アッシュ/十五少女

(とけるほどにゆだっていたがらんどうなずじょうあお)

溶けるほどに茹だっていた　伽藍堂な頭上、青

(ゆらゆらぐしかいのすみくもをさがしていた)

ゆら　揺らぐ視界の隅　雲を探していた

(いつかはいいろにそまってったこころでつまんないなって)

いつか　灰色に染まってった心で「つまんないな」って

(はきすてるだけきみをえがくだけ)

吐き捨てるだけ　君を描くだけ

(きっとふれられないままあせてくんだって)

きっと　触れられないまま褪せてくんだって

(じゃあせめてわらってくれいまさらおそすぎるなんていえよ)

じゃあせめて笑ってくれ　今更遅すぎるなんて　言えよ

(さよならきみだけのなみだもきたいのこえもずっと)

さよなら　君だけの涙も　期待の声もずっと

(それができたらくろうはないよなってまたすがってるだけ)

それが出来たら苦労はないよなって　また縋ってるだけ

(さいていなよるだっていつかはあけるからさ)

最低な夜だって　いつかは明けるからさ

(なんていえないぼくじゃいえないから)

なんて言えない　僕じゃ言えないから

(ああきみはどうかうたっていて)

嗚呼　君はどうか歌っていて

(だれひとりいなくなってがらんどうなこころだけ)

誰一人いなくなって　伽藍堂な心だけ

(ゆらゆらぐしかいのすみおもいでにすいていく)

ゆら　揺らぐ視界の隅　思い出に透いていく

(うばってさいてまただきあってそんなもんさ)

奪って　裂いて　また抱き合って　そんなもんさ

(しょうもないなってわらいとばしてただうたをきかせて)

「しょうもないな」って　笑い飛ばしてただ　唄を聴かせて

(そっとうかんでいくあいのやみをさくひかりをせにした)

そっと　浮かんでいく　藍の闇を裂く光を背にした

(ことばだってでないようで)

言葉だって　出ないようで

(さよならぼくだけのことばもきぼうもあいもずっと)

さよなら　僕だけの言葉も　希望も愛もずっと

(いろをなくしてみえなくなっていくただわらってたいのに)

色を失くして　見えなくなっていく　ただ笑ってたいのに

(ひびくあのきてきもつきあかりのそらもぜんぶぜんぶただのはいけいなら)

響くあの汽笛も　月明かりの空も　全部全部ただの背景なら

(ああきみがとおくにじんでいく)

嗚呼　君が遠く滲んでいく

(おとなになったらいまがおわったらわすれていくのだろうかねえ)

大人になったら　今が終わったら　忘れて往くのだろうか　ねえ

(あおすぎるそらがむねをつぶすからいたみさええがいてのこしていけ)

青過ぎる空が胸を潰すから　痛みさえ描いて残して往け

(わからないことばかりであすにきたいもなくて)

分からないことばかりで　明日に期待もなくて

(ここにないものばかりえがいてるだけただすがってるだけ)

ここに無いものばかり描いてるだけ　ただ　縋ってるだけ

(うたをうたうひかりもふるえるゆびさきもずっとずっとそまってくから)

歌を歌う光も震える指先も　ずっとずっと染まってくから

(さよならきみだけのなみだもきたいのこえもずっと)

さよなら　君だけの涙も　期待の声もずっと

(できないからここにいるんだってまだすがってたいだけ)

出来ないからここにいるんだって　まだ縋ってたいだけ

(さいていなよるだっていつかはあけるからさ)

最低な夜だって　いつかは明けるからさ

(なんていえないぼくにじゃあねってああきみがとおくしんでいく)

なんて言えない僕に「じゃあね」って　嗚呼　君が遠く滲んでいく

(ああきみはどうかうたっていて)

嗚呼　君はどうか歌っていて………