ア・リ・ア

(ありあ)

アリア

(たとえきみがべつのひとのことをあいしても)

たとえキミが別のヒトのことを愛しても

(れんびんはいらないだから)

憐憫はいらない　だから

(せめていまことばをかわすこのせつなのあいだでも)

せめて今言葉を交わすこの刹那の間でも

(ぼくのことをみていて)

僕のことを見ていて

(がらすのばらでつくったはなたばを)

硝子の薔薇でつくった花束を

(しずかのうみのなかへそっとしずめます)

静かの海の中へそっと、沈めます

(むねをさすいたみはあぶくのように)

胸を刺す痛みはあぶくの様に

(ふるりふるりみなもをゆらします)

ふるり　ふるり　水面を揺らします

(いろあせたけしきのかけらをあつめては)

色褪せた景色の　欠片を集めては

(ぱずるのようにおもいでえがきだす)

パズルの様に思い出　描き出す

(ありあ)

アリア

(たとえきみがべつのひとのことをあいしても)

たとえキミが別のヒトのことを愛しても

(れんびんはいらないだから)

憐憫はいらない　だから

(せめていまことばをかわすこのせつなのあいだでも)

せめて今言葉を交わすこの刹那の間でも

(ぼくのことをみていて)

僕のことを見ていて

(だれもみることのないゆめのなかで)

誰も見ることのない夢の中で

(ぼくはひとりくろいなみだをながします)

僕はひとり黒い涙を流します

(なぜかひどくさむいはるのよるのなか)

何故か酷く寒い春の夜の中

(ふわりふわりさくらのはながちる)

ふわり　ふわり　桜の花が散る

(まよいこんだもりはくすんだはいいろで)

迷い込んだ森は　くすんだ灰色で

(どこかのだれかのねがいをうつしだす)

何処かの誰かの願いを　映し出す

(ありあ)

アリア

(もしもきみとわかれゆくさだめなのだとしても)

もしもキミと別れゆくさだめなのだとしても

(かんしょうはいらないだから)

感傷はいらない　だから

(うそでぬりかためたやさしさのないふできりさいて)

嘘で塗り固めた優しさのナイフで切り裂いて

(ぼくのことをきずつけて)

僕のことを傷付けて

(とわのあいはしんじない)

永遠《とわ》の愛は信じない

(かがやくときはいまだけでいいだから)

輝く時は今だけでいい　だから

(きみとおなじみらいえらべはしなかった)

キミと同じ未来　選べはしなかった

(だからせめていまこのうたにのせて)

だからせめて今この歌に乗せて

(ありあ)

アリア

(いつかきみがべつのひとのことをあいしても)

いつかキミが別のヒトのことを愛しても

(こうかいはしなくていいよ)

後悔はしなくていいよ

(だっていまきみはぼくのことをあいしてくれている)

だって今キミは僕のことを愛してくれている

(それはやさしいうそなのだけど)

それは優しい嘘、なのだけど。

(ありあ)

アリア

(やさしいうそできずつけて)

優しい嘘で傷付けて