かえりみちの色

(ちょっとよりみちでもしていこうかこんびにをゆびさして)

ちょっと寄り道でもしていこうか　コンビニを指差して

(たのしそうにならぶふたつのかげきょうはなにをかおうかなんて)

楽しそうに並ぶ二つの影　今日は何を買おうかなんて

(たちどまりふりむくとめいっぱいのおれんじ)

立ち止まり振り向くと目一杯のオレンジ

(ばすていもさかみちもあわくそめる)

バス停も坂道も淡く染める

(ゆうやけのやきいろはほっとけーきみたいだってはにかんだ)

夕焼けの焼き色はホットケーキみたいだってはにかんだ

(そのかおがいとしくてわらいあった)

その顔がいとしくて笑い合った

(てをつないでかえろうゆっくりいっぽずつ)

手を繋いて帰ろう　ゆっくり一歩ずつ

(ふたりのほはばあわせて)

二人の歩幅合わせて

(おはようおやすみそれじゃあまたあした)

おはよう　おやすみ　それじゃあ　またあした

(ずっといっしょにいるのにいえないことば)

ずっと一緒にいるのに言えない言葉

(ありがとうはてれくさいから)

ありがとうは照れくさいから

(きょうもかわりにおかえりをいおう)

今日も代わりにおかえりを言おう

(どこかなつかしいにおいがしたんだきっときのせいだけど)

どこか懐かしい匂いがしたんだ　きっと気のせいだけど

(ひがみじかくなったぶんそでがのびてそらにあいいろがまざった)

日が短くなった分袖が伸びて　空に藍色がまざった

(おいかけるようにそめてくばすていのつぎはさかみち)

追いかけるように染めてく　バス停の次は坂道

(ふたりのあるいたあとをたどって)

二人の歩いた跡を辿って

(こばるといろとおれんじできせつはずれのはなびだってはにかんだ)

コバルト色とオレンジで季節外れの花火だってはにかんだ

(そのかおはあのひよりおとなびていた)

その顔はあの日より大人びていた

(てをつないでかえろうちょっとかけあしで)

手を繋いで帰ろう　ちょっと駆け足で

(いえまできょうそうをしながら)

家まで競争をしながら

(ありがとうごめんねそれはいえるのに)

ありがとう　ごめんね　それは言えるのに

(きっとおんなじだけどちがうんだ)

きっと同じだけど違うんだ

(ああこんなひびがつづくんだとそうおもっていたんだ)

嗚呼　こんな日々が続くんだと　そう思っていたんだ

(いつかなんてこないんだと)

いつかなんて来ないんだと

(わかってるよだけどいまはたいせつなきょうに)

わかってるよ　だけど今は大切な今日に

(もうすこしだけいさせて)

もう少しだけ居させて

(あたりまえなんだけどあたりまえじゃないんだ)

当たり前なんだけど当たり前じゃないんだ

(ふたりのほはばもきょりも)

二人の歩幅も距離も

(つないだてのぬくもりそれはたいおんじゃなくて)

繋いだ手の温もり　それは体温じゃなくて

(ずっともらってたもの)

ずっと貰ってたもの

(てをつないでかえろうゆっくりいっぽずつ)

手を繋いで帰ろう　ゆっくり一歩ずつ

(ふたりのほはばあわせて)

二人の歩幅合わせて

(おはようおやすみそれじゃあまたあした)

おはよう　おやすみ　それじゃあ　またあした

(ずっといっしょにいるのにいえないことば)

ずっと一緒にいるのに言えない言葉

(ありがとうはてれくさいから)

ありがとうは照れくさいから

(きょうもかわりにおかえりをいおう)

今日も代わりにおかえりを言おう