ナルコレプシー

(もうにどとおなじゆめをみれない)

もう二度と同じ夢を見れない

(あたまではりかいしてるつもりでも)

頭では理解してるつもりでも

(こころがそれをゆるしてくれないから)

心がそれを許してくれないから

(いつまでもわかりあうことができない)

いつまでも分かり合うことができない

(はなれてくいしきこえもおきざりにして)

離れてく意識　声も　置き去りにして

(はくちゅうにとぎれとぎれのおとで)

白昼に途切れ途切れの音で

(かたほうがはりきるからいたいんだね)

片方が張り切るから痛いんだね

(あるきつかれてねむるあなたはどうおもう)

歩き疲れて眠るあなたはどう思う？

(だれだってやさしくはありたいんだとおもう)

「誰だって優しくはありたいんだと思う」

(くつをぬいでかみをおろして)

靴を脱いで　髪を下ろして

(そばにいさせてずっとずっと)

側に居させて　ずっと　ずっと

(とまらないなみだでにじみだすけしきはおぼろげ)

止まらない涙で滲みだす景色は朧気

(かきまぜてみてもなにもかわりはしないな)

掻き混ぜてみても　何も変わりはしないな

(あたまでかみくだいてかんじょうをはきだして)

頭で噛み砕いて　感情を吐き出して

(とけきることもなくわたしのなかでうずまく)

溶けきることも無く私の中で渦巻く

(はなれてくいしきこえもいきも)

離れてく意識　声も　息も

(そばにいさせてずっとずっと)

側に居させて　ずっと　ずっと

(おきてまたあるきはじめるまで)

起きてまた歩き始めるまで

(いつもいつまででもこのばしょでまちつづけるよ)

いつもいつまででもこの場所で待ち続けるよ

(くびすじをなぞるあなたのうしろすがたを)

首筋をなぞるあなたの後ろ姿を

(いえないいたみのなかちらばるしかいのなかで)

癒えない痛みの中　散らばる視界の中で

(いろあせることなくなににもそまることなく)

色褪せる事なく　何にも染まることなく

(つながるはずないときめつけてすてたかけらを)

繋がる筈無いと決め付けて捨てた欠片を

(ひろいあつめてひとつのこころにするよ)

拾い集めて一つの心にするよ

(かたちがいびつでもすきまからかぜがぬけても)

形が歪でも隙間から風が抜けても

(それもあじだねなんてわらってくれたらな)

「それも味だね」なんて笑ってくれたらな

(かなしくてうれしくてもうどうしようもないな)

悲しくて嬉しくてもうどうしようもないな

(つかれはててねむるあなたのゆめをみれたら)

疲れ果てて眠るあなたの夢を見れたら

(あたまでごまかしてかんじょうをのみこんで)

頭で誤魔化して　感情を飲み込んで

(きれいなことばだけならべてしまうけれども)

綺麗な言葉だけ並べてしまうけれども

(ふたつでひとつときづくことのできないまま)

二つで一つと気づく事のできないまま

(はりぼてのからだにおさまることないまま)

ハリボテの体に収まる事ないまま

(いつもいつまででもこのばしょでまちつづけるよ)

いつもいつまででもこの場所で待ち続けるよ

(つかれはてねむるふりをして)

疲れ果て眠る振りをして