盲目リアリスト

(ねぇきみのめにぼくはうつってますか)

ねぇ、君の目に僕は映ってますか

(ぼくはうまれたとうかまえ)

僕は生まれた10日前

(へやのすみひざかかえるきみをみかねて)

部屋の隅、膝抱える君をみかねて

(だれもがぼくをむしするけど)

誰もが僕を無視するけど

(きみだけははなしてくれた)

君だけは話してくれた

(ねぇどうしてめかくしつづけるの)

「ねぇ、どうして目隠し続けるの」

(といにこたえるはほうたいしょうじょ)

問いに答えるは包帯少女

(もしこのめになにもうつらなかったら)

「もし、この目に何も映らなかったら

(それがこわくてこわくてとれないの)

それが怖くて怖くてとれないの」

(ぼくはなまえがわからなくて)

僕は名前がわからなくて

(きみはたにんごとじゃなくて)

君は他人事じゃなくて

(せかいはきみとぼくのもとしはいされていて)

世界は君と僕のもと支配されていて

(だけどきみがおびえるほどに)

だけど君が怯えるほどに

(なぜかぼくはうれしかった)

なぜか僕はうれしかった

(そのしゅんかんはきみになれるきがした)

その瞬間は君になれる気がした

(くすくすわらうきみにむちゅうで)

くすくす笑う君に夢中で

(ぼくのいみにきづけなかった)

僕の意味に気づけなかった

(あぁきみょうなしんくろりかいできたよ)

あぁ、奇妙なシンクロ理解できたよ

(まどがらすうつすはがんこうしょうじょ)

窓ガラス映すは眼光少女

(よるのまちなみみるふりしてたちつくす)

夜の街並み　見るフリして立ち尽くす

(だってやさぐれきみとぼくとおなじかお)

だってやさぐれ君と僕と同じ顔

(ぼくはせんしゃくていしょうで)

僕は浅酌低唱で

(きみはてんてんはんそくで)

君は輾転反側で

(せかいはうばってしまえばぼくのものになる)

世界は奪ってしまえば僕のものになる

(ほうたいをはずしてみようかな)

「包帯をはずしてみようかな

(あなたのかおがみたいんだ)

あなたの顔が見たいんだ」

(しょうきょくてきなきみがけついした)

消極的な君が決意した

(ぼくは)

僕は、

(きみをころしてぼくもしのうか)

君を殺して僕も死のうか

(きみをころしてぼくがいきようか)

君を殺して僕が生きようか

(こたえはひとつしかえらべないこともしってる)

答えはひとつしか選べない事も知ってる

(きみをけすためうまれてきた)

君を消すため生まれてきた

(ぼくにそんざいいぎがあるなら)

僕に存在意義があるなら

(さよなら)

さよなら

(いままでとてもたのしかったよ)

今までとても楽しかったよ

(ぼくはほうたいにてをかけて)

僕は包帯に手をかけて

(きみはしずかにめをひらいた)

君は静かに目を開いた

(せかいがいっしゅんだけつながるのをかんじた)

世界が一瞬だけ繋がるのを感じた

(あなたのなまえがしりたいな)

「あなたの名前が知りたいな」

(きえるまぎわこたえたｇｒａｚｉｅ)

消える間際答えた「Grazie」

(せかいはきみにまかせたよ)

世界は君に任せたよ

(あとでかのじょのなまえをしった)

後で彼女の名前を知った

(にほんごでありがとう)

日本語で「ありがとう」