猟奇歌1 夢野久作

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投稿者投稿者きんぎょ鉢いいね1お気に入り登録
プレイ回数905難易度(4.2) 940打 長文 かな
夢野久作 猟奇歌より
青空文庫から

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問題文

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(ころすくらいなんでもないとおもいつつひとごみのなかをかっぽしていく)

殺すくらゐ 何でもない と思ひつゝ人ごみの中を 濶歩して行く

(あるなをばていねいていねいにかきていねいにまっさつをしてやきすてるこころ)

ある名をば 叮嚀ていねいに書き ていねいに 抹殺をして 焼きすてる心

(あるおんなのしゃしんのめだまにぺんさきのあかいいんきをちゅうしゃしてみる)

ある女の写真の眼玉にペン先の 赤いインキを 注射して見る

(このふじんをくびりころしてとらわれてみたしとおもうおうせつまかな)

この夫人をくびり殺して 捕はれてみたし と思ふ応接間かな

(わがむねにじゃあくのもりありときおりにきつつきのきてたたきやまずも)

わが胸に邪悪の森あり 時折りに 啄木鳥の来て たゝきやまずも

(よくきれるかみそりをみてかがみをみてきょうじんのごとほほえみてみる)

よく切れる剃刀を見て 鏡をみて 狂人のごとほゝゑみてみる

(たかくたかくえんとつにのぼりゆくひとをおちればいいがとがいろからいのる)

高く/\煙突にのぼり行く人を 落ちればいゝがと 街路から祈る

(ころすぞ!といえばどうぞとほほえみぬそのときふっところすきになりぬ)

殺すぞ! と云へばどうぞとほゝゑみぬ 其時フツと殺す気になりぬ

(ひとのきてせけんばなしをすることがなにかはらだたしくころしたくなりぬ)

人の来て 世間話をする事が 何か腹立たしく殺し度くなりぬ

(いまのわがおそろしきこころしるごとくすとーぶのほのおくづれおちつるも)

今のわが恐ろしき心知るごとく ストーブの焔 くづれ落つるも

(かかるときひとをころしてさけのみておんなからかういじんをうらやむ)

かゝる時 人を殺して酒飲みて女からかふ 偉人をうらやむ

(じんたいのいづくにはりをさしたらばそくしせむかといしにといてみる)

人体のいづくに針を刺したらば 即死せむかと 医師に問ひてみる

(はるのよるのでんちゅうにみをよせておもうひとをころしたひとのまごころ)

春の夜の電柱に 身を寄せて思ふ 人を殺した人のまごゝろ

(ころしておいてまぶたをそっととじてやるそんなこころこいしこがらしのおと)

殺しておいて瞼をそつと閉ぢて遣る そんな心恋し こがらしの音

(ぺんないふいつまでもさびさびずなくならずそのしにがおのおもいでとともに)

ペンナイフ 何時までも銹さびず失くならず その死にがほの思ひ出と共に

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