隣の残花

(きらいになったなんてうそおっしゃい)

嫌いになったなんて嘘おっしゃい

(うそおっしゃいこどもみたいね)

嘘おっしゃい 子供みたいね

(ゆれたおんどもうどうあいすたれて)

揺れた 音頭 盲導 愛 廃れて

(ふらふらただおどるだけ)

フラフラ 唯 踊るだけ

(ねえ)

ねえ

(またたいてきえるはなかすかにのこるようだ)

瞬いて消える花 微かに残る陽だ

(かざるようなあこがれが)

飾るような憧れが

(まるでまやかしのよう)

まるでまやかしの様

(びだんでおえたいないな)

美談で終えたいな 否々

(もういいかいもういいかい)

もういいかい もういいかい

(ともしたかいかのうた)

灯した怪火の唄

(すすけたとうろうこがしたあんどん)

煤けた灯篭 焦がした行灯

(きえたひのざんぞう)

消えた火の残像

(めいていえいせい)

酩酊 永世

(きりのはじめてしるころに)

桐の初めて知る頃に

(おもいだしてよ)

思い出してよ

(かわすかわすかわすことば)

交わす 交わす 交わす 言葉

(ひとつこころのこして)

一つ 心 残して

(ふれるふれるふれるふれる)

触れる 触れる 触れる 触れる

(こえだけのこしてめをおとす)

声だけ残して 目を落とす

(もうきらいになったなんてうそおっしゃい)

もう 嫌いになったなんて 嘘おっしゃい

(うそおっしゃいこどもみたいね)

嘘おっしゃい 子供みたいね

(ゆれたおんどもうどうあいすたれて)

揺れた 音頭 盲導 愛 廃れて

(ふらふらただおどるだけ)

フラフラ 唯 踊るだけ

(きらいになったなんてうそおっしゃい)

嫌いになったなんて 嘘おっしゃい

(うそおっしゃいこころないね)

嘘おっしゃい 心無いね

(つないだおんどしょうどうあいこわれて)

繋いだ 温度 衝動 愛 壊れて

(くるくるただまわるだけ)

クルクル 唯 廻るだけ

(きらめいてはぜるならたしかをのぞむような)

煌めいて爆ぜるなら 確かを望むような

(にじむようなたそがれだ)

滲むような黄昏だ

(きょうをやさしくだきしめはぐらかしてよ)

今日を優しく抱きしめ はぐらかしてよ

(ながすながすながすなみだ)

流す 流す 流す 涙

(ふたつこころあわせて)

二つ 心 合わせて

(わかつわかつわかつわかつ)

分かつ 分かつ 分かつ 分かつ

(それだけでいいのに)

それだけでいいのに

(もういいかいもういいかい)

もういいかい もういいかい

(はなしたたいかのうた)

離した対価の歌

(きらしたしょうこうかざしたべんめい)

切らした焼香 翳した弁明

(みえたそのひょうじょう)

見えたその表情

(めいきょうざんきょう)

明鏡 残響

(わたしのかわりをしるころに)

私の代わりを知る頃に

(おもいだしてくれないか)

思い出してくれないか

(きらいになったなんてうそおっしゃい)

嫌いになったなんて 嘘おっしゃい

(うそおっしゃいかわらないで)

嘘おっしゃい 変わらないで

(ぬれたこんろあいとうあいうかべて)

濡れた 焜炉 哀悼 愛 うかべて

(ふらふらただおどるだけ)

フラフラ 唯 踊るだけ

(きらいになったなんてうそおっしゃい)

嫌いになったなんて 嘘おっしゃい

(うそおっしゃいしかたないね)

嘘おっしゃい 仕方ないね

(ぬれたぼんとようどうあいながれて)

濡れた 盆と 妖瞳 愛 流れて

(くるくるただまわるだけ)

クルクル 唯 廻るだけ

(ねえ)

ねえ