アイアムサム

(ちょうどそのばにいあわせていたじどうそうだんきょくいんのつうほうで、るーしーはさむから)

丁度その場に居合わせていた児童相談局員の通報で、ルーシーはサムから

(ひきはなされてしまった。さむはるーしーをそだてるだけののうりょくがないと)

引き離されてしまった。サムはルーシーを育てるだけの能力がないと

(はんだんされてしまったのだ。さむはゆうじんたちのあどばいすをうけ)

判断されてしまったのだ。サムは友人たちのアドバイスを受け

(べんごしのりた・はりすんをたずねる。りたははじめ、べんごりょうをはらえないさむを)

弁護士のリタ・ハリスンを訪ねる。リタは初め、弁護料を払えないサムを

(あいてにしていなかったが、どうりょうへのみえからむしょうでべんごをひきうけた。)

相手にしていなかったが、同僚への見栄から無償で弁護を引き受けた。

(よういくけんをあらそうさいばんがはじまったが、さむがわにはまともなしょうげんをできるじんぶつがいない)

養育権を争う裁判が始まったが、サム側にはまともな証言をできる人物がいない

(さらにさむじしんも、さいばんちゅうにふりになりそうなはつげんやしんこうをむししたこうどうを)

さらにサム自身も、裁判中に不利になりそうな発言や進行を無視した行動を

(とるため、りたはあたまをなやませていた。)

とる為、リタは頭を悩ませていた。

(あるひのめんかいご、るーしーはさむにもうそをついてふたりでしせつをにげだした。)

ある日の面会後、ルーシーはサムにも嘘をついて2人で施設を逃げ出した。

(けっきょくみつかってしまい、さむはじどうそうだんきょくだけでなくりたにもこっぴどく)

結局見つかってしまい、サムは児童相談局だけでなくリタにもこっぴどく

(しかられる。)

叱られる。

(あるばいとさきのてんちょうやあにーがしょうにんとしてきてくれた。)

アルバイト先の店長やアニーが証人として来てくれた。

(あにーはたーなーけんじのついきゅうをろんりてきにいいくるめるが、ちちおやとのかんけいをしてき)

アニーはターナー検事の追及を論理的に言いくるめるが、父親との関係を指摘

(され、ふかくきずついてしまった。)

され、深く傷ついてしまった。

(あしたはさむがしょうげんだいにたつ。りたはれんしゅうのためさむをじたくにつれてくる。)

明日はサムが証言台に立つ。リタは練習のためサムを自宅に連れてくる。

(そこにはむすこのうぃりーが、ちちおやもこもりもいないいえにひとりですわっていた。)

そこには息子のウィリーが、父親も子守もいない家に一人で座っていた。

(りたはおっとをでんわでせめるが、うぃりーはたぼうなははおやにこころをとざしてしまっていた)

リタは夫を電話で責めるが、ウィリーは多忙な母親に心を閉ざしてしまっていた

(れいてつなようにみえたりたも、むすこのことでおもいなやんでいたのだ。)

冷徹なように見えたリタも、息子のことで思い悩んでいたのだ。

(しょうげんとうじつ、さむはあるばいとさきでどりんくづくりをまかされ、すーつをよごしたうえ)

証言当日、サムはアルバイト先でドリンク作りを任され、スーツを汚した上

(ちこくしてしまう。たーなーけんじはそんなさむのよわいぶぶんをつぎつぎとせめたてる。)

遅刻してしまう。ターナー検事はそんなサムの弱い部分を次々と責め立てる。

(さむはこんらんし、じぶんがちちおやにふさわしくないともとれるはつげんをしてしまう。)

サムは混乱し、自分が父親にふさわしくないともとれる発言をしてしまう。

(けっきょくさむはさいばんにまけ、るーしーとひきはなされてしまった。)

結局サムは裁判に負け、ルーシーと引き離されてしまった。

(るーしーはらんでぃ・かーぺんたーのいえにさとごにだされ、さむはかずすくない)

ルーシーはランディ・カーペンターの家に里子に出され、サムは数少ない

(めんかいびにしかあうことをゆるされなかった。たんじょうび、るーしーはぱぱとあうのを)

面会日にしか会うことを許されなかった。誕生日、ルーシーはパパと会うのを

(たのしみに、ぷれぜんともあけずにまっていた。)

楽しみに、プレゼントも開けずに待っていた。

(しかしさむはいえのちかくまできたものの、るーしーとらんでぃのすがたをみて)

しかしサムは家の近くまで来たものの、ルーシーとランディの姿を見て

(こえもかけずにかえってしまった。それいらいさむはじぶんのからにとじこもり)

声もかけずに帰ってしまった。それ以来サムは自分の殻に閉じこもり

(るーしーもちちおやがあいにきてくれなかったかなしみから、さとおやのらんでぃにたいし)

ルーシーも父親が会いに来てくれなかった悲しみから、里親のランディに対し

(たいどをやわらげるようになる。)

態度を和らげるようになる。

(さむはしんさのひにもでてこなかった。おこったりたがたずねると、)

サムは審査の日にも出てこなかった。怒ったリタが訪ねると、

(さむはおりがみでできたかべにじぶんをとじこめていた。)

