嘘と告白

(あぁどこにむかったって)

あぁ どこに向かったって

(ぼくのいのちはいやしくてこざかしくて)

僕の命は卑しくて 小賢しくて

(おんなじところをいったりきたりしていた)

同じ所を行ったり来たりしていた

(しょぎょうむじょうなんて)

諸行無常なんて

(いいわけにもならないいえない)

言い訳にもならない 言えない

(なみだをながした)

涙を流した

(ただぼくはみだされたかった)

唯　僕は見出されたかった

(まだがらすにおおわれていたんだ)

まだガラスに覆われていたんだ

(あいまいなうたをつくって)

曖昧な歌を作って

(とくべつになりきれなかった)

特別に成り切れなかった

(さかのうえにくろいよるがいた)

坂の上に黒い夜がいた

(それはぼくのうつしかがみだ)

それは僕の写鏡だ

(ほんとうのじぶんをしらずにいきている)

本当の自分を知らずに生きている

(ぼくはうそ)

僕は嘘

(なぁだれをたたえたって)

なぁ 誰を称えたって

(ぼくのきもちはくやしくてうらやましくて)

僕の気持ちは悔しくて 羨ましくて

(ななめにかまえることでなんとかいきをしていた)

斜に構えることでなんとか息をしていた

(しょぎょうむじょうだって)

諸行無常だって

(じょうだんでもわらえないいえない)

冗談でも笑えない 言えない

(かめんをはがしたんだ)

仮面を剝がしたんだ

(うえもしたもみぎもひだりも)

上も下も右も左も

(わからなくなってしまえば)

分からなくなってしまえば

(どこかずっととおいまちに)

何処かずっと遠い街に

(のたれじんでしまえば)

野垂れ死んでしまえば

(ぼくはつちにかえりめぐって)

僕は土に還り巡って

(いちりんのはなになろう)

一輪の花になろう

(かぜにふかれゆれる)

風に吹かれ揺れる

(それはそれはうつくしいはな)

それはそれは美しい花

(ただぼくはいいきられたかった)

唯 僕は言い切られたかった

(まだことばにあやつられていたんだ)

まだ言葉に操られていたんだ

(へいぼんなかしをつづって)

平凡な歌詞を綴って

(とくべつをあらわしたかった)

特別を表したかった

(かみのうえにくろくしみていた)

紙の上に黒く染みていた

(それはぼくのうつしかがみだ)

それは僕の写鏡だ

(ほんとうのじぶんをしらずにいきている)

本当の自分を知らずに生きている

(ぼくのこくはく)

僕の告白

(ただぼくはみだされたかった)

唯 僕は見出されたかった

(まだがらすにおおわれていたんだ)

まだガラスに覆われていたんだ

(あいまいなうたをつくって)

曖昧な歌を作って

(とくべつになりきれなかった)

特別に成り切れなかった

(さかのうえにくろいよるがいた)

坂の上に黒い夜がいた

(それはぼくのうつしかがみだ)

それは僕の写鏡だ

(ほんとうのじぶんをしらずにいきている)

本当の自分を知らずに生きている

(うそとこくはく)

嘘と告白