南洲翁遺訓〈現代語訳〉7~10

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西郷隆盛の教えです。
ふんわりと現代語に訳しております。
詳しくは大家の翻訳を参照してください。

前半の「1~20」は、主に為政者(上に立つ者)としての訓えが説かれ、
後半の「21~41」は、主に個人の修身についての訓えが説かれています。
個人的には後半の「21~」進めるのがお勧めです。

ローマ字欄に原文を記載してあります。
盛和塾関係の方に是非おすすめです。

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問題文

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(おおきいことであれちいさいことであれ、つねにせいどうをふみ、まごころをつくして、)

大きい事であれ小さい事であれ、常に正道を踏み、真心を尽くして、

事大小と無く、正道を蹈み至誠を推し、

(いちじのこざかしいさくりゃくやけいりゃくをもちいてはならない。)

一時の小賢しい策略や計略を用いてはならない。

一事の詐謀を用ふ可からず。

(なんじにちょくめんするとおおくのひとのばあい、)

難事に直面すると多くの人の場合、

人多くは事の指支ゆる時に臨み、

(そのばをしのごうとちぼうをめぐらせ、さくりゃくをつかってうまくことをはこぼうとする。)

その場を凌ごうと知謀を巡らせ、策略を使ってうまく事を運ぼうとする。

作略を用て一旦其の指支を通せば、

(しだいにつどそれをかいひかいけつできているようなきになってはいても、)

次第に都度それを回避解決できているような気になってはいても、

跡は時宜次第工夫の出來る樣に思へ共、

(めさきにさくりゃくしたがためにそのつけがかならずしょうじ、)

目先に策略したが為にそのツケが必ず生じ、

作略の煩ひ屹度生じ、

(けっか、そのことはかならずしっぱいしてしまうこととなろう。)

結果、その事は必ず失敗してしまうこととなろう。

事必ず敗るゝものぞ。

(これらせいどうをもってふみおこなえば、いっけんめのまえではまわりくどいようにみえるが、)

これら正道を以て踏み行えば、一見目の前では回りくどいように見えるが、

正道を以て之を行へば、目前には迂遠なる樣なれ共、

(さきざきをよくよくかんがえれば、じつはかえってせいこうははやいものなのである。)

先々をよくよく考えれば、実は却って成功は早いものなのである。

先きに行けば成功は早きもの也。

(ひろくしょがいこくのせいどをとりいれ、ぶんめいのかいかをおしすすめようとするならば、)

広く諸外国の制度を採り入れ、文明の開化を推し進めようとするならば、

廣く各國の制度を採り開明に進まんとならば、

(まずわがくにのこくたいをよくわきまえ、しゅうぞく・きょういくをただし、)

まず我が国の国体を良くわきまえ、衆俗・教育を正し、

先づ我國の本體を居ゑ風教を張り、

(かっことしてからのち、ゆっくりとしょがいこくのちょうしょをとりいれるべきものだ。)

確固としてから後、ゆっくりと諸外国の長所を採り入れるべきものだ。

然して後徐かに彼の長所を斟酌するものぞ。

(そうではなく、みだりにしょがいこくのまねばかりをして)

そうではなく、みだりに諸外国の真似ばかりをして

否らずして猥りに彼れに

(ただこれをみならうのならば、)

ただこれを見習うのならば、

倣ひなば、

(わがこくたいはぎゃくにすいたいしじゃくたいかし、ふうきょうはみだれ、すくいがたいじょうたいになってしまう。)

我が国体は逆に衰退し弱体化し、風教は乱れ、救い難い状態になってしまう。

國體は衰頽し、風教は萎靡して匡救す可からず、

(けっか、ついにはそのがいこくにせいせられるじたいとなってしまうであろう。)

結果、ついにはその外国に制せられる事態となってしまうであろう。

終に彼の制を受くるに至らんとす。

(よくきみ・くににつかえおやきょうだいをだいじにするこころ「ちゅうこう」、)

