指環1 江戸川乱歩
江戸川乱歩の小説「指環」です。
今はあまり使われていない、漢字や読み方、表現などがありますが、原文のままです。
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問題文
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(aしつれいですが、いつかもきしゃでごいっしょになったようですね。)
A 失礼ですが、いつかも汽車でご一緒になった様ですね。
(bこれはおみそれもうしました。そういえば、わたしもおもいだしましたよ。)
B これは御見それ申しました。そういえば、私も思い出しましたよ。
(やっぱりこのせんでしたね。)
やっぱりこの線でしたね。
(aあのときはとんだごさいなんでした。)
A あの時は飛んだ御災難でした。
(bいや、おことばでいたみいります。わたしもあのときはどうしようかとおもいましたよ。)
B いや、お言葉で痛み入ります。私もあの時はどうしようかと思いましたよ。
(aあなたが、わたしのとなりのせきへいらっしたのは、あれはkえきをすぎて)
A あなたが、私の隣の席へいらっしたのは、あれはK駅をすぎて
(まもなくでしたね。あなたは、ひとふくろのみかんを、すーつけーすといっしょに)
間もなくでしたね。あなたは、一袋の蜜柑を、スーツケースと一緒に
(さげてこられましたね。そしてそのみかんをわたしにもすすめてくださいましたっけね。)
下げて来られましたね。そしてその蜜柑を私にも勧めてくださいましたっけね。
(・・・・・じつをもうしますとね。わたしは、あなたをへんになれなれしいかただと)
・・・・・実を申しますとね。私は、あなたを変に馴れ馴れしい方だと
(おもわないではいられませんでしたよ。)
思わないではいられませんでしたよ。
(bそうでしょう、わたしはあのひはほんとうにどうかしていましたよ。)
B そうでしょう、私はあの日はほんとうにどうかしていましたよ。
(aそうこうしているうちに、となりのいっとうしゃのほうから、こうふんしたひとたちがどやどやと)
A そうこうしている内に、隣の一等車の方から、興奮した人達がドヤドヤと
(はいってきましたね。そして、そのうちのひとりのきふじんがいっしょにやってきた)
這入って来ましたね。そして、その内の一人の貴婦人が一緒にやってきた
(しゃしょうにあなたのほうをさしてなにかささやきましたね。)
車掌にあなたの方を指して何か囁きましたね。
(bあなたはよくおぼえていらっしゃる、しゃしょうに「ちょっときみ、しっけいですが」)
B あなたはよく覚えていらっしゃる、車掌に「一寸君、失敬ですが」
(といわれたときにはへんなきがしましたよ。よくきいてみると、)
と云われた時には変な気がしましたよ。よく聞いてみると、
(わたしはそのきふじんのだいやのゆびわをすったてんですから、おどろきましたね。)
私はその貴婦人のダイヤの指環を掏ったてんですから、驚きましたね。
(aでも、あなたのたいどはなかなかおりっぱでしたよ。「ばかなことをいっては)
A でも、あなたの態度はなかなかお立派でしたよ。「馬鹿な事を云っては
(いけない。そりゃひとちがいだろう。なんならわたしのしんたいをしらべてみるがいい」)
いけない。そりゃ人違いだろう。何なら私の身体を検べて見るがいい」
(なんて、ちょっとあれだけのおちついたせりふはいえないもんですよ。)
なんて、一寸あれ丈けの落ち着いた台詞は云えないもんですよ。
など
(bおだてるもんじゃありません。)
B おだてるもんじゃありません。
(aしゃしょうなんてものは、ああしたことになれているとみえて、なかなかぬけめなく)
A 車掌なんてものは、ああした事に慣れていると見えて、中々抜目なく
(けんさしましたっけね。きふじんのだんなというおとこも、うるさくあなたのしんたいを)
検査しましたっけね。貴婦人の旦那という男も、うるさくあなたの身体を
(おもちゃにしたじゃありませんか。でも、あんなにげんじゅうにしらべても、)
おもちゃにしたじゃありませんか。でも、あんなに厳重に検べても、
(とうとうしなものはでませんでしたね、みんなのあやまりようたらありませんでした。)
とうとう品物は出ませんでしたね、みんなのあやまり様たらありませんでした。
(ほんとにつうかいでした。)
ほんとに痛快でした。
(bうたがいがはれても、じょうきゃくがみな、みょうなめつけでわたしのほうをみるのにはへいこうしました。)
B 疑いがはれても、乗客が皆、妙な目附で私の方を見るのには閉口しました。
(aしかし、ふしぎですね。とうとうあのゆびわはでてこなかったと)
A 併し、不思議ですね。とうとうあの指環は出てこなかったと
(いうじゃありませんか。どうも、ふしぎですね。)
いうじゃありませんか。どうも、不思議ですね。
(b・・・・・・・・・)
B ・・・・・・・・・・
(a・・・・・・・・・)
A ・・・・・・・・・・
(bはははははは。おい、いいかげんにしらばくれっこはよそうじゃねえか。)
B ハハハハハハ。オイ、いい加減にしらばくれっこは止そうじゃねえか。
(このとおりだれもきいているものはいやしねぇ。いつまでも、)
この通り誰も聞いているものはいやしねぇ。いつまでも、
(さようしからばでもあるまいじゃないか。)
左様然らばでもあるまいじゃないか。