オリオン

(ひのくれたまちにふゆのかおりがすこし)

日の暮れた街に冬の香りが少し

(ふたりのせなかをてらすつきあかり)

ふたりの背中を照らす月明かり

(かれはをはこぶかぜはなによりもじゆうで そんなふうにいきたいとおもったよ)

枯葉を運ぶ風は何よりも自由で そんな風に生きたいと思ったよ

(うちがわをさらすめいろをくぐりぬけて ちかくにいけたらいいのにな)

内側をさらす迷路をくぐり抜けて 近くに行けたら いいのにな

(つたえたいことばをさがすけど)

伝えたい言葉を探すけど

(はくいきはこごえてて)

吐く息は凍えてて

(からだをよせあった)

体を寄せ合った

(あなたのとなりからみるほしがあまりにもきれいだから このままあるきたい)

あなたの隣から見る星があまりにも綺麗だからこのまま歩きたい

(よぞらをみたすかぜが)

夜空を満たす風が

(げっこうをおよいでいる)

月光を泳いでいる

(まちのあかりにこきゅうがかさなりあって)

街の明かりに 呼吸が重なり合って

(ざわめきのなかことばはいらない)

ざわめきの中 言葉は要らない

(かれはをたどるひかりはなによりやさしくて)

枯れ葉を辿る光は何より優しくて

(そんなふうにいきたいとおもったよ)

そんな風に生きたいと思ったよ

(つりーがゆれてる)

ツリーが揺れてる

(いるみねーしょんのなか)

イルミネーションの中

(もとめるのはだれのぬくもり)

求めるのは 誰の温もり

(ひとごみのなか)

人混みの中

(たったひとつのあたたかさにであったよおたがいにむけられた)

たったひとつの暖かさに出会ったよ お互いに向けられた

(あなたといきることわかつことこのいちびょうのなかにある)

あなたと生きる事 分かつ事 この一秒の中にある

(こなゆきまいおりてきょりがちかづいてゆく)

粉雪 舞い降りて 距離が近づいて行く

(ほら)

ほら

(まぶしいゆきのはんしゃ)

眩しい雪の反射

(はばたいたむめいのわたりどりのようなあおいつきああ)

羽ばたいた 無名の渡り鳥のような 青い月 嗚呼

(あなたのことがすき)

あなたの事が好き

(このときがいちびょうずつかこになって)

この時が 一秒ずつ過去になって

(いつかはおもいでがよぞらをみたすほしでうまるまであるかないかい)

いつかは思い出が 夜空を満たす星で埋まるまで 歩かないかい

(おりおんがやをいり)

オリオンが 矢を 射り

(ふゆがれのまちのなかをながれぼしが)

冬枯れの街の中を 流れ星が

(ぼくらをよこぎってかなたにおちてゆくよ)

ぼくらを横切って 彼方に落ちてゆくよ

(ゆきがそめるまちをぬけて)

雪が染める街を抜けて