悪魔の踊り方

(かんじょうなんてもんはどうしてもむだだってあくまはいった)

感情なんてもんはどうしても無駄だって悪魔は言った

(なにもかもすてちまえよ)

「何もかも捨てちまえよ」

(ああかいふかいもきどあいらくさえも)

嗚呼、快不快も、喜怒哀楽さえも！

(どうしようもないじじつひとはしゅうえんからのがれられない)

どうしようもない事実、ヒトは終焉から逃れられない

(だれもあらがえないよくぼうにしたがえ)

「誰も抗えない欲望に従え」

(しこうをやすめるなのうみそをまわせ)

思考を休めるな脳ミソを回せ

(だれもおまえのことなどみちゃいないさ)

「誰もお前のことなど見ちゃいないさ」

(おかしくなってしまうことをどうしてはじる)

おかしくなってしまうことをどうして恥じる？

(おまえらにかんぺきでまちがったおどりかたをおしえてやるから)

お前らに完璧で間違った踊り方を教えてやるから

(いっせーのですてちまえそんないのちならば)

いっせーので捨てちまえ、そんな命ならば

(なんじゅうなんびゃくなんぜんなんまんかいがくしゅうしなさいな)

何十何百何千何万回学習しなさいな

(どうしたってさからっぽのずがいこつだろ)

どうしたってさ、空っぽの頭蓋骨だろ

(わかっているのかい)

わかっているのかい？

(かんじょうなんていつなんどきでもじゃまだってあくまはいった)

感情なんていつ何時でも邪魔だって悪魔は言った

(はんろんのよちなどない)

「反論の余地などない」

(ああじんせいにいみをあたえておくれ)

嗚呼、人生に意味を与えておくれ！

(４２０でさえもすくえないしゅうえんがあるとしった)

４２０でさえも救えない終焉があると知った

(だれもうたがわないかみさまをうたがえ)

「誰も疑わない神様を疑え」

(しこうをやすめるなのうみそをまわせ)

思考を休めるな脳ミソを回せ

(だれもおまえのことなどみちゃいないさ)

「誰もお前のことなど見ちゃいないさ」

(ためらっているすうびょうのむえきさをしれ)

躊躇っている数秒の無益さを知れ

(おまえらにかんぺきでまちがったおどりかたをおしえてやるから)

お前らに完璧で間違った踊り方を教えてやるから

(いっせーのですてちまえそんないのちならば)

いっせーので捨てちまえ、そんな命ならば

(なんじゅうなんびゃくなんぜんなんまんかいがくしゅうしなさいな)

何十何百何千何万回学習しなさいな

(どうしたってさあたまんなかからっぽなこと)

どうしたってさ、頭ん中空っぽなこと

(わかっていないようだ)

わかっていないようだ

(しょうにんよくにれいぷされしんだはなをぶらさげているおんな)

承認欲にレイプされ、死んだ花をぶら下げている女

(なにかをあいすことすらままならないままえさをまつだけ)

何かを愛すことすら、ままならないまま餌を待つだけ

(おどりかたをしらないげいじゅつのかちなどわからないやつらに)

踊り方を知らない、芸術の価値などわからないやつらに

(だらくしていればなにもみえないまま)

堕落していれば何も見えないまま

(しんぜんびにそむいたおどりかたをおしえてやるから)

真善美に背いた踊り方を教えてやるから

(いっせーのでくるっちまえみじめなすがたで)

いっせーので狂っちまえ、惨めな姿で

(なんじゅうなんびゃくなんぜんなんまんなんおくにんのなかでさぁ)

何十何百何千何万何億人の中でさぁ、

(そうしてうもれていたっていいと)

そうして埋もれていたっていいと

(どうしていえるのだろう)

どうして言えるのだろう？

(ねぇせかいがわずらっているきょうしんは)

ねぇ、世界が患っている狂信は

(けんじょうしゃでさえめがくらむようなひかりをはなっている)

健常者でさえ目が眩むような光を放っている

(こんやあくまがおまえらにこういうぜ)

今夜、悪魔がお前らにこう云うぜ

(かみとやらにまどわされるなよ)

「神とやらに惑わされるなよ」