赤を叫んだ

(まだじかんはあるから)

まだ時間はあるから

(ちょっととおまわりをした)

ちょっと遠回りをした

(こんどすごろくでもあそぼうよ)

今度双六でも遊ぼうよ

(けどせーのでふって)

けどせーので振って

(どうせ０がでる)

どうせ0が出る

(こわれたさいころなら)

壊れた賽子なら

(いつもいつもぼくだけがゆく)

いつも　いつも　僕だけがゆく

(いつもひとりあるく)

いつも　ひとり　歩く

(きみはきみはとうめいなままで)

君は　君は　透明なままで

(なつをすぎてく)

夏を過ぎてく

(きみがいたせかいで)

君がいた世界で

(たいせつなせかいで)

大切な世界で

(だれよりもひとをあいした)

誰よりも人を愛した

(かぜたちがはこんだ)

風たちが運んだ

(てんたかくまうきみ)

天高く舞う君

(なみだにはなれない)

涙には慣れない

(いのちなんだこれもいのちなんだそれもいのちなんだ)

命なんだ　これも命なんだ　それも命なんだ

(かげろうかげろう)

陽炎　陽炎

(もうじかんはないから)

もう時間はないから

(ちょっといそぎあしになる)

ちょっと急ぎ足になる

(やっぱゆうぐれがいいね)

やっぱ夕暮れがいいね

(あつすぎないし)

暑過ぎないし

(せーのでふった)

せーので振った

(どうせ１２がでても)

どうせ12が出ても

(きせつは８になるさ)

季節は8になるさ

(さけんださけんだあかくひかるそら)

叫んだ　　叫んだ　赤く光る空

(こえはそのうえ)

声はその上

(きみがいないせかいで)

君がいない世界で

(くだらないせかいで)

くだらない世界で

(ぼくだけはひとをあいせない)

僕だけは人を愛せない

(かぜたちがかくした)

風たちが隠した

(せきばくはきえずに)

寂寞は消えずに

(あのもじがすきだと)

あの文字が好きだと

(いのちなんだこれもいのちなんだそれもいのちなんだ)

命なんだ　これも命なんだ　それも命なんだ

(かげろうかげろう)

陽炎　陽炎

(まだじかんはあるよな)

まだ時間はあるよな

(なにもなしとげちゃいない)

何も成し遂げちゃいない

(いしゃなんかになっても)

医者なんかになっても

(やくたたずだ)

役立たずだ

(こんなどうしようもないうたも)

こんなどうしようもない歌も

(いいといってくれるのは)

良いと言ってくれるのは

(きっとわたしだけじゃない)

「きっと私だけじゃない」

(みかたなどいなくともしあわせじゃなくとも)

味方などいなくとも　幸せじゃなくとも

(きみだけはわらってくれた)

君だけは笑ってくれた

(ふこうだといえるのはしあわせとわらってた)

不幸だと言えるのは　幸せと笑ってた

(きみはないてるよな)

君は泣いてるよな

(きみがいないせかいで)

君がいない世界で

(うつくしいせかいで)

美しい世界で

(もういちどひとをあいそう)

もう一度人を愛そう

(かぜたちがはこんだ)

風たちが運んだ

(なつたちのはなびら)

夏たちの花弁

(ほほえんだきがした)

微笑んだ気がした

(いのちなんだこれもいのちなんだそれもいのちなんだ)

命なんだ　これも命なんだ　それも命なんだ

(かげろうかげろう)

陽炎　陽炎

(いのちなんだだれもいのちなんだうつくしすぎたあかは)

命なんだ　だれも命なんだ　美しすぎた赤は

(かげろうかげろう)

陽炎　陽炎