鹿児島おはら節

(はなはきりしまたばこはこくぶ もえてあがるはさくらじま)

花は霧島　煙草は国分 燃えて上がるは　桜島

(あめはふらんのにくさむたがわにごる)

雨は降らんのに草牟田川濁る

(いしきはららのけしょうのみず)

伊敷原良の化粧の水

(みえたみえたよまつばらごしに)

見えた見えたよ松原越しに

(まるにじゅうもじのおはらはーほがみえた)

丸に十文字のオハラハー　帆が見えた

(おけさはたらけげねんのはるは とのじょもたせるおはらはーよかにせを)

おけさ働け　来年の春は とのじょ持たせるオハラハー　よか青年を

(いしきはららのまきゃげのかみを かみをゆうたならおはらはー　なおよかろ)

伊敷原良の巻揚の髪を 髪を結うたならオハラハー　なおよかろ

(あめのふるよはおじゃんなというたに ぬれておじゃればおはらはーなおかわい)

雨の降る夜はおじゃんなと言うたに 濡れておじゃればオハラハーなお可愛い

(さくらじまにはかすみがかかる わたしゃあなたにおはらはーきがかかる)

桜島には　霞がかかる 私ゃ貴方にオハラハー　気がかかる

(このちさってもゆめじにかよう いそのはまかぜおはらはーさくらじま)

この地去っても　夢路に通う 磯の浜風オハラハー　桜島

(だいてねもせずひまもくれず つなぎふねかよおはらはーわしがみは)

抱いて寝もせず暇もくれず つなぎ船かよオハラハー　わしが身は

(つきのひょいとでをよあけとおもうて あるじをかえしておはらはーきにかかる)

月のひょいと出を夜明けと思うて 主を帰してオハラハー　気にかかる

(さつませごさぁはせかいのいじん くにのためならおはらはーしぬというた)

薩摩西郷さぁは世界の偉人 国のためならオハラハー　死ぬと言うた

(かわいがられてねたよもござる ないてあかしたおはらはーえんがない)

可愛がられて寝た夜もござる 泣いて明かしたオハラハー　縁がない

(わたしゃはららのはんてんそだち ながいきものにゃおはらはーえんがない)

私ゃ原良の袢纏育ち 長い着物にゃオハラハー　縁がない

(たけにすずめはせんだいさんのごもん まるにじゅうもじはおはらはーさつまさま)

竹にスズメは仙台さんの御紋 丸に十文字はオハラハー　薩摩様

(おごしょこらこらてぬぐいがおちた もたんてぬぐいおはらはーなにおちんか)

おごしょコラコラ手拭いが落ちた 持たん手拭いオハラハー　何落ちんか

(へこのいきじもおごじょがすがりゃ あたらしゅざやもおはらはーぬきゃならぬ)

兵児の意気地もおごじょが縋りゃ あたら朱鞘もオハラハー抜きゃならぬ