忘れっぽいんだ

(わすれっぽいんだわすれっぽいんだ)

忘れっぽいんだ忘れっぽいんだ

(あなたがしてくれたあれもこれも)

あなたがしてくれたあれもこれも

(わすれちゃったな)

忘れちゃったな

(ぬるいみずのなかがここちよいうちに)

ぬるい水の中が心地良い内に

(いままでありがとう)

今までありがとう

(きゅうにういたことばで)

急に浮いた言葉で

(いまわたしたちじゃなくなった)

今私たちじゃなくなった

(はだいろがへたなしばいにとけて)

肌色が下手な芝居に溶けて

(もっとうすくなった)

もっと薄くなった

(どうやってちゃかしてたっけ？)

どうやって茶化してたっけ？

(わすれっぽいんだわすれっぽいんだ)

忘れっぽいんだ忘れっぽいんだ

(あなたがしてくれたあれもこれも)

あなたがしてくれたあれもこれも

(わすれちゃったな)

忘れちゃったな

(ぬるいみずのなかでちとおぼれてるうちに)

ぬるい水の中でちと溺れてる内に

(まばたきのかいすうがふえる)

瞬きの回数が増える

(ごおくかいのうちなんかいが)

五億回のうち何回が

(しあわせをじゃまするんだろう？)

幸せを邪魔するんだろう？

(あまえちゃったなあまえちゃったな)

甘えちゃったな甘えちゃったな

(みのがしたあなたのやさしさにも)

見逃したあなたの優しさにも

(おもいだしたって)

思い出したって

(いまはもうすてるだけのかげろうだから)

今はもう捨てるだけの陽炎だから

(いらなかったんだいまきづいたって)

いらなかったんだ今気付いたって

(さいあいのいみをうしなっただけ)

最愛の意味を失っただけ

(わすれっぽいんだ)

忘れっぽいんだ

(やりなおせたらいいのにな)

やり直せたら良いのにな

(つごうのいいよくをかかえて)

都合の良い欲を抱えて

(くれなずむこころもよう)

暮れなずむ心模様

(あなたはちゃんとせをむけて)

あなたはちゃんと背を向けて

(わすれっぽいんだわすれっぽいんだ)

忘れっぽいんだ忘れっぽいんだ

(あなたがしてくれたあれもこれも)

あなたがしてくれたあれもこれも

(わすれちゃったな)

忘れちゃったな

(ぬるいみずのなかでちとおぼれてたら)

ぬるい水の中でちと溺れてたら

(いまわたしをだきしめてよ)

今私を抱きしめてよ

(これがさいごのあがきだとしってる)

これが最後の足掻きだと知ってる

(いまごろやっとさいあいをぬらしたひとりごとのようななみだ)

今頃やっと最愛を濡らした独り言のような涙

(わすれっぽいんだわすれっぽいんだ)

忘れっぽいんだ忘れっぽいんだ

(でもおぼえてんだ)

でも覚えてんだ

(わたしたちじゃなくなったことは)

私たちじゃなくなったことは

(めをとじるたびせなかをおせそうなきょりでね)

目を閉じるたび背中を押せそうな距離でね