五月雨

(みずたまりあめいろにゆれていた)

水溜まり 飴色に揺れていた

(はねとじたむしはどっかとんでいった)

羽 閉じた虫は どっか飛んで行った

(いつのまにかとんでいってしまった)

いつの間にか飛んで行ってしまった

(ぼくらじっとしていたくなかった)

ぼくら ジッとして居たくなかった

(かがやきはあすふぁるとはなれ)

輝きはアスファルト離れ

(ろうのはねしょってえがいたそら)

ロウの羽 しょ って描いた 空

(びしょぬれだけど)

びしょ濡れだけど

(さよならさよなら)

さよなら さよなら

(きにしないでね)

気にしないでね

(ぼくらはあまつぶでもなめるさ)

僕らは雨粒でも 舐めるさ

(みあげたのはあおぞらあおぞら)

見上げたのは青空 青空

(ばっとみたいにふりさげたかさがひらいてはながさいた)

バットみたいに振り下げた傘が開いて 花が咲いた

(みずたまりあめいろにそらうつした)

水溜まり 飴色に 空 映した

(たいやからもれたあぶらがひかった)

タイヤから漏れた油が光った

(いつのまにかにじがかかった)

いつの間にか虹が架かった

(ぼくらはだしのままはしったんだ)

ぼくら 裸足のまま走ったんだ

(じゆうとはあすふぁるとはなれ)

自由とはアスファルト離れ

(ろうのはねとけてめざしたそら)

ロウの羽 溶けて 目指した 空

(びしょぬれだけど)

びしょ濡れだけど

(さよならさよなら)

さよなら さよなら

(きにしないでね)

気にしないでね

(ぼくらはひえるかぜもへいきさ)

ぼくらは 冷える風も平気さ

(おもいでだけあおぞらあおぞら)

思い出だけ青空 青空

(かさじゃとべない)

傘じゃ飛べない

(かんちがいのはてにきずついてもわらえた)

勘違いの果てに傷ついても 笑えた

(みなれることのないそら)

見慣れる事の無い 空

(まばたきはすとろぼ)

瞬きは ストロボ

(わかばがすれるおとつちがむすにおい)

若葉が擦れる音 土が蒸す匂い

(ひざしにとけた)

日差しに溶けた

(さつきあめ)

五月雨

(びしょぬれだけど)

びしょ濡れだけど

(さよならさよなら)

さよなら さよなら

(きにしないでね)

気にしないでね

(ぼくらはあまつぶでもなめるさ)

ぼくらは 雨粒でも 舐めるさ

(みあげたのはあおぞらあおぞら)

見上げたのは 青空 青空

(ばっとみたいにふりさげたかさがひらいて)

バットみたいに振り下げた傘が 開いて

(はながさいた)

花が咲いた