夏目漱石「こころ」2-25

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投稿者投稿者たけしいいね0お気に入り登録
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夏目漱石「こころ」2-25
中)両親と私
こっちゃん様が(上)の方を上げて下さっていたものの続きでございます。
タイピングを投稿するのは初めてですので、誤字脱字等ありましたらご連絡何卒宜しくお願い致します。

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こっちゃん様による(上)
https://typing.twi1.me/profile/userId/86231

次回続きからです。
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 ヤス 7392 7.8 94.7% 235.5 1843 102 34 2024/10/27
2 berry 7324 7.6 96.2% 240.3 1831 71 34 2024/09/22
3 なおきち 7066 7.1 98.4% 256.0 1838 29 34 2024/10/14
4 饅頭餅美 5237 B+ 5.5 95.1% 334.5 1846 94 34 2024/09/30
5 れもん 4687 C++ 4.8 96.3% 376.3 1833 69 34 2024/09/22

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問題文

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(じゅうなな)

十七

(そのひはびょうにんのできがことにわるいようにみえた。)

その日は病人の出来がことに悪いように見えた。

(わたくしがかわやへいこうとしてせきをたったとき、)

私が厠へ行こうとして席を立った時、

(ろうかでいきあったあには「どこへいく」とばんぺいのようなくちょうですいかした。)

廊下で行き合った兄は「何処へ行く」と番兵のような口調で誰何した。

(「どうもようすがすこしへんだから)

「どうも様子が少し変だから

(なるべくそばにいるようにしなくっちゃいけないよ」とちゅういした。)

なるべく傍にいるようにしなくっちゃ不可ないよ」と注意した。

(わたくしもそうおもっていた。かいちゅうしたてがみはそのままにしてまたびょうしつへかえった。)

私もそう思っていた。懐中した手紙はそのままにして又病室へ帰った。

(ちちはめをあけて、そこにならんでいるひとのなまえをははにたずねた。)

父は眼を開けて、そこに並んでいる人の名前を母に尋ねた。

(ははがあれはだれ、これはだれといちいちせつめいしてやると、ちちはそのたびにうなずいた。)

母があれは誰、これは誰と一々説明して遣ると、父はその度に首肯いた。

(うなずかないときは、ははがこえをはりあげて、)

首肯かない時は、母が声を張りあげて、

(なになにさんです、わかりましたかとねんをおした。)

何々さんです、分りましたかと念を押した。

(「どうもいろいろおせわになります」)

「どうも色々御世話になります」

(ちちはこういった。そうしてまたこんすいじょうたいにおちいった。)

父はこういった。そうして又昏睡状態に陥った。

(まくらべをとりまいているひとはむごんのまましばらくびょうにんのようすをみつめていた。)

枕辺を取り巻いている人は無言のまましばらく病人の様子を見詰めていた。

(やがてそのうちのひとりがたってつぎのまへでた。するとまたひとりたった。)

やがてその中の一人が立って次の間へ出た。すると又一人立った。

(わたくしもさんにんめにとうとうせきをはずして、じぶんのへやへきた。)

私も三人目にとうとう席を外して、自分の室へ来た。

(わたくしにはさっきふところへいれたゆうびんぶつのなかをあけてみようというもくてきがあった。)

私には先刻懐へ入れた郵便物の中を開けて見ようという目的があった。

(それはびょうにんのまくらもとでもよういにできるしょさにはちがいなかった。)

それは病人の枕元でも容易に出来る所作には違なかった。

(しかしかかれたもののぶんりょうがあまりにおおすぎるので、)

然し書かれたものの分量があまりに多過ぎるので、

(ひといきにそこでよみとおすわけにはいかなかった。)

一息にそこで読み通す訳には行かなかった。

など

(わたくしはとくべつのじかんをぬすんでそれにあてた。)

私は特別の時間を偸んでそれに充てた。

(わたくしはせんいのつよいつつみがみをひきかくようにさきやぶった。)

私は繊維の強い包み紙を引き掻くように裂き破った。

(なかからでたものは、)

中から出たものは、

(たてよこにひいたけいのなかへぎょうぎよくかいたげんこうようのものであった。)

縦横に引いた罫の中へ行儀よく書いた原稿様のものであった。

(そうしてふうじるべんぎのために、よつおりにたたまれてあった。)

そうして封じる便宜のために、四つ折に畳まれてあった。

(わたくしはくせのついたせいようしを、ぎゃくにおりかえしてよみやすいようにひらたくした。)

私は癖のついた西洋紙を、逆に折り返して読み易いように平たくした。

(わたくしのこころはこのたりょうのかみといんきが、わたくしになにごとをかたるのだろうかとおもっておどろいた。)

私の心はこの多量の紙と印気が、私に何事を語るのだろうかと思って驚いた。

(わたくしはどうじにびょうしつのことがきにかかった。)

私は同時に病室の事が気にかかった。

(わたくしがこのかきものをよみはじめて、よみおわらないまえに、ちちはきっとどうかなる、)

私がこのかきものを読み始めて、読み終らない前に、父はきっとどうかなる、

(すくなくとも、わたくしはあにからかははからか、それでなければおじからか、)

少なくとも、私は兄からか母からか、それでなければ伯父からか、

(よばれるにきまっているというよかくがあった。)

呼ばれるに極っているという予覚があった。

(わたくしはおちついてせんせいのかいたものをよむきになれなかった。)

私は落ち着いて先生の書いたものを読む気になれなかった。

(わたくしはそわそわしながらたださいしょのいちぺーじをよんだ。)

私はそわそわしながらただ最初の一頁を読んだ。

(そのぺーじはしものようにつづられていた。)

その頁は下のように綴られていた。

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