【十二国記】月の影 影の海

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プレイ回数932難易度(4.5) 3061打 長文
「十二国記」月の影 影の海より名文・名台詞を抜粋
「月の影 影の海」から印象的な台詞や文章を抜粋しました。
全66問よりランダムで10問が出題されます。
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 akm 5260 5.4 96.7% 94.1 512 17 10 2024/10/25

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問題文

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(しっこくのやみ、だった)

漆黒の闇、だった

(ごぜんをはなれずちゅうせいをちかうとせいやくする)

ゴゼンヲハナレズチュウセイヲチカウトセイヤクスル

(いのちがおしくないのですか。ゆるす、とおっしゃい)

命が惜しくないのですか。許す、と仰い

(ゆるす・・・・・・)

許す・・・・・・

(わたしにはけんをふるうしゅみはない)

私には剣を振るう趣味はない

(こういうばあい、あなたがそれでたすけてくれるんじゃないの!?)

こういう場合、あなたがそれで助けてくれるんじゃないの!?

(わたしとしてもこんなしゅじんはねがいさげだが、こればかりはわたしのいのままにならない)

私としてもこんな主人は願い下げだが、こればかりは私の意のままにならない

(けっしてすがたをあらわさず、ないものとしてふるまえ)

決して姿を現さず、ないものとして振る舞え

(いたみなら、いっしゅんでおわったのになぁ)

痛みなら、一瞬で終わったのにナァ

(いたみなら、いっしゅんですむ)

痛みなら、一瞬で済む

(ひとはみうちにうみをいだいている。それがいま、はげしいいきおいでさかまいているのがわかる)

人は身内に海を抱いている。それがいま、激しい勢いで逆巻いているのが分かる

(このせかいにはようこのみかたなどいないのだ)

この世界には陽子の味方などいないのだ

(しにたくないのでは、きっとない。いきたいわけでもたぶんない)

死にたくないのでは、きっとない。生きたいわけでも多分ない

(もう、どうでもいいことだ。じきにぜんぶがおわるのだから)

もう、どうでもいいことだ。じきに全部が終わるのだから

(したばたらきかなにかだとかんちがいしてるなら、そりゃあのこがばかなのさ)

下働きか何かだと勘違いしてるなら、そりゃあの子が莫迦なのさ

(にほんごじゃ・・・・・・)

日本語じゃ・・・・・・

(いかりはようこのなかにあれたうみのげんえいをよびおこす)

怒りは陽子の中に荒れた海の幻影を呼び起こす

(にどとひとをしんじるなという、これはそのいましめなのだ)

二度と人を信じるなという、これはその戒めなのだ

(かえる。かならずあのなつかしいばしょにかえる)

帰る。必ずあの懐かしい場所に帰る

(いたみはなく、ただしょうげきがあった)

痛みはなく、ただ衝撃があった

など

(くちのなかにふくんだあめはしみるほどあまかった)

口の中に含んだ飴は滲みるほど甘かった

(こんなところでしぬのか)

こんなところで死ぬのか

(くらすめいとのなかでも、のたれじにするのはようこだけだろう)

クラスメイトの中でも、野垂れ死にするのは陽子だけだろう

(ようこのものはなにひとつなく、ひとはようこをりかいしない)

陽子のものは何一つなく、人は陽子を理解しない

(ようこはぼんやりとそのふしぎなねずみをながめていた)

陽子はぼんやりとその不思議なネズミを眺めていた

(くらくのらくに、しゅんびんのしゅん)

苦楽の楽に、俊敏の俊

(しっぽがありゃあ、それでいいのかい)

尻尾がありゃあ、それでいいのかい

(わたしはらくしゅんをしんじてないから、うらぎりようがない)

わたしは楽俊を信じてないから、裏切りようがない

(しけんなんてのはべんきょうすればうかるし、かねなんてのはかせげばたまる)

試験なんてのは勉強すれば受かるし、金なんてのは稼げば貯まる

(わたしは、まちがいなくようまだ。だから、てきにであって、これほどうれしい)

わたしは、間違いなく妖魔だ。だから、敵に出会って、これほど嬉しい

(かけもどってらくしゅんにとどめをさす)

駆け戻って楽俊に止めを刺す

(うらぎられてもいいんだ)

裏切られてもいいんだ

(うらぎったあいてがひきょうになるだけで、わたしのなにがきずつくわけでもない)

裏切った相手が卑怯になるだけで、わたしの何が傷つくわけでもない

(おいつめられてだれもしんせつにしてくれないから、だからひとをきょぜつしていいのか)

