眠れる森の蝶

(しっこくのやみにとけてしまわぬように)

漆黒の闇に解けてしまわぬように

(りんかくをなぞってみる)

輪郭をなぞってみる

(たったいまここにつかみかけたあまさも)

たった今ここに掴みかけた甘さも

(ぬけがらにかわってゆく)

抜け殻に変わってゆく

(どれだけのことばもどれだけのじかんも)

どれだけの言葉も　どれだけの時間も

(ふたりをすくえるものはない)

ふたりを救えるものはない

(あなたはしってたのそしてめざめてくの)

あなたは知ってたの　そして目覚めてくの

(きおくをおきざりにして)

記憶を置き去りにして

(もしもこれがゆめだというのなら)

もしもこれが夢だと云うのなら

(ねむれるもりのちょうになる)

眠れる森の蝶になる

(あなたのあみにとらえられたまま)

あなたの網に捕らえられたまま

(えいえんにとべなくていい)

永遠に翔べなくていい

(どうかおとぎばなしをさまさないで)

どうかおとぎ話を醒まさないで

(まっさらなうそによいしれてしまえたら)

まっさらな嘘に酔いしれてしまえたら

(もうどくもみつになるわ)

猛毒も密になるわ

(たったいまほほをつたわってくなみだも)

たった今頬を伝わってく涙も

(ふたりのあめにまぎれる)

ふたりの雨にまぎれる

(うつくしいものよりこわれかけたものに)

美しいものより　壊れかけたものに

(しんじつをかんじるのはなぜ？)

真実を感じるのは何故？

(あなたはしってたのだからここへきたの)

あなたは知ってたの　だからここへ来たの

(げんじつにかぎをかけて)

現実に鍵をかけて

(わたしにはもうかえるみちがない)

私にはもう帰る道がない

(たとえあさがおとずれても)

たとえ朝が訪れても

(このもりにこころをおとしたまま)

この森に心を落としたまま

(えいえんにまちこがれてる)

永遠に待ち焦がれてる

(あなたにすべてをあやめられるひを)

あなたにすべてをあやめられる日を

(どれだけのことばもどれだけのじかんも)

どれだけの言葉も　どれだけの時間も

(ふたりをすくえるものはない)

ふたりを救えるものはない

(あなたはしってたのそしてめざめてくの)

あなたは知ってたの　そして目覚めてくの

(きおくをおきざりにして)

記憶を置き去りにして

(もしもこれがゆめだというのなら)

もしもこれが夢だと云うのなら

(ねむれるもりのちょうになる)

眠れる森の蝶になる

(あなたのあみにとらえられたまま)

あなたの網に捕らえられたまま

(えいえんにとべなくていい)

永遠に翔べなくていい

(どうかおとぎばなしをさまさないで)

どうかおとぎ話を醒まさないで