赤い花

(ひとりきりすくいあげる)

ひとりきり すくいあげる

(ゆびのあいだこぼれてゆくひび)

指のあいだ こぼれてゆく日々

(あのひとがのこしたのは)

あのひとが 残したのは

(ひかりさえものみこむさばくよ)

光さえも 呑み込む砂漠よ

(あぁこころはなきさけぶけれど)

あぁ 心は泣き叫ぶけれど

(こんなかわいたせかいじゃどんなこえもひびかない)

こんな乾いた世界じゃ どんな声も響かない

(かぜよおねがいさらわないで)

風よ お願い さらわないで

(にどとありかをさがせぬようにふかくうめるから)

二度と在り処を探せぬように 深く埋めるから

(くちるまでおもいねむらせて)

朽ちるまで 思い 眠らせて

(さいごのなみだをあげましょうにどとさかないはなのために)

最後の涙をあげましょう 二度と咲かない花のために

(あかいそのいろがとけるまでせめてみとどけさせて)

赤いその色が 溶けるまで せめて 見届けさせて

(めぐりあうぐうぜんは)

めぐりあう偶然は

(やさしさにもないふにもかわる)

優しさにも ナイフにも変わる

(たえられぬいたみでも)

耐えられぬ いたみでも

(どうしてなのおいかけてしまう)

どうしてなの 追いかけてしまう

(ねぇあたしをいっそきりさいて)

ねぇ あたしをいっそ切り裂いて

(なにもかんじないほどのきずをつけてさっていってよ)

何も感じないほどの 傷をつけて去っていってよ

(いまはおねがいおしえないですべてをすてていけるわけを)

今は お願い おしえないで すべてを捨てて行ける理由を

(とおいかがやいたあいまでもうそといわないで)

遠い輝いた 愛までも 嘘と 言わないで

(さいごのなみだがおちたならにどとあなたがみえないように)

最後の涙が落ちたなら 二度とあなたが見えないように

(あるきつづけるのどこまでもさびたけしきのなかを)

歩き続けるの どこまでも 錆びた 景色の中を

(かぜよおねがいさらわないで)

風よ お願い さらわないで

(にどとありかをさがせぬようにふかくうめるから)

二度と在り処を捜せぬように 深く埋めるから

(くちるまでおもいねむらせて)

朽ちるまで 思い 眠らせて

(さいごのなみだをあげましょうにどとさかないはなのために)

最後の涙をあげましょう 二度と咲かない花のために

(あかいそのいろがとけるまでせめてみまもりたいと)

赤いその色が 溶けるまで せめて 見守りたいと...