サムは折り紙でできた壁に自分を閉じ込めていた。

(りたはなやんでいるのはさむだけではないとこころのうちをぶちまけた。)

リタは悩んでいるのはサムだけではないと心の内をぶちまけた。

(りたのおっとはべつのじょせいとふりんし、りたのもとをさっていた。)

リタの夫は別の女性と不倫し、リタの元を去っていた。

(さむはふたたびるーしーにあいにいく。るーしーはひどくおこっていたが、)

サムは再びルーシーに会いに行く。ルーシーはひどく怒っていたが、

(さむのこころからのしゃざいをうけいれた。さむがわはしんさでいくじさぽーとたいせいきょうかを)

サムの心からの謝罪を受け入れた。サム側は審査で育児サポート体制強化を

(しゅちょうしたが、さとおやのらんでぃはるーしーのようしうけいれをつよくのぞんでいた。)

主張したが、里親のランディはルーシーの養子受け入れを強く望んでいた。

(よういくけんをかちとるのはぜつぼうてきだった。りたもよういくけんをあきらめいまよりもめんかいを)

養育権を勝ち取るのは絶望的だった。リタも養育権を諦め今よりも面会を

(おおくするほうこうへのほうしんてんかんをていあんする。)

多くする方向への方針転換を提案する。

(さむはらんでぃのいえのちかくにこし、ぴざやのばいとといぬのさんぽのばいとを)

サムはランディの家の近くに超し、ピザ屋のバイトと犬の散歩のバイトを

(はじめた。このことにらんでぃはいやなかおをしたが、あまりにるーしーが)

始めた。このことにランディは嫌な顔をしたが、あまりにルーシーが

(よろこぶのでつよくいえなくなる。)

喜ぶので強く言えなくなる。

(るーしーはよなかにこっそりいえをぬけだすようになった。なにかしらようじをこじつけ)

ルーシーは夜中にこっそり家を抜け出すようになった。何かしら用事をこじつけ

(さむのあぱーとまでまいばんのようにやってくるのだ。)

サムのアパートまで毎晩のようにやって来るのだ。

(さむはそのたびにるーしーをらんでぃのもとにつれてかえった。)

サムはその度にルーシーをランディの元に連れて帰った。

(おはなしをよんでこうぶつのあいほっぷのまふぃんをあげればねむれるはずだと)

お話を読んで好物のアイホップのマフィンをあげれば眠れるはずだと

(あどばいすまでした。)

アドバイスまでした。

(あるひらんでぃはまふぃんをよういして、こっそりでていこうとするるーしーを)

ある日ランディはマフィンを用意して、こっそり出て行こうとするルーシーを

(まちかまえていた。らんでぃは「だまってでてゆかなければすきなときにさむに)

待ち構えていた。ランディは「黙って出て行かなければ好きな時にサムに

(あわせる」とまでいったが、るーしーはまふぃんだけをもって)

会わせる」とまで言ったが、ルーシーはマフィンだけを持って

(へやにもどってしまった。らんでぃはこれにしょっくをうける。)

部屋に戻ってしまった。ランディはこれにショックを受ける。

(りたがうぃりーをつれてさむのもとをおとずれる。りたはおっととのことをふりかえり)

リタがウィリーを連れてサムの元を訪れる。リタは夫との事を振り返り

(うぃりーとのなかもかいぜんしていた。りたはさむにすくわれたとうちあけるのだった)

ウィリーとの仲も改善していた。リタはサムに救われたと打ち明けるのだった

(いよいよはんけつのぜんや。らんでぃがさむのいえにねむるるーしーをつれてきた)

いよいよ判決の前夜。ランディがサムの家に眠るルーシーを連れてきた

(がいしゅつちゅうにねむってしまったが、きっとめざめればまたさむのもとにくるだろうから)

外出中に眠ってしまったが、きっと目覚めればまたサムの元に来るだろうから

(といって。らんでぃはるーしーをあいし、かのじょをせいしきにむかえるのを)

と言って。ランディはルーシーを愛し、彼女を正式に迎えるのを

(たのしみにしていた。しかしるーしーがいかにさむのことをあいしているかを)

楽しみにしていた。しかしルーシーがいかにサムの事を愛しているかを

(おもいしらされたのだ。らんでぃはあしたのさいばんで、よういくけんをさむにゆずろうと)

思い知らされたのだ。ランディは明日の裁判で、養育権をサムに譲ろうと

(きめていた。それをきいたさむは、るーしーにとってらんでぃもひつような)

決めていた。それを聞いたサムは、ルーシーにとってランディも必要な

(そんざいなのだということをかたる。らんでぃはそれをききほほえんだ。)

存在なのだということを語る。ランディはそれを聞き微笑んだ。

(さむとるーしーはまたいっしょにくらせるようになった。りたおやこやらんでぃふさい)

サムとルーシーはまた一緒に暮らせるようになった。リタ親子やランディ夫妻

(もかれらのそばで。)

も彼らのそばで。

(ふたりのしあわせそうなすがたをみまもるのだった。)

2人の幸せそうな姿を見守るのだった。