大豆物語　3巻

(たいようがこうこうのこうしゃにやさしいひざしをなげかけるなか、)

太陽が高校の校舎に優しい陽射しを投げかける中、

(こどくなるだいずはじしんをへんかくせんとけつだんした。)

孤独なる大豆は自身を変革せんと決断した。

(いじめっこたちにとりかこまれ、ともなどひとりもなく、)

いじめっ子たちに取り囲まれ、友など一人もなく、

(かれのじんせいはますますはいいろにそまっていく。)

彼の人生はますます灰色に染まっていく。

(しかしそれが、うんめいにしくまれたいんぼうへとつながることをかれはしるよしもなかった。)

しかしそれが、運命に仕組まれた陰謀へと繋がることを彼は知る由もなかった。

(はじめてむかえるしぎょうしきのあさ、だいずはゆうきをふりしぼり、)

初めて迎える始業式の朝、大豆は勇気を振り絞り、

(かんさいべんをくちにし、ねこぜをなおすというけついをひめていた。)

関西弁を口にし、猫背を直すという決意を秘めていた。

(しかし、そのこころみはともだちのいないかれにとって、)

しかし、その試みは友達のいない彼にとって、

(あらたなるしれんへのとびらをひらくことになる。)

新たなる試練への扉を開くことになる。

(だいずのへんかにしっとしんをいだいたのは、)

大豆の変化に嫉妬心を抱いたのは、

(くらすのびじょｎａｇｉであった。)

クラスの美女Nagiであった。

(かのじょはちゅうごくごをあやつり、ちせいをぶきにこうみょうないじめをかいしする。)

彼女は中国語を操り、知性を武器に巧妙ないじめを開始する。

(ともなどむすびつかないだいずは、そのこうげきにむりょくであった。)

友など結びつかない大豆は、その攻撃に無力であった。

(たんにんのしょうたせんせいは、だいずのこどくなたたかいにきづき、)

担任のしょうた先生は、大豆の孤独な戦いに気づき、

(あどばいすをさしのべるが、)

アドバイスを差し伸べるが、

(くらすぜんたいのつめたいしせんにはなすすべもなかった。)

クラス全体の冷たい視線にはなすすべもなかった。

(しょうたせんせいは「いいこたち」をしんじ、)

しょうた先生は「いい子たち」を信じ、

(だいずのこどくにきづけぬまま、ものがたりはあんうんにおおわれていく。)

大豆の孤独に気づけぬまま、物語は暗雲に覆われていく。

(どうじに、だいずにしつようなてきいをむけるｔａｋａは、)

同時に、大豆に執拗な敵意を向けるTAKAは、

(かつてのたいぴんぐしょうぶのくつじょくからわきあがるしゅうねんで、)

かつてのタイピング勝負の屈辱から湧き上がる執念で、