夏目漱石「こころ」3-30

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投稿者投稿者たけしいいね1お気に入り登録
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夏目漱石「こころ」3-30
下)先生と遺書
夏目漱石の「こころ」(下)でございます。
なるべく原文ママで問題を設定しておりますので、誤字なのか原文なのかややこしいとは思われますが最後までお付き合い下さい。

次:https://typing.twi1.me/game/391325

オリジナルの書き方・読み方については以下に載せますので、参考の程よろしくお願い致します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
5:烟(けむ)の如く
12:焦燥ぎ(はしゃぎ)廻って
20:気兼(きがね)
21:主人(あるじ)
22:食客(いそうろう)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
次回続きからです。
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 なおきち 7712 7.8 98.3% 162.6 1275 21 24 2024/10/23
2 ヤス 7509 7.9 95.0% 161.4 1278 66 24 2024/10/27
3 berry 7324 7.5 96.6% 167.1 1268 44 24 2024/09/26
4 饅頭餅美 5467 B++ 5.6 96.3% 224.8 1278 49 24 2024/10/11
5 やまちゃん 4888 B 4.9 98.1% 254.9 1270 24 24 2024/10/30

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問題文

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(「わたくしはあいかわらずがっこうへしゅっせきしていました。)

「私は相変らず学校へ出席していました。

(しかしきょうだんにたつひとのこうぎが、とおくのほうできこえるようなこころもちがしました。)

然し教壇に立つ人の講義が、遠くの方で聞こえるような心持がしました。

(べんきょうもそのとおりでした。)

勉強もその通りでした。

(めのなかへはいるかつじはこころのそこまでしみわたらないうちに)

眼の中へ這入る活字は心の底まで浸み渡らないうちに

(けむのごとくきえていくのです。)

烟の如く消えて行くのです。

(わたくしはそのうえむくちになりました。)

私はその上無口になりました。

(それをにさんのともだちがごかいして、めいそうにふけってでもいるかのように、)

それを二三の友達が誤解して、冥想に耽ってでもいるかのように、

(たのともだちにつたえました。)

他の友達に伝えました。

(わたくしはこのごかいをとこうとはしませんでした。)

私はこの誤解を解こうとはしませんでした。

(つごうのいいかめんをひとがかしてくれたのを、かえってしあわせとしてよろこびました。)

都合の好い仮面を人が貸してくれたのを、却って仕合せとして喜びました。

(それでもときどきはきがすまなかったのでしょう。)

それでも時々は気が済まなかったのでしょう、

(ほっさてきにはしゃぎまわってかれらをおどろかしたこともあります。)

発作的に焦燥ぎ廻って彼等を驚ろかした事もあります。

(わたくしのやどはひとでいりのすくないうちでした。)

私の宿は人出入の少ない家でした。

(しんるいもおおくはないようでした。)

親類も多くはないようでした。

(おじょうさんのがっこうともだちがときたまあそびにくることはありましたが、)

御嬢さんの学校友達がときたま遊びに来る事はありましたが、

(きわめてちいさなこえで、)

極めて小さな声で、

(いるのだかいないのだかわからないようなはなしをしてかえってしまうのがつねでした。)

居るのだか居ないのだか分らないような話をして帰ってしまうのが常でした。

(それがわたくしにたいするえんりょからだとは、いかなわたくしにもきがつきませんでした。)

それが私に対する遠慮からだとは、如何な私にも気が付きませんでした。

(わたくしのところへたずねてくるものは、たいしたらんぼうものでもありませんでしたけれども、)

私の所へ訪ねて来るものは、大した乱暴者でもありませんでしたけれども、

(うちのひとにきがねをするほどなおとこはひとりもなかったのですから。)

宅の人に気兼をする程な男は一人もなかったのですから。

など

(そんなところになると、げしゅくにんのわたくしはあるじのようなもので、)

そんなところになると、下宿人の私は主人のようなもので、

(かんじんのおじょうさんがかえっていそうろうのいちにいたとおなじことです。)

肝心の御嬢さんが却って食客の位地にいたと同じ事です。

(しかしこれはただおもいだしたついでにかいただけで、じつはどうでもかまわないてんです。)

然しこれはただ思い出した序に書いただけで、実はどうでも構わない点です。

(ただそこにどうでもよくないことがひとつあったのです。)

ただ其所にどうでも可くない事が一つあったのです。

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