとつと煮出す物憂げと拍子物 突き出したものは?)
(つらつら)
つらつら
(ししにめぐらせる)
四肢に巡らせる
(いつもとおしたわたとながしもの)
(いつも通した七曲と流し者)
(ゆめにこがれても)
夢に焦がれても
(ぼくはまたかんがえにふける)
(ぼくはまた 考に耽る)
(すべてあけわたるそらのはし)
すべて明け渡る空の端
(ぱたぱたうきたつすがたとなくしものかりうけたものは)
(ぱたぱた浮き立つ姿と無くし物 借り受けたものは?)
(あれは)
あれは
(いきとしいける)
いきとしいける
(ひびをゆがめたにもつとほどこしもの)
(日々を歪めた荷物と施し物)
(いのちなきながなが)
いのちなきながなが
(ぼくはまたひとにもとる)
(ぼくはまた ひとに悖る)
(すべてたえまさるうつのせみ)
すべて耐え勝るうつのせみ
(さらさらながすささやきとうつしものみだしたものは)
(さらさら流す囁きと写し物 見出したものは?)
(それから)
それから
(ねじのにぎらせが)
螺子の握らせが
(いつもしすごしたひまちとあましもの)
(いつも為過ごした日待と余し物)
(すでにとだえても)
既に途絶えても
(ぼくらまたつとにあゆむ)
(ぼくらまた つとに歩む)
(すべてふけわたるえんのうみ)
すべて更け渡る縁の海
(まだまだすぎゆくちぢとよしなしものというけたものは)
(まだまだ過ぎゆく千千と由無し物 問い受けたものは?)
(それはいつもたえがたきしたもじり)
それは いつも耐え難き舌捩り