夜が明けるまで

(きがついたらそこにころがったゆううつ)

気が付いたらそこに転がった憂鬱

(おなじようなひびのすきまから)

同じような日々の隙間から

(ぼくはへやをでる)

ぼくは部屋を出る

(よるがあけるまで)

夜が明けるまで

(だれもいないばしょで)

誰もいない場所で

(ゆらゆらしたい)

ゆらゆらしたい

(たばこのけむりがやけにめにしみた)

煙草の煙がやけに目に染みた

(あのひのことばがおもいだせないよ)

あの日の言葉が思い出せないよ

(きみにぼくのうたがひびかなくなったら)

君に僕の歌が響かなくなったら

(ぼくのことはもうわすれてしまえよ)

僕のことはもう忘れてしまえよ

(きみのすきなほんをよみおわってしまったら)

君の好きな本を読み終わってしまったら

(あのへやにはもう)

あの部屋にはもう

(なにひとつのこらないんだよ)

何一つ残らないんだよ

(かわらないみちをあるきつづけてる)

変わらない道を歩き続けてる

(ながいゆめのなかにいるみたいだ)

長い夢の中にいるみたいだ

(さびついたきもちも)

錆びついた気持ちも

(よるがあけるまで)

夜が明けるまで

(だれかにつたわるわけじゃないし)

誰かに伝わるわけじゃないし

(たばこのけむりがまちにとけていく)

煙草の煙が街に溶けていく

(やるせないぼくはなにかになれるかな)

やるせない僕は何かになれるかな

(きみにぼくのうたがひびかなくなったら)

君に僕の歌が響かなくなったら

(このよるのこともうたにしてしまおう)

この夜のことも歌にしてしまおう

(それがいまのぼくのすべてになってしまっても)

それが今の僕の全てになってしまっても

(あのへやにはもう)

あの部屋にはもう

(なにひとつのこらないんだよ)

何一つ残らないんだよ

(いまもさびしいのは)

今も寂しいのは

(それはもうしかたないのか)

それはもう仕方ないのか

(わけもなくむなしいのは)

訳もなく虚しいのは

(それはもうしかたないのか)

それはもう仕方ないのか

(きみにぼくのうたがひびかなくなったら)

君に僕の歌が響かなくなったら

(ばかげてるなんてわらいとばしてくれよ)

馬鹿げてるなんて笑い飛ばしてくれよ

(よるがあけるのなら)

夜が明けるのなら

(きみにあえるのなら)

君に会えるのなら

(だいじょうぶなんてだまされて)

大丈夫なんて騙されて

(ぼくはねむろう)

僕は眠ろう