くだらない空を掴む

(ただただあるいている)

ただただ歩いている

(いつものみなれたみちからにげるように)

いつもの見慣れた道から逃げるように

(とおりすぎるみせにころがったうたをつまみながら)

通りすぎる店に転がった歌を摘みながら

(くりかえすせかいにらくがきして)

繰り返す世界に落書きして

(くだらないいたずらしよう)

くだらない悪戯しよう

(すこしでいいすこしだけでいい)

少しでいい　少しだけでいい

(きのうとはどこかちがうきょうに)

昨日とはどこか違う今日に

(とぼとぼあるいている)

とぼとぼ歩いている

(いくあてもないけどここにいたくなくて)

行く宛もないけどここにいたくなくて

(すてられたじでんしゃおこして)

捨てられた自転車起こして

(さびついたいみにまたがったのなら)

錆び付いた意味に跨ったのなら

(そらにていをなげてふきをこいだ)

空に体を投げて不羈を漕いだ

(どこへだっていけるような)

どこへだって行けるような

(とまることないひびに)

止まる事ない日々に

(おいぬかされないようににげなくちゃ)

追い抜かされないように逃げなくちゃ

(べんぎじょうでこしたせんたくしは)

便宜上で濾した選択肢は

(きっとぜんぶどうしようもなくて)

きっと全部どうしようもなくて

(どうせもどってくんだろう)

どうせ戻って来んだろう

(とおりぞいでかいだぱんやのれつ)

通り沿いでかいだパン屋の列

(たちよってたらせかいがかわってたのかな)

立ち寄ってたら世界が変わってたのかな

(ひたすらにこいだくりかえされるひび)

ひたすらに漕いだ　繰り返される日々

(しらないせかいをみていたい)

知らない世界を見ていたい

(みしらないはらっぱにみをほうって)

見知らない原っぱに身を放って

(くだらないそらをつかむ)

くだらない空を掴む

(いみもいぎもりゆうもそこにはひつようない)

意味も意義も理由もそこには必要ない

(かぜがそうじょうはらってさらさらとならした)

風が草上払ってさらさらと鳴らした

(ばかみたいなことをしよう)

馬鹿みたいな事をしよう

(べつになにもうまれなくてもよかったの)

別に何も生まれなくてもよかったの

(わたしのきげんだけで)

私の機嫌だけで