夏目漱石「こころ」3-27
夏目漱石の「こころ」(下)でございます。
なるべく原文ママで問題を設定しておりますので、誤字なのか原文なのかややこしいとは思われますが最後までお付き合い下さい。
次:https://typing.twi1.me/game/387899
オリジナルの書き方・読み方については以下に載せますので、参考の程よろしくお願い致します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
1:見縊っていた(みくびっていた)
8;美くしく(うつくしく)
16:臭(におい)
25:互違(たがいちがい)
30;翻えす(ひるがえす)
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少し長くなっちゃいました。
順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ヤス | 7980 | 神 | 8.2 | 96.3% | 255.5 | 2120 | 81 | 36 | 2024/10/27 |
2 | berry | 7814 | 神 | 7.9 | 98.0% | 261.7 | 2086 | 41 | 36 | 2024/09/24 |
3 | なおきち | 7527 | 神 | 7.7 | 97.5% | 273.0 | 2107 | 52 | 36 | 2024/10/21 |
4 | ぶす | 4863 | B | 5.3 | 91.2% | 388.4 | 2090 | 201 | 36 | 2024/10/30 |
5 | やまちゃん | 4725 | C++ | 4.9 | 96.5% | 428.3 | 2100 | 76 | 36 | 2024/10/29 |
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問題文
(それほどおんなをみくびっていたわたくしが、)
それ程女を見縊っていた私が、
(またどうしてもおじょうさんをみくびることができなかったのです。)
またどうしても御嬢さんを見縊る事が出来なかったのです。
(わたくしのりくつはそのひとのまえにまったくようをなさないほどうごきませんでした。)
私の理窟はその人の前に全く用を為さない程動きませんでした。
(わたくしはそのひとにたいして、ほとんどしんこうにちかいあいをもっていたのです。)
私はその人に対して、殆んど信仰に近い愛を有っていたのです。
(わたくしがしゅうきょうだけにもちいるこのことばを、わかいおんなにおうようするのをみて、)
私が宗教だけに用いるこの言葉を、若い女に応用するのを見て、
(あなたはへんにおもうかもしれませんが、わたくしはいまでもかたくしんじているのです。)
貴方は変に思うかも知れませんが、私は今でも固く信じているのです。
(ほんとうのあいはしゅうきょうしんとそうちがったものでないということをかたくしんじているのです。)
本当の愛は宗教心とそう違ったものでないという事を固く信じているのです。
(わたくしはおじょうさんのかおをみるたびに、じぶんがうつくしくなるようなこころもちがしました。)
私は御嬢さんの顔を見るたびに、自分が美くしくなるような心持がしました。
(おじょうさんのことをかんがえると、)
御嬢さんの事を考えると、
(けだかいきぶんがすぐじぶんにのりうつってくるようにおもいました。)
気高い気分がすぐ自分に乗り移ってくるように思いました。
(もしあいというふかしぎなものにりょうはじがあって、)
もし愛という不可思議なものに両端があって、
(そのたかいはじにはしんせいなかんじがはたらいて、ひくいはじにはせいよくがうごいているとすれば、)
その高い端には神聖な感じが働いて、低い端には性慾が動いているとすれば、
(わたくしのあいはたしかにそのたかいきょくてんをつらまえたものです。)
私の愛はたしかにその高い極点を捕まえたものです。
(わたくしはもとよりにんげんとしてにくをはなれることのできないからだでした。)
私はもとより人間として肉を離れる事の出来ない身体でした。
(けれどもおじょうさんをみるわたくしのめや、おじょうさんをかんがえるわたくしのこころは、)
けれども御嬢さんを見る私の眼や、御嬢さんを考える私の心は、
(まったくにくのにおいをおびていませんでした。)
全く肉の臭を帯びていませんでした。
(わたくしはははにたいしてはんかんをいだくとともに、)
私は母に対して反感を抱くと共に、
(こにたいしてれんあいのどをましていったのですから、)
子に対して恋愛の度を増していったのですから、
(さんにんのかんけいは、げしゅくしたはじめよりはだんだんふくざつになってきました。)
三人の関係は、下宿した始めよりは段々複雑になって来ました。
(もっともそのへんかはほとんどないめんてきでそとへはあらわれてこなかったのです。)
尤もその変化は殆んど内面的で外へは現れて来なかったのです。
(そのうちわたくしはあるひょっとしたきかいから、)
そのうち私はあるひょっとした機会から、
(いままでおくさんをごかいしていたのではなかろうかというきになりました。)
今まで奥さんを誤解していたのではなかろうかという気になりました。
(おくさんのわたくしにたいするむじゅんしたたいどが、)
奥さんの私に対する矛盾した態度が、
(どっちもいつわりではないのだろうとかんがえなおしてきたのです。)
どっちも偽りではないのだろうと考え直して来たのです。
(そのうえ、それがたがいちがいにおくさんのこころをしんぱいするのではなくって、)
その上、それが互違に奥さんの心を心配するのではなくって、
(いつでもりょうほうがどうじにおくさんのむねにそんざいしているのだ)
何時でも両方が同時に奥さんの胸に存在しているのだ
(とおもうようになったのです。)
と思うようになったのです。
(つまりおくさんができるだけおじょうさんをわたくしにせっきんさせようとしていながら、)
つまり奥さんが出来るだけ御嬢さんを私に接近させようとしていながら、
(どうじにわたくしにけいかいをくわえているのはむじゅんのようだけれども、)
同時に私に警戒を加えているのは矛盾の様だけれども、
(そのけいかいをくわえるときに、かたほうのたいどをわすれるのでもひるがえすのでもなんでもなく、)
その警戒を加える時に、片方の態度を忘れるのでも翻えすのでも何でもなく、
(やはりいぜんとしてふたりをせっきんさせたがっていたのだとかんさつしたのです。)
やはり依然として二人を接近させたがっていたのだと観察したのです。
(ただじぶんがせいとうとみとめるていどいじょうに、)
ただ自分が正当と認める程度以上に、
(ふたりがみっちゃくするのをいむのだとかいしゃくしたのです。)
二人が密着するのを忌むのだと解釈したのです。
(おじょうさんにたいして、にくのほうめんからちかづくねんのきざさなかったわたくしは、)
御嬢さんに対して、肉の方面から近づく念の萌さなかった私は、
(そのときいらぬしんぱいだとおもいました。)
その時入らぬ心配だと思いました。
(しかしおくさんをわるくおもうきはそれからなくなりました。)
しかし奥さんを悪く思う気はそれから無くなりました。