吉田松陰 寸言集〈現代語訳〉3

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松下村塾で学びましょう。
長州藩、維新の志士達の心の師であった吉田松陰。
松蔭の寸言を勝手に現代語に翻訳しました。
詳しくは大家の翻訳をご覧ください。
「誠」のみで生きた松蔭の心震える言葉で、人生を考え直してみましょう。

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問題文

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(わたしはがんらいよくしゃべるせいかくのようだ。)

私は元来よく喋る性格のようだ。

吾が性多言なり、

(たげんというものはうやまうこころをしっしやすく、またまことのこころがさんじやすい。)

多言というものは敬う心を失しやすく、また誠の心が散じやすい。

多言は敬を失し誠を散づ、

(ゆえにわたしはむようのべんをさける、ということをだいいちのいましめとしている。)

故に私は無用の弁を避ける、ということを第一の戒めとしている。

故に無用な言を言わはざるを第一戒と為す。

(もうしは「こころをやしなうはかよくよりよきはなし」という。)

孟子は「心を養うは寡欲より善きはなし」という。

孟子曰く、心を養ふは寡欲より善きはなしと。

(しゅうしは「これをすくなくしてもってむにいたる」という。)

周子は「これを寡くして以て無に至る」という。

周子曰く、之を寡くしてもって無に至ると。

(もうし・しゅうしのげんは、まなぶものにとってもっともせつじつなおしえである。)

孟子・周子の言は、学ぶ者にとって最も切実な教えである。

孟・周の言、学者に於いて尤も切なりと為す。

(もしひとがあやまちをおかしてしまったのであれば、わたしはそれをとがめることだろう。)

もし人が過ちを犯してしまったのであれば、私はそれを咎めることだろう。

人已に過ちあらば、吾れ従って之を咎む、

(しかし、そのあやまちをはんせいするのならば、わたしはそれをよろこぶのだ。)

しかし、その過ちを反省するのならば、私はそれを喜ぶのだ。

過ちて則ち之を悔ゆれば、吾れ従って之を喜ぶ。

(これがくんしのこころというものであろう。)

これが君子の心というものであろう。

是れ君子の心なり。

(おもうのだが、とくのないしょうじんといえどもかならずなにかのさいのうをもっている。)

思うのだが、徳のない小人といえども必ず何かの才能を持っている。

按ずるに、小人必ず才あり。

(そのさいのうはぜひかつようするべきである。)

その才能は是非活用するべきである。

其の才用ふるべし、

(だがそのげひたあくしゅうはぜったいにゆるしてはならない。)

だがその下卑た悪習は絶対に許してはならない。

その悪赦すべからず。

(いま、たいぎょうをなさんとするならば、)

いま、大業を為さんとするならば、

今大業を創めんとならば、

(くんし・しょうじんとなく、そのすべてのさいのうをもちいるべきなのだ。)

君子・小人となく、そのすべての才能を用いるべきなのだ。

君子小人となく皆其の才を用ふるべし、

(ようするに、そのものたちのふぜんなこころをはつろささなければそれでよいのだ。)

要するに、その者たちの不善な心を発露ささなければそれで良いのだ。

其の不善を露はさざれば可なり。

(いまのひとはむかしのひとにくらべ、めさきのことしかかんがえず、ちえもたりずしりょもあさい。)

今の人は昔の人に比べ、目先のことしか考えず、智恵も足りず思慮も浅い。

後世の人、智慮短浅、

(そして、ひとたびたたかいにやぶれたくらいですぐにしきはそうしつし、)

そして、ひとたび戦いに敗れたくらいですぐに志気は喪失し、

一旦敗仁衂すれば志気頓に沮喪し、

(いきしょうちんして、もうそのすべてがくじけてしまう。)

意気消沈して、もうその全てが挫けてしまう。

復た能く為すこと無し。

(ただしくないことをし、つみをおかしているのにそれをあらためようとしないもの、)

正しくない事をし、罪を犯しているのにそれを改めようとしない者、

若し夫れ罪を知りて改めざる者は、

(こういったにんげんはてのほどこししようがない。)

こういった人間は手の施しようがない。

真に如何ともすべかざるの人なり。

など

(にんげんとしてうれうるべきざいかとは、)

人間として憂うるべき罪過とは、

人の患いは

(つみをおかしていながら、それをじかくしていないことにある。)

罪を犯していながら、それを自覚していないことにある。

罪を犯して罪を知らざるにあり。

(きがいがあり、せつぎをまっとうし、ぎをおこなうこと。これがしょうかそんじゅくのだいいちぎである。)

気概があり、節義を全うし、義を行うこと。これが松下村塾の第一義である。

気節行儀は村塾の第一義なり。

(いたずらにきじょうでしょをよんでいるだけでなにもしないのは、もっともいやしむものである。)

徒に机上で書を読んでいるだけで何もしないのは、最も卑しむものである。

徒に書を読むのみに非ざるなり。

(しがもっともとうとぶのは、じんとくである。けっしてさいのうではない。)

士が最も尊ぶのは、人徳である。決して才能ではない。

士に貴ぶ所は徳なり、才に非ず。

(そしてじっこうであり、ただちしきをつけるだけのことでもない。)

そして実行であり、ただ知識を付けるだけの事でもない。

行なり学に非ず。

(てんかこっかにかんすることはきわめておもいものだ。)

天下国家に関することは極めて重いものだ。

夫れ国事は極めて重し、

(かりにもてんかこっかになにかなすこともないようなのであれば、)

仮にも天下国家に何か為すことも無いようなのであれば、

苟も国に為すことなくんば、

(ともにかたるしんゆうをえたところでそれはしんによろこぶにたることではない。)

倶に語る親友を得た所でそれは真に喜ぶに足ることではない。

朋友を得と雖も悦ぶに足らず、

(また、しんにこころざしをともにするしんゆうをうしなったとしても、)

また、真に志を倶にする親友を失ったとしても、

乃ち朋友を失ふも

(それをうれうるひまなどもないはずだ。)

それを憂うる暇なども無いはずだ。

憂ふるに遑あらざるなり。

(かたいこころでものごとをだんじておこなえば、たとえきじんといえどもさけていくものだ。)

堅い心で物事を断じて行えば、例え鬼神といえども避けていくものだ。

断じて之を行へば、鬼神も之を避く。

(ゆえに、おおきなことをなそうとするのならば、)

故に、大きな事を成そうとするのならば、

大事を断ぜんと欲せば、

(まずは、それがせいこうするか、しっぱいするかということはすっかりわすれよ。)

まずは、それが成功するか、失敗するかということはすっかり忘れよ。

先づ成敗を忘れよ。

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