len~錬~

(うけつげつれてってくれ)

受け継げ　連れてってくれ

(いれいひへききかえして)

慰霊碑へ　聞き返して

(ゆめくいとひときり)

夢喰いと人斬り

(しのぶるみちに)

忍ぶる道に

(さてとみわたすかぎり)

さてと見渡す限り

(あめふりのけしょう)

雨降りの化粧

(こころねをひとつき)

心根をひとつき

(いうにいちのたち)

云うに一の太刀

(たしかなものなどない)

確かなものなどない

(まよいだすせいどう)

迷いだす青銅

(むいしきかでのらしんばん)

無意識下での羅針盤

(からかうな)

からかうな

(むせるむねとぬれるうでよこしまや)

咽る胸と濡れる腕　邪屋

(そのばにはなにがまつとか)

その場には何が待つとか

(さからえばくるしかろう)

逆らえば　苦しかろう

(きえないようにせかいごと)

消えないように世界ごと

(しでかいそうしなよぼうや)

詩で回想しなよ坊や

(きりはりのいきさきにはせいれいさま)

切り貼りの行き先には精霊様

(あれはてこげつくして)

荒れ果て焦げ付くして

(じゅれいじゅれいおわかれだね)

樹齢　樹齢　お別れだね

(ふかいりのしらさぎたてばみごとに)

深入りの白鷺　立てば見事に

(やみときにどちらまで)

闇　ときにどちらまで？

(つきまとうでしょう)

つきまとうでしょう

(あまどいのくらさにかたまでひたるほどに)

雨どいの暗さに肩まで浸るほどに

(よるをふかしてできあがるけっしょうよ)

夜を更かして出来上がる結晶よ

(まいよきぃきぃなくしゃりんは)

毎夜キィキィ鳴く　車輪は

(そこまでねぇのぞかせてよ)

底までねぇ覗かせてよ

(つまさきからうなじへ)

爪先からうなじへ

(ふゆをたえてこそのはると)

冬を耐えてこその春と

(とむらいごうのなぎなた)

弔い業の薙刀

(ばくのほうびひゃくどのちに)

獏の褒美　百度の地に

(ひびのびりゅうしをあつめ)

日々の微粒子を集め

(みせてくれ)

見せてくれ

(きさまのかくりそうとやら)

貴様の描く理想とやら

(なごりおしいとなきなさい)

名残惜しいと泣きなさい

(さくらんのやしゃをかい)

錯乱の夜叉を飼い

(すりかえられたきおくなら)

掏り替えられた記憶なら

(つけたしようもないから)

付け足しようもないから

(つたのねのようにはうあせ)

蔦の根のように這う汗

(まるでむしずのはしり)

まるで虫唾の走り

(かなしいかいかなしいよね)

悲しいかい　悲しいよね

(もうさいごよ)

もう最後よ

(いつかまたここに)

いつかまたここに

(あのときのきみのめろでぃー)

あの時の君のメロディー

(まぶたうらがわにとうげんきょうのとうえいほう)

瞼裏側に桃源郷の投影法

(こころおだやかにかんげきごのむなさわぎ)

心穏やかに観劇後の胸騒ぎ

(そらはわらわない)

天は笑わない

(みずはただやわらかい)

水はただ柔らかい

(ひとのうちがわにゆめがにぎわう)

人の内側に夢が賑わう