Ark
括弧、記号などは省きました。
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歌詞(問題文)
(はこにわをかたるおりのなかできんだんのきかんにてをくわえて)
「箱庭を騙る檻の中で 禁断の海馬に手を加えて
(おごれるむのうなかみにでもなったつもりなの)
驕れる無能な創造神にでも 成った心算なの……」
(ほうかいそれははらみつづけたきせつにがつのゆきのひそろるのゆめ)
(崩壊 其れは孕み続けた季節 二月の雪の日 『妹』の記憶)
(われわれをらくえんへみちびけるはこぶねはあわれなるたましいをだいちからときはなつ)
「我々を楽園へ導ける箱舟は 哀れなる魂を大地から解き放つ
(すくいをもとめるあなたにarkをあたえよう)
救いを求める貴女にArkを与えよう」
(それはげっこうをうけてぎんいろにきらめいた)
《Arkと呼ばれた物》は月光を受けて銀色に煌めいた…
(おもいでまでうらぎったつめたいことばのあめ)
思い出まで裏切った 冷たい言葉の雨
(しあわせだったふたりとわにとどかなくなるまえに)
幸せだった二人 永遠に届かなくなる前に…
(ねぇなぜかわってしまったのあんなにもあいしあっていたのに)
「ねぇ何故変わってしまったの あんなにも愛し合っていたのに…」
(なみだをえみにかえつめよるないふをにぎって)
涙を微笑みに換え詰め寄る 《Arkと呼ばれた物》を握って…
(あいぞうのark)
愛憎の箱舟
(いんがそれはたぐりよせたいとろくがつのあめのひふらーてるのゆめ)
(因果 其れは手繰り寄せた糸 六月の雨の日 『兄』の記憶)
(しんじてたそのひとにうらぎられたしょうじょ)
信じてたその人に裏切られた少女
(にげこんだらくえんはしんこうというきょうき)
逃げ込んだ楽園は信仰という狂気
(あたらしいせかいへとはばたけるじこあんじ)
新しい世界へと羽ばたける自己暗示
(すみわたるかくせいはしんこうというきょうき)
澄み渡る覚醒は進行という凶器
(さいごのときにめぐったいびつなあいのきおく)
最後の瞬間に廻った 歪な愛の記憶
(ぜいじゃくなこころがたえきれずあのひうそをついた)
脆弱な精神が堪えきれず あの日嘘を吐いた…
(りっすればりっするほどおちるゆるされぬおもいにやかれながら)
律すれば律する程堕ちる 赦されぬ想いに灼かれながら
(まぐわうきずはふかくあまくはめつへいざなう)
まぐわう傷は深く甘く 破滅へ誘う…
(はいとくのark)
背徳の箱舟
(ひけんたい1096つうしょうそろるおなじく)
被験体1096通称『妹』同じく
(ひけんたい1079つうしょうふらーてるをさつがい)
被験体1079通称『兄』を殺害
(けーすなんばー12)
<症例番号12>
(かじょうとうえいがたいぞんにおけるふくろこうじのもでる)
過剰投影型依存における袋小路の模型
(すなわちark)
即ち《妄想型箱舟依存症候群》
(かぎりなくどういつにちかづけるついおくはきょうきにもにたげんそう)
限りなく同一に近づける 追憶は狂気にも似た幻想
(もとめるままにくちびるをうばいあいすこしずつらくえんをおわれてゆく)
求める儘に唇を奪い合い 少しずつ楽園を追われてゆく
(おなじとらうまかさねればひびきあうけれどそれいじょうには)
同じ心的外傷重ねれば響き合う けれどそれ以上には…
(はこにわをかたるおりのなかできんだんのきかんにてをくわえて)
「箱庭を騙る檻の中で 禁断の海馬に手を加えて
(おごれるむのうなかみにでもなったつもりなのか)
驕れる無能な創造神にでも 成った心算なの」か…
(ありしひにさかせたはなびらはくらやみにちりゆくようにりんと)
在りし日に咲かせた花弁は 暗闇に散り逝くように凛と
(しょうじょのこわいろでささやくらくえんへかえりましょう)
少女の声色で囁く 「楽園へ還りましょう」…
(うぉっちゃーはてんをあおぎふかいためいきをつく)
(監視卿は天を仰ぎ深い溜息を吐く
(うしなったはずのばしょがむなしくうずいた)
失った筈の《左手の薬指》が虚しく疼いた
(ふとかれがもにたーのむこうへとしせんをもどすと)
ふと彼が監視鏡の向こうへと視線を戻すと
(ああいつのまにかしょうじょのはいごにはかめんのおとこがたっていた)
嗚呼…いつの間にか少女の背後には『仮面の男』が立っていた