なぜ

(すぎさったひびばかりが)

過ぎ去った日々ばかりが

(うつくしいのはなぜ)

美しいのはなぜ

(てばなしたにくしみが)

手放した憎しみが

(なごりおしいのはなぜ)

名残惜しいのはなぜ

(あなたをいとおしいとおもえばおもうほど)

あなたを愛おしいと思えば思うほど

(じぶんがみにくくなるのはなぜ)

自分が醜くなるのはなぜ

(やんでるきみはめんどくさい)

病んでる君はめんどくさい

(そんなこというもんすたーに)

そんなこと言うモンスターに

(すかれるひつようなんてないのに)

好かれる必要なんてないのに

(いつのまにかまるみをおびた)

いつの間にか丸みを帯びた

(のうみそのていいちがさだまらない)

脳味噌の定位置が定まらない

(にげだしたいとねがってたどりついた)

逃げ出したいと願って辿り着いた

(きづけばあたまがからっぽだ)

気づけば頭が空っぽだ

(いきることにしがみついて)

生きることにしがみついて

(いったいなにをわすれたんだろう)

一体何を忘れたんだろう

(あいもぬくもりもいらだつのはなぜ)

愛も温もりも苛立つのはなぜ

(むくわれやしないのに)

報われやしないのに

(すくうがわなのはなぜ)

救う側なのはなぜ

(あなたをあいするゆうきがないのに)

あなたを愛する勇気がないのに

(あなたにふれたいとおもうのはなぜ)

あなたに触れたいと思うのはなぜ

(かなしいなんてくちにだしたら)

悲しいなんて口に出したら

(あまえだろなんていわれて)

甘えだろなんて言われて

(なめられるのはへっちゃらなのさ)

舐められるのはへっちゃらなのさ

(だからみはなすのはやめてくれ)

だから見放すのはやめてくれ

(さんざんきりすてたくせにさ)

散々切り捨てたくせにさ

(そうやってできたこのばしょだ)

そうやってできたこの場所だ

(もうよわねははけないぜ)

もう弱音は吐けないぜ

(ゆきげしょうももみじのいろも)

雪化粧も紅葉の色も

(なつのにおいもさくらのかずも)

夏の匂いも桜の数も

(なにひとつおもいだせないのはなぜ)

何一つ思い出せないのはなぜ

(どこにだっていけるのに)

どこにだって行けるのに

(どこにもいけないのはなぜ)

どこにもいけないのはなぜ

(はらのそこからこみあげるおそれが)

腹の底から込み上げる恐れが

(おさえられないのはなぜ)

抑えられないのはなぜ

(そうだにげよう)

そうだ逃げよう

(ぜんぶすてよう)

全部捨てよう

(ちいもめいよもただのごみくずだ)

地位も名誉もただのゴミ屑だ

(かいとうをどうぞ)

回答をどうぞ

(なにがあいだよ)

何が愛だよ

(おもいどおりがいいくせに)

思い通りが良いくせに

(ほごしゃづらするんじゃねえよ)

保護者面するんじゃねえよ

(ぜんぶてきだ)

全部敵だ

(ぜんぶすてよう)

全部捨てよう

(でもあなたがじゃまをするのはなぜ)

でもあなたが邪魔をするのはなぜ