それでも僕ら書いてしまうのさ

(きれいなことばでかざったうたならばいくらでもあって)

綺麗な言葉で飾った　歌ならばいくらでもあって

(そのへんにきづいたあたりでこうよごれたきがした)

その辺に気づいたあたりでこう　汚れた気がした

(ゆるくしめたねくたいをかばんにざつにねじりつめて)

ゆるく締めたネクタイを　カバンに雑に捻り詰めて

(きこえはじめたあたらしいめろでぃなんどもつぶやく)

聞こえはじめた新しいメロディ　何度も呟く

(まんいんのでんしゃでみつけたふれーずの)

満員の電車で　見つけたフレーズの

(ひとりよがりなしがそのむねをうつなら)

独りよがりな詩が　その胸を打つなら

(こわれたすぴーかーがたれながすきたないうた)

壊れたスピーカーが　垂れ流す汚い歌

(なさけないこえでよければうたってやるよいくらでも)

情けない声でよければ　歌ってやるよ　いくらでも

(さびついたげんをはったへたくそなぎたーをてがかりに)

錆付いた弦を張った　へたくそなギターを手がかりに

(よるのしずけさやぶらぬていどではかないよをうれう)

夜の静けさ破らぬ程度で　儚い世を憂う

(やすいまいくむけてたたきつけたしょうどうは)

安いマイク向けて　叩き付けた衝動は

(なけなしのひきだしからにしたうちがわ)

なけなしの引き出し　空にした内側

(こわれたすぴーかーがつむぎだすみにくいうた)

壊れたスピーカーが　紡ぎだす醜い歌

(なさけないこえでよければうたってやるよいくらでも)

情けない声でよければ　歌ってやるよ　いくらでも

(ほかのやりかたじゃわすれていくから)

他のやり方じゃ　忘れていくから

(いかりとかなげきとかかきとめきれない)

怒りとか　嘆きとか　書き留めきれない

(ちいさなへやをみたすちいさなこのさけびを)

小さな部屋を満たす　小さなこの叫びを

(かすかにくちずさんではあしたのあさやけをよぶ)

微かに口ずさんでは　明日の朝焼けを呼ぶ

(こわれたすぴーかーがうたいつなぐぼくのうたを)

壊れたスピーカーが　歌い繋ぐ僕の歌を

(なさけないこえでよければうたってやるよいくらでも)

情けない声でよければ　歌ってやるよ　いくらでも

(きれいなうたにあこがれはしりつづけたころをすぎて)

綺麗な歌に憧れ　走り続けた頃を過ぎて

(じぶんのうたをよこめにふときづくそんなときがあった)

自分の歌を横目にふと気づく　そんな時があった