悲しくなる前に

(まちかぜにふかれてるくもりのきょうがまた)

街風に吹かれてる曇りの今日がまた

(よりいっそうかげをおとしていた)

より一層影を落としていた

(えんじてるふうをよそおっていたわたしはなけなしのかんじょうをひろいあげた)

演じてる風を装っていた私はなけなしの感情を拾い上げた

(「あなたはもういなくなったのね」とつぶやいてこころをおしやった)

「あなたはもういなくなったのね」と呟いて心を押しやった

(かなしくなるまえにあなたをわすれちゃわないと)

悲しくなる前にあなたを忘れちゃわないと

(むりなのわかってるのとよふけにむかってはしった)

無理なの分かってるのと夜更けに向かって走った

(なみだがかれたらさまたあなたをおもいだすの)

涙が枯れたらさまたあなたを思い出すの

(ふれるかふれないかでしんぞうがゆれるよ)

触れるか触れないかで心臓が揺れるよ

(えぐるようなこえでまたよびかけてよ)

抉るような声でまた呼びかけてよ

(とめどなくながれるじかんにすこしはんこうして)

止めどなく流れる時間に少し反抗して

(おもいだしてはこころがもどってきた)

思い出しては心が戻って来た

(もうすこしのところでうかびあがるあなたがあまりにもいとしくて)

もう少しの所で浮かび上がるあなたがあまりにも愛しくて

(たゆたうようにきもちがつのってでもくるしくなってかげにめをおとした)

揺蕩うように気持ちが募って でも苦しくなって影に目を落とした

(かなしくなるまえにあなたをわすれちゃわないと)

悲しくなる前にあなたを忘れちゃわないと

(むりなのわかってるのとよふけにむかってはしった)

無理なの分かってるのと夜更けに向かって走った

(なみだがかれたらさまたあなたをおもいだすの)

涙が枯れたらさ またあなたを思い出すの

(ふれるかふれないかでしんぞうがゆれるよ)

触れるか触れないかで心臓が揺れるよ

(えぐるようなこえでまたよびかけてよ)

抉るような声でまた呼びかけてよ

(よるのとばりがおりたらわたしはなんどもわすれたあなたのまえで)

夜の帳が下りたら私は何度も忘れたあなたの前で

(よるのとばりがおりたらわたしはなきわらいしながらなまえをよぶの)

夜の帳が下りたら私は泣き笑いしながら名前を呼ぶの

(かなしくなるまえにあなたをわすれちゃわないと)

悲しくなる前にあなたを忘れちゃわないと

(むりなのわかってるのとよふけにむかってはしった)

無理なの分かってるのと夜更けに向かって走った

(なみだがかれたらさまたあなたをおもいだすの)

涙が枯れたらさまたあなたを思い出すの

(ふれるかふれないかでしんぞうがゆれるよ)

触れるか触れないかで心臓が揺れるよ

(えぐるようなこえでまたよびかけてよ)

抉るような声でまた呼びかけてよ

(「あいされてたんだよね？」)

「愛されてたんだよね？」

(といはくうをきった)

問は空を切った