彩風 -Ayakaze-

(くろかみなびかせてしずかに)

黒髪靡かせて静かに

(ほほえんでいるしょうじょのしゅんかんがいとおしくて)

微笑んでいる少女の瞬間が愛おしくて

(ふぁいんだーのぞきこみむけるけど)

ファインダー覗き込み向けるけど

(ぴんとをあわせるあいだにかぜはやんでしまった)

ピントを合わせる間に風は止んでしまった

(いつもそうあこがれって)

いつもそう憧れって

(おもうときすがたけす)

想う瞬間姿消す

(だけどかめらはずせば)

だけどカメラ外せば

(いがいとちかくにあったりするから)

意外と近くにあったりするから

(かぜはいつもそこらじゅうにふいてる)

風はいつもそこら中に吹いてる

(ただきづかないだけ)

ただ気付かないだけ

(ちいさなまどのそとがわみれば)

小さな窓の外側見れば

(すこしだけひろくなって)

少しだけ広くなって

(みらいがかかれてるねたちょう)

未来が書かれてるネタ帖

(ぎっしりとりそうろんつめこまれている)

ぎっしりと理想論詰め込まれている

(わたしはできるとさっかくして)

「私はできる」と錯覚して

(よみかえしてふせんしてそれでみたされる)

読み返して付箋してそれで満たされる

(とぶすべをしっていれば)

飛ぶ術を知っていれば

(あとはてをはなすだけ)

あとは手を離すだけ

(わかってるのーとのなか)

解ってるノートの中

(ねぇよわいわたしをふきとばして)

ねぇ弱い私を吹き飛ばして

(かぜがつよくてまえのほうへぺーじめくる)

風が強くて前の方へページめくる

(ああきづかなくて)

ああ気付かなくて

(うきあしだってじゅんびできてる)

浮き足立って準備できてる

(はねうごかすだけ)

羽動かすだけ

(あぁひっしでさがして)

あぁ必死で探して

(まよいこんだろじにたつけど)

迷い込んだ路地に立つけど

(せまければせまいほどに)

狭ければ狭いほどに

(ふくつよさぜんしんでかんじて)

吹く強さ全身で感じて

(かぜはきっとわたしのほうへふいてる)

風はきっと私の方へ吹いてる

(うけとめてよくて)

受け止めて良くて

(あせでぬれたからだをかわかす)

汗で濡れた身体を乾かす

(すずしくかんじるかぜ)

涼しく感じる風

(いつもそこらじゅうにふいてる)

いつもそこら中に吹いてる

(せなかをおすかぜ)

背中を押す風

(ちいさなまどのそとがわみれば)

小さな窓の外側見れば

(すこしだけつよくなって)

少しだけ強くなって