追い詰められて誰も親切にしてくれないから、だから人を拒絶していいのか

(せかいもたにんもかんけいがない。むねをはっていきることができるように、つよくなりたい)

世界も他人も関係がない。胸を張って生きることができるように、強くなりたい

(けいきがおまえをあるじというなら、おまえはけいおうだ)

景麒がお前を主と言うなら、お前は景王だ

(わたしとらくしゅんのあいだにはたかだかにほのきょりしかないじゃないか)

わたしと楽俊の間にはたかだか二歩の距離しかないじゃないか

(おいらにはさんぽだ)

おいらには三歩だ

(はいちゃのけがわにかおをうずめる。そうぞうどおり、ひどくやわらかいかんしょくがした)

灰茶の毛皮に顔を埋める。想像通り、ひどく柔らかい感触がした

(おまえ、もうちょっとつつしみをもったほうがいいぞ)

お前、もうちょっと慎みを持ったほうがいいぞ

(ゆうかくがあったりするのだから、まあ、そういうことなのだろう)

遊郭があったりするのだから、まあ、そういうことなのだろう

(みずをしてけんをなさしめ、さるをしてさやをなさしめ、よってすいぐうとうというそうだ)

水をして剣を成さしめ、禺をして鞘を成さしめ、よって水禺刀というそうだ

(しょうごうでいうならおれはえんおうだ。えんしゅうこくおう、えん)

称号でいうなら俺は延王だ。雁州国王、延

(うんかいのみずがおちたらみんなこまるじゃないか)

雲海の水が落ちたらみんな困るじゃないか

(ただのけものならしゃべるかい。はんじゅうだといっただろうが)

ただの獣なら喋るかい。半獣だと言っただろうが

(どうしていつもにんげんけいでいないわけ)

どうしていつも人間形でいないわけ

(らくしゅん、そんなものぬいでもかまわんぞ)

楽俊、そんなもの脱いでも構わんぞ

(へえ。あんたもついによめさんをもらうきになったか)

へえ。あんたもついに嫁さんを貰う気になったか

(しれものが。きりんにひとをおそわせたな)

痴れ者が。麒麟に人を襲わせたな

(あなたはずっとひとりではなかった、わたしはぜんぶをしっています)

あなたはずっと独りではなかった、わたしは全部を知っています

(きりんてのはあわれないきものさ。おうのためにうまれてきて、おやもなければきょうだいもない)

麒麟てのは哀れな生き物さ。王のために生まれてきて、親もなければ兄弟もない

(ひとはおろかだ。くるしければ、なお、おろかになる)

人は愚かだ。苦しければ、なお、愚かになる

(あちらではこどもはおんなのはらからうまれるのだぞ)

あちらでは子供は女の腹から生まれるのだぞ

(じぶんをひげしてまんぞくしてるんじゃない。わたしはほんとうにおろかだった)

自分を卑下して満足してるんじゃない。わたしは本当に愚かだった

(ましなにんげんになりたいんだったら、ぎょくざについて、ましなおうになれ)

ましな人間になりたいんだったら、玉座に就いて、ましな王になれ

(ふりむくなよ。いまちょっとさわりがあるからな)

振り向くなよ。いまちょっと障りがあるからな

(どっちをえらんでいいかわからないときは、じぶんがやるべきほうをえらんでおくんだ)

どっちを選んでいいか分からないときは、自分がやるべきほうを選んでおくんだ

(おいらはようこがどんなくにをつくるのかみてみたい)

おいらは陽子がどんな国を造るのか見てみたい

(おうなどていのいいげなんのようなものだが、それをたみにけどられるな)

王など体のいい下男のようなものだが、それを民に気取られるな

(きりんがえらんだのだから、もんくがあればきりんにいえ)

麒麟が選んだのだから、文句があれば麒麟に言え

(そうかんたんにしにはしないとおもう。わたしはおうじょうぎわがわるいから)

そう簡単に死にはしないと思う。わたしは往生際が悪いから

(かがみこんでてをのばしてもにげない。きんのたてがみをなでるとめをとじた)

屈み込んで手を伸ばしても逃げない。金の鬣を撫でると眼を閉じた

(はだかでごぜんには、まかりかねる)

裸で御前には、まかりかねる

(ごぜんをはなれず、しょうめいにそむかず、ちゅうせいをちかうと、せいやくもうしあげる)

御前を離れず、詔命に背かず、忠誠を誓うと、誓約申し上げる

(ゆるす)

許す

(これがようこにとっての、ものがたりのはじまりである)

これが陽子にとっての、物語の始まりである

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