夏目漱石「こころ」3-4
夏目漱石の「こころ」(下)でございます。
なるべく原文ママで問題を設定しておりますので、誤字なのか原文なのかややこしいとは思われますが最後までお付き合い下さい。
次:https://typing.twi1.me/game/372439
オリジナルの書き方・読み方については以下に載せますので、参考の程よろしくお願い致します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
17:有つ(もつ)
19:物足なそうな(ものたりなそうな)
24:補まえよう(つらまえよう)
29:浴せかけよう(あびせかけよう)
30:停った(とまった)
順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ぽむぽむ | 5981 | A+ | 6.2 | 95.5% | 251.6 | 1578 | 73 | 30 | 2024/11/27 |
2 | mame | 4795 | B | 5.1 | 94.3% | 304.9 | 1556 | 94 | 30 | 2024/12/07 |
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問題文
(わたくしはくらいじんせいのかげをえんりょなくあなたのあたまのうえになげかけてあげます。)
私は暗い人世の影を遠慮なくあなたの頭の上に投げかけて上ます。
(しかしおそれてはいけません。)
然し恐れては不可せん。
(くらいものをじっとみつめて、そのなかからあなたのさんこうになるものをおつかみなさい。)
暗いものを凝と見詰めて、その中から貴方の参考になるものを御攫みなさい。
(わたくしのくらいというのは、もとよりりんりてきにくらいのです。)
私の暗いというのは、固より倫理的に暗いのです。
(わたくしはりんりてきにうまれたおとこです。またりんりてきにそだてられたおとこです。)
私は倫理的に生れた男です。又倫理的に育てられた男です。
(そのりんりじょうのかんがえは、いまのわかいひととだいぶちがったところがあるかもしれません。)
その倫理上の考は、今の若い人と大分違ったところがあるかも知れません。
(しかしどうまちがっても、)
然しどう間違っても、
(わたくしじしんのものです。まにあわせにかりたそんりょうぎではありません。)
私自身のものです。間に合せに借りた損料着ではありません。
(だからこれからはったつしようというあなたには)
だからこれから発達しようという貴方には
(いくぶんかさんこうになるだろうとおもうのです。)
幾分か参考になるだろうと思うのです。
(あなたはげんだいのしそうもんだいについて、)
貴方は現代の思想問題に就いて、
(よくわたくしにぎろんをむけたことをきおくしているでしょう。)
よく私に議論を向けた事を記憶しているでしょう。
(わたくしのそれにたいするたいどもよくわかっているでしょう。)
私のそれに対する態度もよく解っているでしょう。
(わたくしはあなたのいけんをけいべつまでしなかったけれども、)
私はあなたの意見を軽蔑までしなかったけれども、
(けっしてそんけいをはらいえるていどにはなれなかった。)
決して尊敬を払い得る程度にはなれなかった。
(あなたのかんがえにはなんらのはいけいもなかったし、)
あなたの考えには何等の背景もなかったし、
(あなたはじぶんのかこをもつにはあまりにわかすぎたからです。)
あなたは自分の過去を有つには余りに若過ぎたからです。
(わたくしはときどきわらった。)
私は時々笑った。
(あなたはものたりなそうなかおをちょいちょいわたくしにみせた。)
あなたは物足なそうな顔をちょいちょい私に見せた。
(そのきょくあなたはわたくしのかこをえまきもののように、)
その極あなたは私の過去を絵巻物のように、
(あなたのまえにてんかいしてくれとせまった。)
あなたの前に展開してくれと逼った。
(わたくしはそのときこころのうちで、はじめてあなたをそんけいした。)
私はその時心のうちで、始めて貴方を尊敬した。
(あなたがぶえんりよにわたくしのはらのなかから、)
あなたが無遠慮に私の腹の中から、
(あるいきたものをつらまえようというけっしんをみせたからです。)
或生きたものを捕まえようという決心を見せたからです。
(わたくしのしんぞうをたちわって、あたたかくながれるちしおをすすろうとしたからです。)
私の心臓を立ち割って、温かく流れる血潮を啜ろうとしたからです。
(そのときわたくしはまだいきていた。しぬのがいやであった。)
その時私はまだ生きていた。死ぬのが厭であった。
(それでたじつをやくして、あなたのようきゅうをしりぞけてしまった。)
それで他日を約して、あなたの要求を斥けてしまった。
(わたくしはいまじぶんでじぶんのしんぞうをやぶって、)
私は今自分で自分の心臓を破って、
(そのちをあなたのかおにあびせかけようとしているのです。)
その血をあなたの顔に浴せかけようとしているのです。
(わたくしのこどうがとまったとき、あなたのむねにあたらしいいのちがやどることができるならまんぞくです。)
私の鼓動が停った時、あなたの胸に新らしい命が宿る事が出来るなら満足です。