ベベル

(むくならいうんさんごきげんいかが)

無垢な雷雲さん　ご機嫌いかが

(このこはんでもおかわりないですか)

この湖畔でも　お変わりないですか

(きゅうめいきゅうきゅうのかちょうふうげつが)

救命救急の花鳥風月が

(おもいだしたようにあわててにおいだした)

思い出したように慌てて匂い出した

(ほかのだれかをかりたくちふたりでせめぐひだりみみ)

他の誰かを借りた口　ふたりでせめぐ左耳

(うろもしょうろもいきどまりだれだれだれをせめる)

迂路も捷路も行き止り　誰？　誰？　誰を責める？

(はかれはかれどうらんきればこいぐちはうわのそら)

謀れ謀れ動乱　切れば鯉口は上の空

(かつてのにしびのようにばんばんざいでもえつきたい)

かつての西日のように万々歳で燃え尽きたい

(そうひっきょうもしぼくたちがきょうしゃなら)

そう畢竟もし僕達が強者なら

(もうしんぱいなんてかけらもないのになぁ)

もう心配なんて欠片も無いのになぁ

(むくならいうんさんおかげんいかが)

無垢な雷雲さん　お加減いかが

(このほうふくはばつよりおもいものね)

この報復は　罰より重いものね

(さんぼんばしらからほねをたちきって)

三本柱から骨を断ち切って

(にくをのこしてもわらわれものだわ)

肉を残しても笑われ者だわ

(きめたきそくをねじまげてちてきなそぶりみせたいの)

決めた規則をねじ曲げて　知的なそぶり見せたいの

(ふたつのえいだんがゆれるだれだれだれがさとい)

ふたつの英断が揺れる　誰？　誰？　誰が聡い？

(まわれまわれしゅうだんひとびとはおそれおののいて)

回れ回れ集団　人々は恐れ慄いて

(よしよしたすけましょうかどんでんがえしそりゃないよ)

「よしよし助けましょうか」どんでん返し？そりゃないよ！

(もうぜったいわるものなのはぼくなのに)

もう絶対悪者なのは僕なのに

(そのしょぐうただしくきめてくれ)

その処遇正しく決めてくれ

(ああいまここにきまるきまるこたえがでる)

嗚呼　今ここに　決まる　決まる　答えが出る

(このいやしいぼくにまぬけづらをおがませてよ)

この卑しい僕に　間抜け面を拝ませてよ

(せかいはしょうさんのあらしふたをあけたらひょうしぬけ)

世界は賞賛の嵐　蓋を開けたら拍子抜け

(かつてえいだんだったのにひとしくおちていくよ)

かつて英断だったのに　ひと、しく、堕ちていくよ

(わらえわらえちょうしゅうばかをゆびさしてえつにいれ)

笑え笑え聴衆　馬鹿を指差して悦に入れ

(なんだかんだいってみたってけがないほうがしあわせだ)

なんだかんだ言ってみたって怪我無い方が幸せだ

(そうひっきょうこらいにんげんてやつはそんなもので)

そう畢竟古来人間て奴はそんなもので

(ごじょうをしてしばらしむよのあわれ)

五常をして縛らしむ世の憐れ

(わらえわらえきみもなにもかんがえずにわらえばいい)

笑え笑え君も　何も考えずに笑えばいい

(なんだかんだきゆうにおわったしょうそうかっきさいのめはに)

なんだかんだ杞憂に終わった　少壮活気賽の目は二

(そうひっきょうもしこのぼくがせいぎなら)

そう畢竟もしこの僕が正義なら…

(いやわらわれるこのかていはやめやめ)

いや、笑われる　この仮定はやめ、やめ