よく君・国に仕え親兄弟を大事にする心「忠孝」、

忠孝

(たにんにたいしてめぐみ、いつくしむこころ「じんあい」、)

他人に対して恵み、いつくしむ心「仁愛」、

仁愛

(そして「きょうか」はせいじのおおもとをなすものであり、)

そして「教化」は政治の大本を為すものであり、

教化の道は政事の大本にして、

(みらいえいごうにあまねくぜんせかいになくてはならないだいじなかなめのみちである。)

未来永劫に遍く全世界になくてはならない大事な要の道である。

萬世に亙り宇宙に彌り易かふ可からざるの要道也。

など

(みちというものはてんちしぜんのものであるから、)

道というものは天地自然の物であるから、

道は天地自然の物なれば、

(たとえせいようであろうがとうようであろうが、けっしてたがうものではないのである。)

たとえ西洋であろうが東洋であろうが、決して違うものではないのである。

西洋と雖も決して別無し。

(じんちをかいはつするとは、)

人智を開発するとは、

人智を開發するとは、

(すなわちきょういくのこんぽんもくてきであるあいこくのこころ、ちゅうこうのこころをひらきはっすることだ。)

即ち教育の根本目的である愛国の心、忠孝の心を開き発することだ。

愛國忠孝の心を開くなり。

(くにのためにつくし、いえのためつとめるというじんりんのみちがあきらかであるならば、)

国の為に尽し、家のため勤めるという人倫の道が明らかであるならば、

國に盡し家に勤むるの道明かならば、

(まずどんなじぎょうであってもうまくすすみはかどるであろう。)

まずどんな事業であってもうまく進み捗るであろう。

百般の事業は從て進歩す可し。

(だがさっこんは、ただただまあたらしいじぎょうをかいはつしようとして、)

だが昨今は、ただただ真新しい事業を開発しようとして、

或ひは耳目を開發せんとて、

(でんしんをかけ、てつどうをしき、またじょうきじかけのきかいをつくって)

電信を架け、鉄道を敷き、また蒸気仕掛の機械を造って

電信を懸け、鐵道を敷き、蒸氣仕掛けの器械を造立し、

(ひとのめやみみをおどろかすようなことをするけれども、)

人の目や耳を驚かすような事をしている。

人の耳目を聳動すれ共、

(だがそもそもどういうわけででんしんやてつどうがなくてはならないか、)

だがそもそもどういう訳で電信や鉄道が無くてはならないか、

何に故電信鐵道の無くては叶はぬぞ

(かくことのできないものであるかという、ほんらいのもくてきにちゅうりょくすることなく、)

欠くことの出来ない物であるかという、本来の目的に注力すること無く、

缺くべからざるものぞと云ふ處に目を注がず、

(みだりにがいこくのせいだいさだけをうらやみ、そのりがいとくしつなどはぎろんしない。)

みだりに外国の盛大さだけを羨み、その利害得失などは議論しない。

猥りに外國の盛大を羨み、利害得失を論ぜず、

(いわんやいえのつくりやかまえから、こどものがんぐまでいちいちがいこくのまねをし、)

いわんや家の造りや構えから、子供の玩具まで一々外国の真似をし、

家屋の構造より玩弄物に至る迄、一々外國を仰ぎ

(ふそうおうなぜいたくがよにまんえんし、このようなことにざいさんをくいつぶしていくのなら、)

不相応な贅沢が世に蔓延し、このようなことに財産を食い潰して行くのなら、

奢侈の風を長じ、財用を浪費せば、

(じょじょにこくりょくはすいたいしてしまい、そしてじんしんはますますけいはくにながされる。)

徐々に国力は衰退してしまい、そして人心はますます軽薄に流される。

國力疲弊し、人心浮薄に流れ、

(こんなことではけっきょくにほんははたんするよりほかないではないか。)

こんなことでは結局日本は破綻するより他ないではないか。

結局日本身代限りの外有る間敷也。

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