いつもいっしょ

(ぼくはめをそらされるのがいやで)

僕は目をそらされるのが嫌で

(じぶんからめをそらすおとこのこです)

自分から目をそらす男の子です

(ありったけのゆうきで)

ありったけの勇気で

(きみのちいさなてをにぎりしめた)

君の小さな手を握りしめた

(きみはてをはなされるのがこわくて)

君は手を離されるのが怖くて

(じぶんからてをほどくおんなのこです)

自分から手をほどく女の子です

(ありったけのゆうきで)

ありったけの勇気で

(ぼくのてをにぎりかえしてくれた)

僕の手を握り返してくれた

(じょうずにつたえられないまま)

上手に伝えられないまま

(ことばとことばがすれちがう)

言葉と言葉がすれ違う

(はぐれたてとてはおたがいに)

はぐれた手と手はお互いに

(「さよなら」ということばをえらんでしまった)

「さよなら」という言葉を選んでしまった

(「いつもいっしょ」とふたりでとなえた)

「いつもいっしょ」と二人で唱えた

(かぜふくおかはぼくらにとって)

風吹く丘は僕らにとって

(はかなくとぎれるゆめのように)

儚く途切れる夢のように

(きおくのなかでうすれてゆくけしきになった)

記憶の中で薄れてゆく景色になった

(あのさよならからときはたち)

あのサヨナラから時は経ち

(ぼくもなんとなくだけどおとなになった)

僕もなんとなくだけど大人になった

(あいなんてまだわからないけど)

愛なんてまだわからないけど

(じゆうとせきにんをしった)

自由と責任を知った

(いそがしいまいにちのなかで)

忙しい毎日の中で

(じぶんをわすれてしまうときは)

自分を忘れてしまうときは

(あのおかからそらをみあげる)

あの丘から空を見上げる

(すこしだけせつないきもちを)

少しだけせつない気持ちを

(むねにだきしめて)

胸に抱きしめて

(ぼくはおもいだす)

僕は思い出す

(あのひあのときにてをはなしたのは)

あの日あの時に手を離したのは

(ぼくのほうだった)

僕のほうだった

(こうかいをしてもしかたないとかえろうとした)

後悔をしても仕方ないと帰ろうとした

(そのとき)

その時

(きみがあらわれた)

君が現れた

(まぼろしじゃない)

幻じゃない

(きみがめのまえにいる)

君が目の前にいる

(あのころとかわらないえがおで)

あのころと変わらない笑顔で

(ずっとずっとあいたかった)

ずっとずっと逢いたかった

(なにもいわずにきみはほほえんで)

何も言わずに君は微笑んで

(そのちいさなてでぼくのてをにぎり)

その小さな手で僕の手を握り

(すれちがいわかれたふたりにだけわかるなみだを)

すれ違い別れた二人にだけわかる涙を

(ひとつぶだけこぼした)

一粒だけこぼした

(あまいことばも)

甘い言葉も

(ふかいくちづけも)

深い口づけも

(いまはなくていい)

今はなくていい

(ただめをとじて)

ただ目を閉じて

(「いつもいっしょ」ととなえるだけで)

「いつもいっしょ」と唱えるだけで

(しあわせいろのかぜが)

幸せ色の風が

(ふたりをつつむのです)

二人を包むのです