幽々しき桜

(うつつにのこしたねがいはいずこ)

現に残した　願いは何処

(きらめくよいてらすゆうゆうしきさくら)

煌めく宵照らす　幽々しき桜

(やみにあずけためもりーこよみのてのひらのうえでうそをつきはじまるえいえん)

闇に預けたメモリー 暦の掌の上で　嘘をつき始まる永遠

(あさつゆのようなしずくがたまるちいさなうつわのみなも)

朝露のような　雫が溜まる小さな器の水面

(みらーじゅゆきのようなせつないかおみつめつれないひょうじょうのままとくりとくりと)

ミラージュ　雪のような切ない顔見つめ つれない表情のまま　とくりとくりと

(あすとさけのあてもないなかなににさちをみいだせばいいのだろう)

明日と酒のアテもない中 何に幸を見出せばいいのだろう

(ふきあれるよかぜただようはなびらとしりょうのとうげんきょううすべににまどわされそう)

吹き荒れる夜風漂う　花びらと死霊の桃源郷 薄紅に惑わされそう

(しょうそうなんてかけらもないよもうそうだいてひとみをとじるよいにとけて)

焦燥なんて欠片もないよ　妄想抱いて瞳を閉じる 宵に溶けて

(よざくらみだれるせつげっかはかないほどにいとわないいのち)

夜桜　乱れる雪月花　儚い程に厭わない命

(おわりあるものゆえのうるわしいはてるかくごしゅんしょういっこく)

終わりあるもの故の麗しい 果てる覚悟春宵一刻

(いつくしむただそのときまでまいちるさくらのもとにぽつりこぼれるしずく)

慈しむただその時まで　舞い散る桜のもとに ぽつり零れる雫

(ぬくもりをかんじるころにいろづくとうめいだったまんげきょうはむせかえるほどのはる)

温もりを感じる頃に色付く 透明だった万華鏡はむせ返る程の春

(むかえたくてもむかえられずむかいあうていど)

迎えたくても迎えられず向かい合う程度

(いつわりのきせつにわざとらしくよりそうあなたが)

偽りの季節にわざとらしく寄り添う貴方が

(ふびんでふびんでこころぐるしいからせめてものたのしみとわずかばかりのはい)

不憫で不憫で心苦しいから せめてもの愉しみとわずかばかりの杯

(きっともうにどとふれられないいとゆうゆうしきさくら)

きっともう二度と触れられない いと幽々しき桜

(さきほこりつきよをせにまいおどるｏｎ＆ｏｎ・・・ちるたびに「さぁおわかれ」と)

咲き誇り月夜を背に　舞い踊るＯＮ＆ＯＮ 散る度に「さぁお別れ」と

(じょじょうてきしぐさまとってきょうそうてきあいじょうかかえるよいにとけて)

叙情的仕草まとって　狂騒的愛情抱える 酔に溶けて

(よざくらみだれるせつげっかはかないほどにいとわないいのち)

夜桜乱れる雪月花　儚い程に厭わない命

(おわりあるものゆえのうるわしいはてるかくごしゅんしょういっこく)

終わりあるもの故の麗しい 果てる覚悟春宵一刻

(いつくしむただそのときまでまいちるさくらのもとにぽつりこぼれるしずく)

慈しむただその時まで　舞い散る桜のもとに ぽつり零れる雫

(さいてはちってをまたくりかえすおわりあるさだめとおわりなきりんね)

咲いては散ってをまた繰り返す 終わりある定めと終わりなき輪廻

(あわせもつゆうゆうしきせつなさとくるしみ)

併せ持つ幽々しき切なさと苦しみ

(あなたのめにはこころにははだにはどうかんじるだろうか)

貴方の目には心には肌にはどう 感じるだろうか

(よざくらみだれるせつげっかはかないほどにいとわないいのち)

夜桜　乱れる雪月花　儚い程に厭わない命

(おわりあるものゆえのうるわしいはてるかくごしゅんしょういっこく)

終わりあるもの故の麗しい 果てる覚悟春宵一刻

(いつくしむただそのときまでまいちるさくらのもとにぽつりこぼれるしずく)

慈しむただその時まで　舞い散る桜のもとに ぽつり零れる雫