夏目漱石「こころ」3-19
夏目漱石の「こころ」(下)でございます。
なるべく原文ママで問題を設定しておりますので、誤字なのか原文なのかややこしいとは思われますが最後までお付き合い下さい。
次:https://typing.twi1.me/game/384071
オリジナルの書き方・読み方については以下に載せますので、参考の程よろしくお願い致します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
4:廐(うまや)
4:邸(やしき)
6:無人(ぶにん)
6:淋しく(さむしく)
8:未亡人(びぼうじん)
11:処(ところ)
13:掛念(けねん)
15:服装(なり)
25:差支ない(さしつかえない)
27:判然した(はっきりした)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
前回の少し続きからです。
順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | berry | 7539 | 神 | 7.7 | 97.0% | 206.9 | 1609 | 49 | 30 | 2024/09/23 |
2 | なおきち | 7510 | 神 | 7.6 | 97.7% | 211.3 | 1625 | 38 | 30 | 2024/10/19 |
3 | ヤス | 7366 | 光 | 7.6 | 95.9% | 212.3 | 1633 | 69 | 30 | 2024/10/16 |
4 | 饅頭餅美 | 5426 | B++ | 5.6 | 95.6% | 288.2 | 1638 | 74 | 30 | 2024/10/11 |
5 | やまちゃん | 4741 | C++ | 4.9 | 96.8% | 329.4 | 1615 | 53 | 30 | 2024/10/27 |
関連タイピング
-
プレイ回数10万歌詞200打
-
プレイ回数3867かな314打
-
プレイ回数96万長文かな1008打
-
プレイ回数3.2万歌詞1030打
-
プレイ回数2290歌詞かな1185打
-
プレイ回数2039歌詞1426打
-
プレイ回数1.8万長文かな102打
-
プレイ回数4.8万長文かな316打
問題文
(それはあるぐんじんのかぞく、というよりもむしろいぞく、のすんでいるいえでした。)
それはある軍人の家族、というよりも寧ろ遺族、の住んでいる家でした。
(しゅじんはなんでもにっしんせんそうのときかなにかにしんだのだとかみさんがいいました。)
主人は何でも日清戦争の時か何かに死んだのだと上さんが云いました。
(いちねんばかりまえまでは、いちがやのしかんがっこうのそばとかにすんでいたのだが、)
一年ばかり前までは、市ヶ谷の士官学校の傍とかに住んでいたのだが、
(うまやなどがあって、やしきがひろすぎるので、)
廐などがあって、邸が広過ぎるので、
(そこをうりはらって、ここへひっこしてきたけれども、)
其所を売り払って、此所へ引っ越して来たけれども、
(ぶにんでさむしくってこまるから)
無人で淋しくって困るから
(そうとうのひとがあったらせわをしてくれとたのまれていたのだそうです。)
相当の人があったら世話をしてくれと頼まれていたのだそうです。
(わたくしはかみさんから、そのいえにはびぼうじんとひとりむすめとげじょよりほかにいないのだ)
私は上さんから、その家には未亡人と一人娘と下女より外にいないのだ
(ということをたしかめました。)
という事を確かめました。
(わたくしはかんせいでしごくよかろうとこころのうちにおもいました。)
私は閑静で至極好かろうと心の中に思いました。
(けれどもそんなかぞくのうちに、わたくしのようなものが、とつぜんいったところで、)
けれどもそんな家族のうちに、私のようなものが、突然行った処で、
(すじょうのしれないしょせいさんというめいしょうのもとに、)
素性の知れない書生さんという名称のもとに、
(すぐきょぜつされはしまいかというけねんもありました。)
すぐ拒絶されはしまいかという掛念もありました。
(わたくしはよそうかともかんがえました。)
私は止そうかとも考えました。
(しかしわたくしはしょせいとしてそんなにみぐるしいなりはしていませんでした。)
然し私は書生としてそんなに見苦しい服装はしていませんでした。
(それからだいがくのせいぼうをかぶっていました。)
それから大学の制帽を被っていました。
(あなたはわらうでしょう、だいがくのせいぼうがどうしたんだといって。)
あなたは笑うでしょう、大学の制帽がどうしたんだと云って。
(けれどもそのころのだいがくせいはいまとちがって、だいぶせけんにしんようのあったものです。)
けれどもその頃の大学生は今と違って、大分世間に信用のあったものです。
(わたくしはそのばあいこのしかくなぼうしにいっしゅのじしんをみだしたくらいです。)
私はその場合この四角な帽子に一種の自信を見出した位です。
(そうしてだがしやのかみさんにおそわったとおり、)
そうして駄菓子屋の上さんに教わった通り、
(しょうかいもなにもなしにそのぐんじんのいぞくのいえをたずねました。)
紹介も何もなしにその軍人の遺族の家を訪ねました。
(わたくしはびぼうじんにあってらいいをつげました。)
私は未亡人に会って来意を告げました。
(びぼうじんはわたくしのみもとやらがっこうやらせんもんやらについていろいろしつもんしました。)
未亡人は私の身元やら学校やら専門やらに就いて色々質問しました。
(そうしてこれならだいじょうぶだというところをどこかににぎったのでしょう、)
そうしてこれなら大丈夫だというところを何処かに握ったのでしょう、
(いつでもひっこしてきてさしつかえないというあいさつをそくざにあたえてくれました。)
何時でも引っ越して来て差支ないという挨拶を即座に与えてくれました。
(びぼうじんはただしいひとでした。)
未亡人は正しい人でした。
(またはっきりしたひとでした。)
又判然した人でした。
(わたくしはぐんじんのさいくんというものはみんなこんなものかとおもってかんぷくしました。)
私は軍人の妻君というものはみんなこんなものかと思って感服しました。
(かんぷくもしたが、おどろきもしました。)
感服もしたが、驚ろきもしました。
(このきしょうでどこがさむしいのだろうとうたがいもしました。)
この気性で何処が淋しいのだろうと疑いもしました。